ホール業というスポーツ
私は都内の飲食店でホール業をしている。
こんな時期だけれどもウチの店はなんだか忙しい。
朝から晩まで店の中でバタバタと動いているからコロナによって街の様子がどう変わったのかが、毎日その街にいながらよく分かっていない。
で、今回の「はたらくってなんだろう」というテーマ。
毎日忙しく疲れたぁとかも言うけども、この仕事が嫌いかと聞かれたら嫌いじゃないと返すだろう。
ホール業はお客さんに水出して、オーダー取って、料理持ってて、帰ったらお皿下げてテーブル拭く仕事。
やるべき事はそれだけ。後はそこに水とか料理を静かに置くとか、料理について何か聞かれたら答えるとかお皿下げる時もガチャガチャ音を立てないとか、+芸術点みたいなものをつけていくだけ。
で、ちょっと話はズレるけど私はバスケが好き。本当はバスケやりたいんだけど近くにコートないし、SNSで人集めるのもやろうと思えば出来るんだろうけどそこまでは面倒。だから寝る前に毎日YouTubeでNBAの動画なんかを観ちゃう。なんだよあのフェイク!!とか、はぁ〜今のダンクスゲエなぁなんて思いながら観てる。
で、バスケがやりたいけど出来ない奴がNBAの動画を頭に刷り込ませたまま、忙しい飲食店のホールをするとどうなるか。
結果、店内をハイテンションで無駄に異常に動くようなる。バスケのピボットを使い、緩急を使い、目で仲間に合図を送る。今日は歯応えがねぇななんてよくわからない事をボヤく。
お客さんにサービスとか売り上げがとか役職がとか全く興味がない。そんな事よりバスケがしたいけど出来ないからその代わりとしてのホール業なのだ。
だから私の中ではホール業はスポーツなのだ。
団体競技でありながら個人プレイも求められる。
私の中ではホール業はバスケと一緒なんだから攻めたら守ったりとにかく動く。(試合中、動かないバスケ選手はいない。)
ホール業はスポーツだよ。なんて事は一緒にスタッフには言ったことはない。( 当たり前だ )
これは完全な1人遊びであり、自己満足の世界である。
毎日好きなバスケをしていると考えたら、その先の夢や目標などない。
プレイヤーとして動き続ける事に、それだけでもう満足なのだ。
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