【永遠の命】人間がネット世界で生き続けたら?
こんにちは、しもんです。
今回は、真面目な話ではなくて、空想の世界の話をしたいと思います。
外に出ることができず、娯楽がいつもより少ない中、「永遠の命を与えられたら?」ということに思想を巡らせるのも、自分自身の「限りある人生」について考えるよい機会でしょう。
こんな気分になったのは、「アップロード」というアマゾンプライムビデオのシリーズを見たからです。
この記事では、この動画の「死後もネット上にアバターを作成するとこで、行き続けられる」そんな少し現実感のある世界の話をまとめ、「寿命」について考えたいと思います。
永遠の命を得たら死にたくなった
物語は、ロビー・アメル演じるハンサムで才能あふれる主人公が、自動車事故にあうことから本題に入ります。
この時代は、すでに自動車は自動運転のものしか存在せず、ドライブ中はゲームなど好きなことをできます。
安全性が確保されているはずの一般に普及した後の自動車運転で事故が起こるなんて奇妙ですよね?
(これが本当に事故だったのか?というミステリー要素もこのシリーズにはありますが、今回は、ネット上の仮想世界を中心にお話します)
病院についた主人公は、「手術」か「アップロード」かの選択を迫られ、彼女に促されて、「仮想世界で永遠の命を得る選択」をします。
当初の彼の心象はとても複雑で、一度死んでから生き返った、順風満帆の人生から、仮想の世界でしか生きられなくなった、このぎゃっぷにとても苦しんでいました。
現実世界ではありえないような、小さなことにも不満を募らせていきます。
接客係の顔がいつも同じで腹立たしい、人間型広告がガムの押し売りをしてくる、髪の寝癖が一生治らない。
そんな苦しい世界で、彼は「完全な死」を求めます。
すでに死んでいる彼ですが、脳のデータをアップロードしたことで、ネット世界で生き延びることができています。
ただ、このネット世界にも「三途の川」という場所があり、そこに行けばデータを完全に消去することができるのです。
結果的に、彼のメンターが説得して「完全な自殺」を食い止めますが、永遠の命と言っても、現実世界との違いを目の当たりにしたとき、人は「死んでしまいたい」と思うのでしょう。
誰とでも会える
第二話では、アメリカの財政を支えた、資産500億円以上の大金持ち、いわばドナルド・トランプやケネディー大統領レベルの人と、主人公は対話することになります。
これは、現実ではなかなかありえないことですが、ネットの世界なら可能性を帯びてきます。
彼らのような大物でも、時間が無限にあるとなれば、ひょんなことから一般人とあってみようと思うこともあるかもしれません。
さらに、昔の偉人とも対話できる可能性があります。
例えば、アインシュタインの脳は今でも保存されているそうです。
このデータをもとにして、彼をネットの仮想世界で生き返らせることができるかもしれません。
さらに言えば、死んでしまった弟(~錬金術師が脳裏をよぎります)を生き返らせることも可能です。
ただ、ここで「気持ち悪さ」を感じる方がいるでしょう。
私もそうです。
なぜなら、「死んだ人は生き返らない」というのは絶対的な法則で、変えてはいけないものだと認識しているからです。
私達の生きている世界でも、「クローン人間」の作成は禁じられています。
これは、モラル的に大半の人間が拒否反応を示しているから、だと思います。
さらに、クローンが奴隷のように働かされる、人身売買のものとして使われるなど、クローンの人権問題も出てきます。
ネット世界に自分のクローンを作ることが技術的に可能になったとき、人類はそれを良しとするのか、禁止とするのか、疑問に思うところです。
個人的には、臓器売買のようなモノとして利用されず、実際の人間と同じように、働く時間や適切な対価を貰う権利を与えることで、「ネットクローン人間」がいてもよいのではないかと思います。
というのも、労働力不足を解消したり、永遠の命の中で、物事の研究を徹底的に突き詰めることができるので、人類の発展に大きく寄与すると思うからです。
ただ、やはりここでも問題になるのは、「ネットクローン人間」の意思を尊重することです。
彼らが、自分たちは作り物で、データのみの存在。現実世界に生きている人間の削除ボタン一つでなかったものにされてしまう。
そんな力の差がある中で、本当に対等な関係と権利を築くことができるのでしょうか?
本編では、ネット世界で生き返った主人公が、その維持費を払ってもらっている彼女に対して、頭が上がらない関係が描かれています。
彼が、自分の葬式で意見を言おうとすると、彼女は彼の存在データを消すメニューを一瞬で開いて、彼を脅します。
ネット世界で一生愛する人と暮らせるという甘い考えもありますが、どうも一筋縄では行かなそうです。
資本主義がネット世界でも反映される
先程言ったように、主人公の彼女が維持費を払うことで、主人公は生き延びることができています。
つまり、彼女がお金を払わなくなれば、彼のデータは凍結され、彼は何も感じず何もできない、データのみの植物人間になってしまいます。
このように、ネット世界で生きることができるようになったとしても、現実と同じように、豊かな人に対して優しく、貧しい人に対して厳しい、という世界の構造は変わりません。
本編では、資本主義の大きな差を描いています。
主人公のいる生活区域は「ゲータ容量無制限地域」で、朝ごはんは無料で食べ放題、食事も一流のシェフが作った品が並びます。
主人公のいる区域でも、お菓子を食べたり、ゴルフクラブなどの嗜好品を買う際は、現実のお金が必要になります。
ただ、この生活区域では、部屋は広くてきれい、外には森と湖が広がっていてハイキングも楽しめるといった、何不自由ない、一定の娯楽もある生活が約束されているのです。
それに対して悲惨なのは「2ギガ地域」です。
無制限地帯とは全く異なり、外に出ることはできず、真っ白な牢屋のような居住空間になります。
彼らは、何をするにもデータを消費して、2ギガがなくなったら、全く動けず、何も感じない、いわばスリープモードに月末まで入ります。
ご飯を食べる、服を着る、ほんのページを表示する、といった行為でもデータは消費されていきます。
その結果、ハリーポッターを読んでいて、データを使い切ってしまった少年が目の前で停止したり、なんの遊び道具もない少女が廊下で紙切れで遊んでいたり、男性のペニスがデータ不足で表示されなかったり、と悲惨な状況が描かれています。
このように、ネット世界を運営する会社が、利益を第一に求める会社である限り、ネットでの新しい生活が可能になっても、貧しい人に優しい世界にはならないのです。
いかがだったでしょうか?
ネット世界での永遠の命、といった魅力的に見える未来に起こり得そうなお話ですが、実際のところは、今の現実世界と同じく、お金が大事で、人権的な問題も多くあります。
ネットが広がって生活が便利になることは喜ばしいですが、ネット上にもう一つの世界を作っても劇的な私達の生活の質が向上することはないと思います。
なので、今は現実を精一杯生きて、現実から目を背けない、まっとうな生活を送りましょう。
私も日々がんばります。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
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