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カスタマーサポートにおけるAIの活用〜生成と定型のバランスが鍵〜

1.はじめに

チャットボット業界の現状

弊社を含め、コールセンターやコンタクトセンター向けのチャットボットやボイスボットを提供する企業が増えています。従来はFAQベースのコンテンツをチャットボットやボイスボットが第一線で対応するのが一般的でしたが、ChatGPTやGPT-4の登場により、状況を一から見直すべき興味深いタイミングが訪れていると言えるでしょう。

ChatGPTやGPT-4がもたらすインパクト

ChatGPTの登場は、ユーザーエクスペリエンスの革新と相まって、大規模言語モデルの驚異的な力を広く認識させました。あらゆる場で、ビジネス活用や新たな事業創出への期待が高まっています。

カスタマーサポート向けチャットボットも、特定のFAQやナレッジベースURLを指定するだけで簡単に実装できるサービスが登場しており、弊社も無料のチャットボットメーカーを公開しています。

以下のリンク先で、ぜひ試してみてください。URLの指定だけでGPT-3.5相当のモデルでのチャットボットを試すことができます。

そんな状況で、「カスタマーサポートのチャットボットは全て生成AIに取って代わられるのでは?」という疑念が自然と浮かんでくるでしょう。

この記事では、そのような疑問に対し、現段階での見解を提案することを目的としています。コールセンター・コンタクトセンター業界の方々には、ぜひ参考にしていただけると幸いです。

2.生成AIによる回答コンテンツ生成の利点と課題

テーマ設定

今回は、題材として『AIによる生成型チャットボットがカスタマーサポートにおける従来型チャットボットを置き換える可能性』に焦点を当て、利点と課題を整理していきたいと思います。

顧客からの問い合わせに対し、AIが都度回答を生成するものを「生成型」とし、従来のチャットボットが用いる方法である、人間が事前に回答コンテンツを準備し、それらから選んで表示するものを「定型型」と称します。

わかりやすくイメージ化。生成AIの実際の動きはぜひチャットボットメーカーでお試しください。

それぞれの利点と課題

生成型AIの精度は驚くべきもので、Q&Aのデータさえ整備されていればURLだけでチャットボットを構築できます。また、同じ質問に対しても毎回異なる回答をもたらす新しい体験の提供も魅力です。

しかし、顧客サポートにおいて直接「生成型」を活用する場合、コストパフォーマンスに課題があります。

CSの顧客対応にダイレクトに『生成』するのは課題のコスパが悪い

一般的なAIと同様に100%の精度というものは出ません

同様に、一般的なAIと同じく、完璧な精度を達成するのは困難です。さらに、生成型AIが優れているため、生成された回答が正確か間違っているかを判断することが難しくなります(専門的な知識がないと見落とすレベル)。

さらに、顧客が問い合わせを行うシーンでは、回答の正確性を顧客自身が判断するのは非常に困難です。また、多くの顧客が手間をかけずに不満や疑問を解決する体験を求めており、生成型AIによる回答を厳密に検討するシチュエーションは想像しにくいのです。

現時点での結論

これらの諸問題から、よほどカスタマーと期待値を握れていないケースにおいては、カスタマーサポートの場面でダイレクトに回答を生成して提供することは現実的ではないと考えます。

まとめると、現時点は生成をダイレクトに使うには厳しい

(一方、このレベルの生成AIのチャットボットでも活用できそう、という方は個別にカラクリGPTラボにお問い合わせください)

3.生成AIの価値を殺さない活用方法を探る

カスタマーサポートの領域において、顧客からの問い合わせに対し生成AIで即座に回答を生成することが難しいとしても、それが生成AIを利用できないということでは決してありません。

顧客に対して提供する回答コンテンツでは「定型」が適していますが、その「定型」コンテンツの作成においては、生成AIが大変有用です。実際、AIのサポートなしでアナログなQ&Aコンテンツを作成するタスクは、近い将来に姿を消すことでしょう。

弊社のQ&Aの文章校正チェックのプロトタイプ画面

このように生成AIの使い所は、様々なあるので、ぜひコンタクトセンター内でいろいろと試行錯誤してみてください。

様々なシーンで利活用可能

4.進化する生成AIと定型回答の適切な組み合わせの探求は始まったばかり

現時点では、顧客対応のシーンで即座に回答を生成することは適していないという結論を導いていますが、将来的にはその見解が覆る可能性もあります。

ChatGPTを始めとする生成AIの革命はまだ始まったばかりですから、カスタマーサポートの分野でも積極的に活用法を探求しましょう!

まとめ

そうした目標に共に取り組んでいただける企業様は、ぜひお問い合わせください。

継続的な改善と適応を通じて、カスタマーサポートの未来を切り拓いていきましょう!

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