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映画館の好きな席

今日は久しぶりに一人で映画館へ。


一人で行くと必ず私が選ぶ席は、
学生時代から何となく決まっている。


一番後ろの席だ。

なぜなら、背が低い私は座高も低くて、前の人の頭が大きいと一発で見えなくなる。

なので、一番会場内で高い位置にある椅子に座る。

そして、そっと靴を脱いで、更にコンパクトになり、こっそり体育座りになったりする。


今日はモーニングショーで、8時55分からの一回のみの上映作品を観に行った。

月曜日の朝である。

ネット予約したらまだ誰も予約していなくて、

どうせならと、最後尾の中央席を取った。

映画館に着き、座席に荷物を置き、トイレへ向かう。座席の真上には映写機の窓があった。
なんだか特等席を得た気分でウキウキである。


トイレから戻ると、信じられない景色がそこにあった。





ピッタリと隣の席に見知らぬおばちゃんが
座っておる。




思い出していただきたい。
月曜日のモーニングショーである。

館内のこの部屋には、まだ3人しかいない。



そのうちの一人は私、もう一人は少し前の席に座る男性、


そしてもう一人は私の隣にピッタリ座っている見知らぬおばちゃんである。



言っておくが、中々の広さのお部屋である。ざっと200席はある。


私はちょっと混乱して、

ひょっとして私の席がやはり好きで、そこに座ろうかと企んでいるのか?
はたまた何かの間違いか?


と、頭をぐるぐる巡らせたが、もう聞いてみることにした。


すいません、
お席の番号はあっていますか?


すると、おばちゃんは急いで答えた。


ごめんなさいね、
さっき急いで席取ったらお隣だったみたいで。
始まって誰も来なければ、
一つ隣に移動しますね、


と。


平日の映画館でも、予約システムが隣の席取れちゃうんですねー、なんなら私が移動しますから、


と、和やかに謎は解けたまま、私とおばちゃんは何となく恥ずかしげに隣り合わせに予告を観ていた。


するとである。


場内が暗くなる数分前に、駆け込む人々。


見える範囲で10人くらいの人の、


なんと5人が最後尾に座った。



思い出していただきたい。


ざっと200席はある。


なのに、私の一つ離れた左隣りにもお一人の男性が座った。


その更に左奥の方にも数人座った。



なんだなんだ、


みんな最後尾フェチか。



結果おばちゃん側には人が座らなかったので、
やはりおばちゃんが、2席離れて座って下さった。


なんだけども。


おそらくこの回を観た人の半分以上が、
最後尾に結集していた。


いやこんなに並ぶ?
親戚?


始まる前になんかもう全然違う意味で笑いそうになるのを堪えている私を隠すかのように、場内は暗くなったのだった。



因みに観たのはこちら。
さいっこうだった。


そしてヘッダー写真は2ヶ月の冒険を春にしたボナ。最近は玄関の南部箪笥が好きな席。







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