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【三国志】

[参照]
[渡邉義浩]1962→
1962(昭和37)年、東京都生まれ。
筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科修了。文学博士。大東文化大学文学部教授を経て、現在、早稲田大学常任理事・文学学術院教授。大隈記念早稲田佐賀学園理事長。専門は「古典中国」。三国志学会事務局長。
著書に『後漢国家の支配と儒教』、『儒教と中国-「二千年の正統思想」の起源』、『三国志一演義から正史、そして史実へ』、『全譯後漢書』(全19巻、主編)など、漫画「キングダム」の時代の関連晝籍で知られる。吉川英治『三国志』の新装版や映画「レッドクリフ」日本語版などの監修を担当。諸葛亮好き。

[小説]
三国志 全8巻吉川英治
1939→1943連載

[漫画]
三国志 全60巻横山光輝
三国志魂 荒川弘
●蒼天航路 王欣太(曹操物語)
龍帥の翼  史記・留侯世家異伝川原正敏
天才軍師、張良子房が主人公の「項羽と劉邦」
天地を喰らう 全7巻本宮ひろ志

【おすすめ三国志漫画】
[わかりやすい三国志〜子どもから大人まで〜初心者におすすめの漫画]
①黄巾の乱と桃園の誓い(「学研まんが 三国志」シリーズ)
②マンガ 三国志Ⅰ 劉備と諸葛孔明
③三国志
④三国志外伝【孔明篇】
[絶対に読んでおきたい!人気の三国志漫画おすすめ]
①蒼天航路
②覇-LORD-
③パリピ孔明
④天地を喰らう
[三国志を一気読み!完結漫画のおすすめ]
①三国志
②コミック版 三国志 桃園の誓い
③爆風三国志我王の乱
[三国志には魅力的なキャラクターがたくさん!登場人物がカッコイイおすすめ漫画]
①三国志 諸葛孔明(キャラクター:孔明)
②曹操孟徳正伝(キャラクター:曹操)
③三国志 (キャラクター:劉備)
④みんなの呉(キャラクター:孫権)
⑤終末のワルキューレ異聞 呂布奉先飛将伝(キャラクター:呂布)
⑥異郷の草 三国志連作集
[三国志で爆笑?コメディ・ギャグ(ネタ)でおすすめの漫画]
①白井版三国志遊戯 STOP劉備くん!
②孔明のヨメ。
③漢晋春秋司馬仲達伝三国志 しばちゅうさん
④曹植系男子
⑤~サラリーマン三国志~三国社
⑥バイトのコーメイくん
[イケメン・主人公が魅力的!女子にもおすすめの漫画]
①三国志ジョーカー
②諸葛孔明 時の地平線
③王者の遊戯
④泣き虫弱虫諸葛孔明
[三国時代or現代へ!タイムスリップ・転生おすすめ漫画]
①劉備徳子は静かに暮らしたい
②龍狼伝
③三国志メシ
④ブレイド三国志
⑤魔王令嬢から始める三国志~董白伝~

【ゲーム】
[ファミコン]
天地を喰らう1989
天地を喰らう2諸葛孔明伝1991
[ゲームボーイ]
天地を喰らう1994
前半RPG後半シュミレーション
[スーパーファミコン]
天地を喰らう三国志群雄伝1995
国取りシュミレーション

三国志大戦(セガ・カードゲーム)

【物語(編集中)】
商人はとてつもない力を持つ。

三国志 陳寿
三国志演義 羅貫中

220→280三国時代
魏・蜀・呉
虎牢関(ころうかん)の戦い
董卓
部下華雄将軍

赤壁の戦い(長江)
曹操軍VS孫権・劉備連合軍
周瑜(呉の武将)
諸葛亮孔明
(三顧の礼)

10万本の矢
夏侯惇()

魏・蜀・呉
関羽が呉軍に捕縛され処刑
華佗(医者)


184年から280年頃。日本は、邪馬台国の時期になりますね。女王卑弥呼が、三国志の一国「魏」に使いを送ったことが有名。

秦から普に至る経緯。前漢~後漢の間は、約400年

ちなみに、この時代の日本は、はっきりとした文献が残っておらず、謎だらけ。三国志の場合、正史に加えて、物語性の強い演義を残してくれているため、エンタメとしても楽しむことができます。

三国志とは
中国は、秦の始皇帝が、初めて統一王朝を作ったところから、しっかりとした歴史が残っています。ここの中国統一話は、マンガの「キングダム」で、知った方も多いと思います。
その秦を倒した劉邦の漢帝国は、前漢・後漢と波乱ばかりながら、なんとかかんとか頑張って、約400年続きます。しかし、長続きしたことで、トラブル多発、ついに滅んでしまいます。その「漢」が、滅び、新たな国を作るお話が、三国志です。

なぜ、三国志が人気?
三国志=三国時代は、日本の戦国時代と同じく、戦乱の世であり、多くの英雄・軍師が活躍しました。その活躍ぶりを物語にした三国志演義は、友情・努力・勝利を兼ね備えた面白い話として、後世、人気となったのです。今回のお話もその三国志演義を元にすすめます!

魏・呉・蜀の分類は、こんな感じ。当時の中国は、黄河流域が、一番の文明地域で、中原と呼んでいました。その地域を抑えている魏が、最大の国力を誇る有力国。


【登場する国】
後漢:三国時代の前の王朝。劉邦の子孫を皇帝として400年続きました。末期には、飢饉・疫病が続く時代のなか、皇帝の跡目争いが続き、各地で反乱(黄巾の乱)が生じる。にもかかわらず、去勢された宦官・皇帝の母や后の一族である外戚・官僚による争い続きで、中国全土に目が届かなくなり、三国の一つ「魏」に滅ぼされる。

魏:三国志の英雄かつ敵役となった「曹操」が、作り上げた国。中国の中央・北部を支配。三国の中で、最強・最大の国。後漢最後の皇帝「献帝」から強制的に、皇帝の位を譲り受けることで、漢⇒魏へと王朝を交代させることに成功。曹操は、宦官の子孫のため、血筋・権威は、いまいち。お話の中では、悪役に近い。

蜀:三国志演義の主人公「劉備」が作った国。現代の四川省あたりを国とする。三国の中で、人口・面積などで、一番、小さい国。劉備は、漢帝国の皇帝一族を主張していて、漢の復興を旗印に戦う。物語の終盤に、後漢が魏に滅ぼされたため、国名を蜀漢として、漢帝国の後継国を名乗る。血筋という正当性があること。最後は、魏に滅ぼされてしまう悲劇もあり、蜀=劉備が主人公。

呉:孫堅~孫策・孫権と続く、中国南部の豪族が建国した国。中国南東を支配する国として、魏・蜀とともに、三国時代を作り上げる。有名な赤壁の戦いは、呉(孫権)と魏(曹操)の争いに、当時、流浪に近かった蜀(劉備)が援軍についた戦いであり、魏が勝っていれば、そのまま天下統一していたはず。ヒール(悪役)の魏、ベビーフェイス(正義)の蜀に対しての第三勢力で脇役。特に、孫権の代になると、天下統一を望む積極性を失ったため、魅力に欠ける立場となる。

【主な登場人物紹介】
献帝:後漢最後の皇帝「劉協」。第14代皇帝として9歳で即位。董卓~李傕~曹操と覇者の元、傀儡の皇帝となる。189年4月、父霊帝が死去すると兄の少帝が即位。その後、董卓が、少帝を廃止して、劉協を皇位につけた。この皇位を巡る継承争いが乱世のきっかけとなる。曹操の死後、曹操の息子「曹丕」に帝位を譲り、後漢は滅ぶことになる。

董卓:西側の騎馬民族の多い地域。西涼の太守。王朝の混乱に乗じて洛陽に乗り込む。幼帝を手中に収めた後、群雄の攻撃を呂布の活躍などで乗り切る。序盤のいかにもなイメージどおりの悪役。驕りから悪行を繰り返し、美女「貂蝉」をめぐり、呂布に斬られる。

呂布:三国志最強の猛将。愛馬の赤兎馬を駆って、戦陣を疾駆すれば、天下無敵。天下には、興味がなく、武将としては最強も大将になるには、頭脳に問題あり。養父二人を斬り、恩人だった劉備の地位を奪うなど、人格にも問題あり。貂蝉をめぐり、董卓と争う。

貂蝉:古代の中国四大美人の一人。三国志演義が作った架空の女性。後漢朝廷に仕える王允が育てる。王允の打倒董卓計画の駒となり、呂布を惚れさせた後、董卓の側室になる。それによって、董卓と呂布を仲違いさせることに成功。

袁紹:名門出身のお坊ちゃま。後漢末期、宦官と対立し、壊滅させることに成功。しかし、董卓との争いに敗れて、地方に逃れる。その後、諸侯軍を結成して、打倒董卓を目指す。董卓没後、名門の力を利用し、冀州を中心に、群雄最大の勢力にのしあがる。帝を握る曹操と激しく戦うも、官途の戦いに敗れてから、ジリ貧となり、病死する。今川義元&武田信玄をあわせたようなイメージ。

魏:曹操軍
曹操:この物語で、一番、有能な男。名門ながら、祖父が宦官である家柄にコンプレックスがある。その流れからか血筋だけの皇帝に疑問を持つ。力を持つものが、覇者となり、新たな王朝を開くという考え方の元、天下統一に向けてひた走る。初期のライバル袁紹より、血筋・勢力に劣るため、黄巾の乱・董卓討伐などでは、少数の勢力で奮戦する。
才能のある人物が大好きで、優秀な人を集めるのが趣味。関羽を勧誘するが失敗する。自身も軍事・歌の才能を持つ名将。やや冷酷な面があり、織田信長の人物像に近い。美女に溺れたり、大軍で油断したりと人間臭い面のある男。

曹丕:曹操の次男で、魏の初代皇帝。戦は上手くないが、政治の手腕はなかなか。弟の曹植との争いに勝ち、後継者に選ばれる。

司馬懿:魏の重臣、軍の最高司令官として、諸葛亮孔明と戦う。孔明の天才を誰よりも理解しているがゆえに、正面から戦に勝つことを目指さない。攻め込んでくる蜀の孔明を持久戦に持ち込み耐えることによる勝利を得る。三国志後半での敵役。子孫が、魏を滅ぼし、晋王朝を建てる。
蜀:劉備軍

劉備:関羽・張飛・諸葛亮とともに、蜀を作り上げた男。漢の中山靖王の末裔を自称。漢王朝を建て直すことで乱世をしずめることを目的に戦う。民を大切にする人情家で人を惹きつける魅力と信義を大切にするところが、セールスポイント。関羽・張飛と桃園の誓いで義兄弟となるところから三国志が始まる。こんな人が上司だったらいいなあと理想をおもいっきり詰め込んだ人物。部下の方が優秀で、本人は、少し抜けていたりするところも含めて、まさに、東洋っぽい理想の君主像。

関羽:劉備の義弟。おそらく、呂布に次ぐ豪傑。正義感に溢れ、常に劉備を尊敬する男。武将の中の武将といえる。おしむらくは、正義感の強さゆえか心が狭く、清濁あわせのむ器量が足りない。劉備と孫権の間を取り持つ位の器があれば、魏を滅ぼすこともできたはず。

張飛:劉備の義弟。呂布をほんの少しだけ小さくしたような男。粗暴かつ酒乱の傾向がある。
武勇は天下に轟くも、大将としての器には欠ける。嫉妬深い面もあり、劉備と孔明の仲を嫉妬するなど、人間らしい面が強い。ギャグ要素には欠かせない。

諸葛亮:「臥龍」と呼ばれる軍師。劉備に三個の礼で頼み込まれ、天下三分の計を授ける。ついには、志をともにし、軍師となる。軍事・政治ともに秀でており、智にかけてはナンバーワン。
そんな諸葛亮。残念なことに、弱点がありすぎ。何しろ、有能すぎて、仕事を部下に任せられず、人を見る目にやや欠ける。人の好き嫌いもあって、蜀一番の武将になった魏延がとにかく嫌い。
どんな人間も不思議な力で魅了し、なんだかんだと運の強い劉備とは、良いコンビだったのに、劉備が亡くなってからは、頑張っても報われない。「泣いて馬謖を斬る」など悲しい役回りを演じることになる。
呉:孫権軍

孫堅:孫策・孫権の父。董卓を討伐する諸侯の一員として洛陽に乗り込む。伝国の玉璽(皇帝の印鑑)を手に入れて、天下への野望を燃やすが、流れ矢に当たり戦死。

孫策:孫堅の長男。父の死後、袁術の元で成長。天下を目指して立ち上がり、親友周瑜とともに、呉の礎を築き上げる。英雄の器と恐れられるが、若くして戦死。周瑜とは、妻同士が姉妹。

孫権:孫堅の次男。呉の初代皇帝。戦の天才だった兄に対して、民政に才能を持つ。周瑜・呂蒙・陸遜といった優れた家臣に戦を任せる度量がある。ただし、天下を争う気概はないようで、自国を守ることを優先している。

周瑜:孫策の幼馴染で親友。呉の大将軍として、孫策の意志を継ぎ、孫権を支えて天下を目指す。赤壁の戦いでは、圧倒的な曹操軍を破り、天下二分の計を実行すべく荊州・益州を取りに動き出す。志半ばで、病死。彼を失った孫権は、天下への野心を無くす。美形・忠義心・軍略と三拍子揃った男。妻も美人。
新解釈三国志の予告編動画はこちら

【三国志 簡単なあらすじ】
中国文学屈指の名著。三国志。物語として、かなり長いので、本編を読まずに、映画やゲームから入る人もいると思います。そんな方に、かんたんなあらすじをご紹介します。

三国志は、魏・呉・蜀と3つの国を建国するお話。主役は、その中の一つ、蜀の劉備玄徳。そして、ライバルとして登場するのが魏の曹操。もう一つ、呉の孫権は、ちょっと脇役ぽい感じです。
皇帝の末裔なんだけど、今は貧乏で、むしろを売る「信義と仁徳を重んじる劉備」。宦官の末裔ながら、祖父が巨額の資産をため込み、金で地位を得た一族のエリート、才能溢れる曹操」。この二人のライバル関係を元に、お話を読んでいけば、わかりやすいと思います。情に厚い心優しい劉備、才能と野心にあふれる曹操の対比と思ってください。

三国志序盤:後漢の衰えと群雄割拠します

劉備の物語
中国後漢の時代。政治は、自分たちのためだけに権力を争い、各地で暴れまわる黄巾賊を討伐できず。民衆は、飢えや病・族や役人の横暴に苦しむ。
そんな世の中を憂いた青年劉備は、天下を静め、民を救おうと立ち上がる。そして、劉備の信念・人徳に惚れ込んだ豪傑、関羽・張飛の二人は、桃園に義兄弟の契を結び、三人のドラマは、幕を開けることになる。

三国志14光栄

曹操の物語
時を同じく、宦官として財を蓄えた曹騰の孫にあたる曹操は、一族の総力を賭けて、風雲の時代に乗り出そうとしていた。人物占いを得意にする許子将から、「治世の能臣、乱世の奸雄」と評された曹操。乱れた世の中こそ、自身の野望を実現するため、絶好の舞台となるのだった。

三国志14:光栄

黄巾の乱
政治が乱れ、飢饉で飢えれば、反乱が起きるのは当たり前。各地で起きている黄巾の乱(張角率いる妖術の乱)をおさめるため、漢帝国の将軍、そして、曹操・劉備をはじめとする若き英雄達は、各地で戦う。
若き英雄たちの活躍で、黄巾の乱こそ平定できたものの、大地も人心も荒れ果てた。さらに、中央・地方では、汚職がはびこり、民たちを助けようとはしない。
そんな希望のない時代、宿命のライバル「劉備と曹操」は、黄巾賊と共に戦う中、古い時代の将軍たちでは、世直しはできないと見切りをつけ、互いが持つ英雄の資質を認め合うのだった。

皇帝の死と朝廷の混乱
189年.皇帝「霊帝」が崩御し、14歳の劉弁が即位。この時、朝廷の実権を握っていたのは、私腹を肥やすことばかりしていた宦官。それに対抗する大将軍の何進は、若手武将の袁紹・袁術らとともに計画を練り、各地の諸侯を呼び寄せる。宦官側は、討たれる前にと、大将軍何進を騙し討ち。これに怒った袁紹・袁術は、宦官の皆殺しを行い、宦官の権力は失われることに。
この後、亡き何進の呼びかけに答えた董卓が上洛。力を背景に権力を奪った彼は、劉弁を廃して、劉協を献帝として即位させる。朝廷を支配した董卓は、悪逆の限りを尽くし、曹操・袁紹達は、従いたくないと洛陽から脱出する。
そして、董卓は、三国志最強の呼び声高い勇将呂布に名馬赤兎を与え、養子とすることで、最強の矛を手に入れることに成功。

反董卓連合軍と董卓の死
董卓の横暴に怒った袁紹・袁術・曹操らは、反董卓連合軍を結成。董卓は、首都の洛陽を焼き払い、守りの固い長安に遷都。
ここは、序盤の見せ場で、豪傑達の華麗な一騎打ちを堪能できます。呂布対劉備三兄弟の戦いなど英雄・豪傑が輝く時。一方、董卓の圧政に対して、大臣の王允は、美女の貂蝉を使う計画を実行。これが成功して、董卓の首に、呂布の刃が振り下ろされるのだった。


207年1月の状況

群雄割拠
董卓亡き後、さらに世は乱れ、各地に群雄が割拠。まさに、武田・上杉・織田・毛利・島津と大名が独立していった戦国時代と同じような状況に。
そんな中で、曹操は、いちはやく、帝を助けて、総理大臣と同じ役目を持つ丞相となる。
董卓が去り、焼き払われた洛陽で、伝国の玉璽を手に入れた孫堅(孫権の父)は、英雄の器を示すも劉表の部下黄祖との戦で戦死。その野望は、息子の孫策に引き継がれる。
さらに、名門貴族出身の袁紹・袁術は、北と南で勢力を拡大。呂布と劉備は、もつれた糸のように絡み合うも、歯車が噛み合わないままくっついたり離れたりを繰り返します。
覇王への道をひた走る曹操

呂布対曹操
最強の武将、呂布は、勢力を伸ばし、曹操を脅かす。しかし、力を合わせれば、ベストパートナーになれそうな劉備を追い出すことを選んだ。追い出された劉備は、曹操の元で、客将となり、曹操と呂布の決着が迫る。

袁紹対曹操

呂布を倒して勢力を拡大した曹操。次なる敵は、河北四州を制圧し、中華最大の勢力に成長した袁紹。
呂布・孫策に敗れた袁術。曹操の元から脱した劉備。傀儡の帝となった献帝のもと、謀反の狼煙もあがる。
ところが、北の覇者、袁紹は、これら曹操に対する勢力をまとめ上げることをせず、独力でも曹操を倒せると余裕を見せている。それに対して、四方を敵に囲まれている曹操は、すべての兵力・麦の一粒までもかきあつめて袁紹に挑む。そして、ついに、袁紹の大軍を官途の戦いで破り、袁紹の勢力を没落させる。
その頃、孫堅の意志を継ぐ孫策は、親友周瑜とともに、長江南岸の支配に乗り出す。連戦レ連勝を続け、江東の小覇王と呼ばれるようになった孫策。その彼に父と同じ悲劇が待っていた。

覇王に近づく曹操と流浪の劉備
河北を支配した袁紹は、官途で、曹操に敗れて以後、力を無くし、死去。さらに、後継者を明らかにしていなかったため、後継者争いが生じて、袁家は分裂。曹操軍は、袁紹が支配した河北を傘下におさめる。
南では、兄の孫策を失った呉。後継の孫権は、兄の臣下に支えられて、勢力を伸ばす。親友であり天下を目指す偉大な主君を失った周瑜。自らが、孫権を支え、曹操を倒して、天下を目指す道を歩むことを決意する。
曹操に敗れた劉備は、南に逃れて、荊州の劉表のもとに身を寄せる。しかし、皇帝の一族である劉表は、年老いて、領土を守るのが精一杯。そして、後継者に悩む日々。次男劉琮は、幼いながらも、生母とその一族の後押しで、徐々に、後継者に近づきつつあった。
そして、流浪を続ける劉備は、運命を変える男と出会うことになる。
軍師孔明の登場と蜀呉同盟

追い詰められた劉備の光明
北と中原を制覇した曹操は、かつての袁紹をはるかに超える勢力で、中華に敵なし。天下を目前とする。次は、南の劉表をターゲットに動き出す。
もはや、中華に大地なしと諦めの念を持つ劉備。ところが、そこで出会った徐庶に、軍師の戦を教えられ、曹操軍の先鋒を押し返すことに成功する。徐庶は、曹操の無理やりな人材引き抜きに屈して、劉備の元を去るが、荊州に、天才軍師の「臥竜:諸葛亮孔明」が潜んでいることを教える。

天下三分の計
天下は、定まっておらず、四川の地=蜀を得て、呉の孫権とともに曹操に対抗する天下三分の計を劉備に示す孔明。ついに、龍は、劉備という乗り手を得て、遅ればせながら、戦乱の世に身を投じる。
荊州の主、劉表は、世を去り、後継の劉琮は、荊州を曹操に差し出す。曹操軍は、荊州を奪い、流浪の劉備、呉の孫権を下すべく、数十万の兵を引き連れて進軍する。

赤壁前夜
数万の兵しか持たぬ劉備軍は、奮戦するも敵わず。単独で、曹操に対することはできないため、孫権の決断を待つことに。孫権を動かすために、諸葛亮が出向く。
しかし、圧倒的な曹操軍の前に、降伏論が強い孫権陣営。そこに、現れた周瑜と孔明。孫策の遺志を継ぐ周瑜は、孫権の心を燃え上がらせて、曹操軍との戦いを決意させることに成功。いよいよ、三国志最大の戦い、赤壁の戦いが、ここに始まる。

三国志14:光栄 周瑜

赤壁の戦い
圧倒的な兵力を誇る曹操は、周瑜率いる孫権軍と長江を挟んで対峙する。三十万対三万とも言われる兵力差で、勝利を掴むために苦悩する周瑜。孫権軍のメリットは、長江で鍛えた水軍とジョーカーたりえる劉備軍。
圧倒的な兵力も、死域近くまで追い詰められた人間の知恵にはかなわず。長江沿岸の曹操軍は、紅蓮の炎に焼かれて燃え上がる。苦肉の策・連環の計・火計が続けざまに成功して、曹操軍は、敗走。逃げ出す曹操を追い詰めたのは、劉備の義弟「関羽」。一騎当千の彼の前に、曹操の命が差し出された。

天下二分と天下三分
赤壁で曹操を破った劉備と孫権。孫権の妹が劉備に輿入れして、表面での同盟は強固に。しかし、孔明の戦略「天下三分」に対し、周瑜の戦略は、劉備を外した「天下二分」。水面下での軋轢は、静かに英雄の溝を広げていく。
だがしかし、孫家に、三度の悲劇。呉の総司令官として、荊州攻略にあたっていた周瑜が病に倒れて帰らぬ人に。稀代の英雄を三度も失った呉は、底に鬱憤をためながら、劉備の益州侵攻を認める。
一方、北西では、西涼を支配する馬超とその同盟者韓遂が、曹操に戦いを挑む。錦馬超と呼ばれた名将の馬超は、曹操と五分の戦いを繰り広げる、

劉備の蜀建国と去りゆく英雄たち
劉備の益州攻略
天下三分の計を目指して、益州に進出する劉備。益州を支配する劉璋は、四囲の敵に対抗するため、劉備を迎え入れることを決意するが、劉備が益州を獲ろうとしていることを知り対決する。劉備は、臥竜・鳳雛と称された軍師の龐統を落鳳坡で失うなど苦戦するも、戦になれた劉備軍の前に、劉璋は、降伏する。

激闘!劉備と曹操
天下三分の計がなった劉備軍。馬超を下した曹操は、漢中から益州の劉備と雌雄を決すべく戦いに向かう。そして、荊州に残る関羽は、荊州から北進し、中原を望む。これまで、曹操に追い回されるばかりだった劉備は、益州と孔明を得て、ついに互角の戦いを挑むことになった。

孫権の裏切り
漢中・荊州と2方面からの劉備軍の侵攻に苦しむ曹操。劉備が曹操を倒した時のことを心配する呉の孫権。中原を伺い侵攻する関羽は、蜀呉の同盟に安心して、背後をがら空きにしていた。孫策・周瑜を失った孫権は、自ら天下を奪い取るほどの才能がないことを自覚していた。周瑜が目指した天下二分は、周瑜がいてこそ実現できる計画。魏の曹操を蜀・呉で倒しての天下二分は夢物語に過ぎず、強くなった蜀に圧倒される未来しか見えず!

英雄の死
孫権の裏切りで、関羽が戦死。同じ時に生まれなくても、同じ日に死ぬことを願った義弟の死に動揺する劉備。
魏王となり、漢王室を追い詰める曹操。しかし、彼の命もまた尽きようとしていた。後継を長男の曹丕に譲り、己の死に向けて準備する稀代の英雄。
最強の魏が、乱れる中。関羽を失った劉備は、呉の孫権を討つことに決める。最も強い魏を放り出して、弱い二国が争うのは、戦略として愚策。孔明をはじめとした反対を押し切り、信義と徳を信念に生きてきた劉備は、愚策を知りつつ、戦に向かう。そして、もうひとりの弟、張飛の命もまた尽きてしまう。

弔い合戦
関羽・張飛の敵討ちと、長江を下る劉備軍。孫権は、若き英才「陸遜」にすべてを委ねて迎え撃つ。破竹の進撃を見せる劉備軍の前に、孫権軍は、押しまくられるばかり。
ところが、夷陵まで下がった陸遜は、乾坤一擲の策を成功させて、蜀軍を打ち破る。敗れた劉備は、白帝城で死期を悟り、孔明を呼ぶ。

諸葛亮孔明の孤独な戦い

三国志14 光栄

残された孔明と次代の英雄達
三国志初期の英雄達が次々に世を去り、残された諸葛亮孔明。戦で疲弊した蜀の国力を回復させ、呉との同盟を復活させて、魏に挑む準備を整える。
蜀の南の異民族を服属させた孔明は、出師の表を劉備の息子「劉禅」に捧げて、魏攻略の戦を始める。

運に恵まれない諸葛亮の悲劇
劉備の遺志を継ぎ、魏に戦いを挑む孔明。魏は、司馬懿仲達を総司令官に任じて、孔明の侵攻を防ぐ。戦略で上回る孔明は、魏を何度も追い詰めるが、どの戦でも、運が味方せず、小さなほころびが生じて撤退する羽目に。

諸葛亮の最後
挑んでも挑んでも亀のように、陣を固める司馬懿。長引く戦は、諸葛亮の体を蝕んでいく。
そして、ついに、五丈原の地に巨星墜つ。英雄・豪傑が去り、愛弟子を斬り、それでも、戦に挑んだ孔明。三国志の物語は、孔明の死をもって幕を下ろすのがふさわしい。

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