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雑用は大事、本当に大事

「雑用を人に任せて自分の仕事に専念する」ってことが、どうにもうまくできない。
するとどうなるか。
ふつうに雑用に追われることになる。

請求書を書く、支払いの確認をする、終わった仕事をすぐにリスト化する、お礼のメールを書く、領収書の整理をする、契約書など必要な書類を送り返す、郵便物を梱包する、お店の予約をする、デスク回りを片付ける、掃除をする…仕事に関係することだけでも雑用は毎日いっぱいある。山のようにある。

フリーランスでひとりで仕事しているので、こういうあらゆる小さいことを全部ひとりでやっている。
リストにして数えてみたら仕事の大半は雑用と言っていいかもしれない。
一見どうでもよさそうなことばかりだ。

けど、やっぱり思う。

雑用、大事!
本当に、雑用大事!

大切なことだから2回言ってみた。

仕事の神様は細部に宿るというけど、ひとつひとつの雑用をいかにしっかりていねいにやれているかが、長い目で見たらすごく大事になってくる。

請求書を書くときに手書きのお礼状を添える。
送り返す荷物の梱包を丁寧にやる。
大切な書類は書留で送る。
郵便を送り返すとき「行」を「御中」か「様」に書き換える。

こういう小さな雑用のひとつひとつをいかにていねいにやるか。
これが実は大きい。

たぶん全ての仕事は、小さい。
大きな仕事も小さな仕事の積み重ねでできている。
だから本当に小さいことをいかにていねいにできるか、いかにそこに目を配らせているか、それが全体をにとって大事になってくる。

雑用をていねいにやるということは全てのクリエイティブの基板と言ってもいい。

だから雑用をおろそかにしてはいけない。

そして、忙しくて大変なときほど、徹底して小さな雑用をていねいにしっかりやる。
これが集中力を生む上でバカにならないほど大きな効果を生む。

脳科学者の茂木健一郎も「やり抜く脳の鍛え方」の中で、「細かな雑用を粘り強く、精度高くこなすことで、どんなことでも持続して成果を出す脳の耐性ができる」とやり抜く力を育てる上での雑用の有効性を説いている。

あれこれと雑用をこなすことは、脳に締切効果を生み出し、脳に心地よい緊張感を生み出すのだという。

わたしにとっても雑用は、仕事の集中力を生む上でとても大切ものになっている。
これは長く仕事してきて実感したことのひとつ。
正直なところ、細かな雑用はめんどうくさいし、そんなことやってる場合じゃないよってくらい毎日忙しいんだけど、忙しいときこそあえて雑用をしっかりやるようにしている。
ある意味で仕事の息抜きのようなことでもあり、小さな仕事をためこまないためのライフハックという面もあるけど、それだけじゃない気がする。
時間がない中での雑用作業は、短時間で終わらせるために適格な順番と効率性を考えて動くから、そのことで思考が加速的に働くのだと思う。
早く終わらせようとすることで脳が活性化して、息抜きすると同時に、いいアイドリング状態で次に作業に気持ちよく入っていける感じがある。
仕事の合間の息抜きとして考えつつ、それ自体が起爆剤にもなるし、そして何より細かなことがひとつ片付き、終わるという達成感まで味わえる。
一石四鳥くらいの効果がある。

天才たちの日課」によると、作家のヘミングウェイも執筆前にHBの鉛筆を20本削るという言うなれば雑用をしていたらしい。そして執筆に行き詰まったら手紙の返信を書くことで気を紛らわせた。それは「厳かに書かなければならない義務からの解放」なのだそうだ。

天才アインシュタインも、雑用が一切ない研究だけに没頭できる好環境にいたときは逆に研究のための緊張感を欠いて、自分の能力を磨くとこができなかったそうだ。

天才にも雑用は必要なのだ。

雑用はそれ自体がクリエイティブなものだし、そして集中力を育てる上で、とても大切なものでもあると思う。

だから、雑用、大事!
本当に大事なのだ!!


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