マーケティングの視点でカスタマーサポートを再定義する!新時代の顧客エンゲージメント戦略
カスタマーサポート分野に、AI活用することでめちゃめちゃエンパワーメントになるけど、同じくらいマーケティング思考が加わるとエンパワーメントできる。
ちょっと煽りっぽいタイトルにしたが、伝えたいことは、マーケティング的な知識を持った上でカスタマーサポートをするといいことがあるよ、という話である。
高度なマーケティング思考というよりは、デジタルマーケティングの古典的なテクニックでも驚くほど効果が出ることがある。
例えばSEO。検索エンジンで上位表示されるための施策のことだが、企業のFAQの SEO対策を普通に頑張る会社は10社に1社もないので、すぐ効果が出る。どういうこと?と思われるかもしれないが、『カラクリ 返品』とかで検索して、返品方法のFAQページが1番上に出てくる、だけでいい。
極端な会社だと、ググってもヒットしないばかりか、開いたらFAQの TOPページで、もう一度検索する必要があったりする。
マーケティング的なSEOは、特定の抽象的なキーワードで、競合企業との熾烈な競争があるが、カスタマーサポートは、指名検索に毛が生えたレベル。多分、SEOの専門の方からするとかなり難易度の低い対策で十分だろう。
それでも対策しているところは少ない。対策さえすれば、すぐに効果がでる。
他には、例えばABテスト。広告クリエイティブを2種類以上作って、どちらがいいか結果を見て、品質を上げていく方法。広告の場合だと、それをら幾度も繰り返したりするケースもある。
カスタマーサポートの場合、FAQやチャットボットのABテストをしているところは、体感的に100社に1社くらい。うちの顧客でも、チャットボットの説明の順番を入れ替えるだけでフィードバックが良くなったり、FAQの文章を短くするだけで満足度が上がったりしている。マーケティング界隈で、ABテストは呼吸するように行われているが、カスタマーサポートではそうではない。なので、字面通り、2種類のFAQを比較して改善したりするだけで、すぐに効果が出る。
また、バナー広告。四角いかたちの画像とかテキストが混ざった広告クリエイティブのこと。目を引く広告クリエイティブだと、クリックされやすくなる。
カスタマーサポートの場合も、このバナークリエイティブ的な表現はかなり役立つ。例えば、チャットボットの吹き出しを『何かお困りですか?』から『ログインでお困りですか?』と、特定の提案に変えるだけでクリック率が上がることが多い。1パーセント上がりました、という広告業界でたまにみる改善度合いではなく、下手すると3倍になりました、とかが普通にある。外資系のAIとかでも、吹き出しマークだけで視認できていないひとがめちゃめちゃいたりするレベルのまま放置、ということもある。
バナー広告というと、かなり練られたクリエイティブをイメージされるかもしれないが、テキストでの吹き出しメッセージを少し工夫するだけでも、何もしないよりもすぐに効果が出る。
このように、SEO、ABテスト、バナークリエイティブ、みたいなマーケティングの初歩を、カスタマーサポートに移植するだけで、高確率でエンパワーメントできる。
もちろん他にも、いろいろたくさんある。メール配信、プッシュ通知、検索広告とLP、レコメンデーションなど、マーケティング用途だと飽きられた施策が、カスタマーサポートに応用したらめちゃくちゃ簡単に効果が出てしまうことがわりとある。
色々と書いたが、マーケターの方に、ぜひカスタマーサポートの分野に、部署異動、もしくは転職してもらいたいし、それがほんの少しでも活発になったらいいなと思っている。
しかし、最後のハードルとして、カスタマーサポート側にも、上記のようなギャップがあるこが知られておらず(課題が顕在化されていない)、私たちの力不足も痛感している。マーケターの方には信じられないかもしれないが、SEOのこともよく知らない、という空気すらある。
マーケティングベンダー側もこのことに気付いていないのか、気付いているがカスタマーサポートの市場が小さい認識なのか、なかなかやってこない。グローバルで見てもハブスポットくらいしかいない。ハブスポットもマーケティング部門に十分に売れているからか?カスタマーサポートはオマケ感が拭えない(それでも、ほかと比べるとカスタマーサポートのことも考えてくれている気がする。)
確かに市場は、日本国内だと、コンタクトセンター市場が1兆円、日本の広告費が7兆円と比べると小さい。まあでも、カスタマーサポートに強いマーケティング支援会社が一社もないのはどうなのか?とも思う。まあうちがその1社になるが、あと100社くらいいてもいい気がする。マーケティング支援会社は国内に何社あるかわからないが、大中小含めて1000社くらいありそうな気がする。
実績を積み重ねつつ、頑張るしかないが、カスタマーサポート分野の仕事、してみたいなというマーケターの方、いらっしゃったらぜひご相談ください。