見出し画像

私達を魅了する殺し屋映画【お薦め作品6選】

今回の記事を書こうと思ったキッカケは2021年に観た映画を思い返した時ののこと。面白かった作品の中でも「殺し屋」を題材にした映画が多くある事に気が付いた。殺し屋という非日常かつスリリングな存在は映画に限らず、様々な創作物で私たちを魅了している。

一般的な殺し屋のイメージ

作り手側もキャラクターの背景や行動に説明描写がいらない殺し屋という設定が使いやすいのだろう。これまでにも殺し屋を題材にした映画は多数作られている。

ここでは「殺し屋」を題材にした作品の中で、特にお薦めしたい作品を6本紹介している。
(なお、殺し屋の定義として「殺し屋=殺人を請け負うことで金銭的利益を得る者」として描かれている作品を選出している。)

【ジョン・ウィック】

2014年製作/103分/R15+/アメリカ

裏社会から引退した殺し屋が、愛した妻の形見の犬を殺されたことで、復讐のために再び裏社会へ舞い戻ってくる…
まさに今回のテーマの王道。「殺し屋」を題材にした作品で、最も興行収入が高い作品なんじゃないだろうか。アクション描写が気持ち良いし、ガンアクションやコンチネンタル・ホテルなどのユニークな設定など魅力が盛り沢山で、世界観に魅了されるし観てて楽しい。

すでに3作目まで作られており、シリーズを追うごとにとんでもないことになっていく本作。第4作目の製作も決定しており、今度は日本も舞台の一つになるらしいけど、どんな作品になるか楽しみだ。米国では2023年の3月24日公開予定。

【ベイビーわるきゅーれ】

2021年製作/95分/PG12/日本

殺し屋のちさととまひろは、高校卒業と同時に組織から2人でルームシェアをすることを命じられる。それだけでなく表の顔として社会人としても生きていかなければいけない2人だったが、なかなか社会に馴染むことができず、さらに、とあることをキッカケに地元のヤクザにも命を狙われることになり…

日常系アニメのようなゆるいノリと、キレッキレのアクションのギャップが面白く、公開館は少ないながらも多くのリピーターを生んでいる。2021年の映画界隈を騒がせた作品の一つといって間違いないだろう。
監督は新進気鋭の阪元裕吾監督。阪元監督は、これまでにも殺し屋を題材にした作品を製作している。

『ある用務員』2020年製作/86分/PG12/日本
『最強殺し屋伝説国岡 完全版』2021年製作/93分/G/日本

※育ての親の娘を守るために命を懸ける殺し屋の姿を描いた『ある用務員』。1人の殺し屋の日常を撮ったフェイクドキュメンタリー『最強殺し屋伝説国岡 完全版』など、「殺し屋」を様々な側面から描いており、どちらも見応えがあって面白い。

その中でも『ベイビーわるきゅーれ』が人気になった理由の一つは、主役の1人「深川まひろ」を演じている伊澤彩織さんのアクションの凄まじさだろう。大げさじゃなく、本当に邦画の新たな可能性を感じさせるくらいの凄みを感じた。

もちろん、伊澤さんのアクションだけじゃなく、高石あかりさん演じるちさと役との2人の愛おしさや、先の読めない展開など人気があるのも納得の作品となっている。なお、続編の製作も決定しているからそれも楽しみ。

【レオン】

1994年製作/110分/フランス・アメリカ合作

家族を殺された少女と隣家に住む殺し屋の交流と、家族を殺した悪徳刑事への復讐を描いた作品。もはや古典ともよべるリュック・ベッソン監督の傑作映画。

少女マチルダを演じたナタリー・ポートマンが、当時性的対象として見られたという告白や、少女と中年男の恋愛要素など、加えてリュック・ベッソン監督のセクハラ疑惑など、今では否定的な文脈で語られることも多い作品だが、ストーリーの引き込み方や演出等、作品自体の完成度はとても高い。

特に素晴らしい点の一つとして、各キャストのハマり具合を挙げておきたい。性的対象として見られたと告白したナタリー・ポートマンだが、演技やファッションは素晴らしく、公開当時は日本の同年代女性のファッションアイコンとして人気を博した。
寡黙な殺し屋レオンを演じたジャン・レノも見事なハマり具合。サングラスとニット帽のファッションも格好良い。
さらに悪徳刑事を演じたゲイリー・オールドマンのキレまくった演技も当時話題になった。

『ベイビーわるきゅーれ』の阪本監督は「殺し屋」を題材にした作品を多数撮っているが、リュック・ベッソン監督も「女×殺し屋」(というか強いヒロイン)を題材にした作品を多数製作している。興味ある人は下記作品もチェックしてみて欲しい。

『ニキータ』1990年製作/117分/フランス
『ANNA アナ』2019年製作/119分/PG12/フランス・アメリカ合作

【ザ・ファブル】

2019年製作/123分/G/日本

裏社会で伝説と恐れられる殺し屋ファブルは、育ての親に命じられて1年間殺し屋は休業して普通の人として過ごすよう命じられる。相棒のヨウコと一緒に大阪で暮らし始めたファブルだったが、彼の周辺で次々とトラブルが起こり…

殺し屋が主人公で一番興行収入を挙げた洋画が『ジョン・ウィック』シリーズだとするなら、一番興行を挙げた邦画は恐らく『ザ・ファブル』だろう。
原作は累計部数1200万部を突破している大人気シリーズ。2017年には、第41回講談社漫画賞の一般部門受賞している。

わりかしオフビートだった原作に対し、コミカルに演出した映画は原作ファンからは賛否両論だが、実写は実写で見所は多い。主役のファブルを演じた岡田准一のアクション(ほとんどスタントを使ってないとのこと)は見応え抜群だし、相棒ヨウコを演じた木村文乃や柳楽優弥が良い存在感を放っている。2021年には続編の『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』も公開されている。

『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』2021年製作/131分/G/日本

【殺しの烙印】

1967年製作/91分/日本

4番目に紹介するのは、名匠、鈴木清順監督が撮った異色の殺し屋映画。
ナンバーワンの座をめぐって死闘を繰り広げる殺し屋たちの姿を描いた作品だ。

今回紹介する作品の中で最も風変わりな作風はカルト作品としても知られている。あまりにトリッキーな演出のため、鈴木清順監督は当時の日活社長から一歩的に専属契約を打ち切られている。
だが、スタイリッシュさと人間の弱さや愚かさが混在する作風は唯一無二で、クエンティン・タランティーノやパク・チャヌクなど、著名な映画人が本作から影響を受けたことを公言している。

また、本作はアニメ・ルパン三世のルーツの一つとして知られていることにも注目したい。(本作の脚本家グループの1人の大和屋竺が、後にアニメ・ルパン三世の脚本をつとめており、ルパン三世の初期シリーズは確かに本作の作風と似ている)正直、取っつきにくい作品のため、ハマる人は選ぶだろうけど、こうしたバックボーンを含めてお薦めの一本だ。

2001年には江角マキコ主演で、続編的作品の『ピストルオペラ』も製作されているので、こちらも唯一無二の世界観の作品となっているので、気になる方は要チェック!

『ピストルオペラ』2001年製作/112分/日本

【メランコリック】

2018年製作/114分/G/日本

元東大生の和彦は、ひょんな事から近所の銭湯で働く事になる。だが、その銭湯は深夜になると、殺し屋の処刑場に変わる場所だった。さらに同僚の松本が殺し屋であることを知った和彦は徐々に裏社会に巻き込まれていくことになる…

「銭湯が殺し屋の職場だった」という斬新かつ異色の組み合わせだが、これが合理的でよく出来ている。先の読めない展開に立ちまくったキャラクター達が良い。
ポスター画像だど、暗くシリアスに思えるからもしれないが、実際はコミカルで爽やかな青春映画のような側面もある本作。「殺し屋」が題材の面白い作品のなかでも絶対に外せない作品だ。

【まとめ】

ということで、おすすめの殺し屋映画6選どうだっただろうか?
今回は特にお薦めしたい作品を選んだが、殺し屋映画はそれこそ数多くあるので、自分の好みのタイプの作品を見つけていくのも面白いだろう。
殺し屋映画はこれからもきっと多く作られていくジャンルだけに、どんな作品が出てくるか楽しみにしたい。


読んでいただきありがとうございます。 参考になりましたら、「良いね」して頂けると励みになります。