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【映画に人生を捧げた男の勇姿を観て欲しい】『トップガン マーヴェリック』感想
5月27日から公開された『トップガン マーヴェリック』。前作『トップガン』から実に36年振りの続編となる本作が、公開直後から映画ファンを中心に大きな話題となっている。
筆者も早速観てきたが、これが予想以上の傑作。こういう作品に出会えるから、映画好きはやめられないと改めて思わされる作品だった。
前作にあたる『トップガン』が製作されたのは1986年。そのため『トップガン』を観てないという人も多いのではないだろうか(筆者もリアルタイムでは拝見できていない)。
前作は80年代を代表する傑作の一つとして知られているが、今見ると正直、古臭さも感じられる。今回、予習の意味で『トップガン』を観る人の中には、「そんなに面白くない」と思う人もいるかもしれない。
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世界的に高い満足度を誇っていることが伺える。
だが、本作はそんな杞憂をふっ飛ばすくらいの傑作となっているので安心して欲しい。良い意味で古臭さはなく、価値観もアップデートされている。それでいて古き良きハリウッド映画を継承する作品となっていた。
予習は必要だが、前作の『トップガン』にそこまで思い入れがない・ハマってない人でも楽しめる作品になっていると言っておきたい。
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今作がなぜここまで絶賛されているのか?脚本の面白さ、リアル志向で撮られた迫力ある映像、キャスト陣のハマりっぷり…など本作の魅力は数多く挙げられる。
その中でも一番の魅力として挙げたいのは、映画を通じてトム・クルーズ自身の生き様が見えてくるところだ。
劇中で印象的なシーンがある。映画序盤でトムが司令部に赴く場面、そこでトムは上官に伝えられる。「戦闘機は今は自動操縦になっており、パイロットたちはいずれ必要なくなる」。要はパイロットという存在はお払い箱ということだ。
これに対し、トム演じるマーヴェリックはこう返す。「そうかもしれない。だが、それは今日じゃない」と。この時のマーヴェリックの姿が、まさにハリウッドにおけるトム・クルーズ自身の姿と重なって胸が熱くなる。
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ハリウッドに限らず、映画業界における環境は大きく変わった。リアル志向の映画は少なくなり、CGを多用する映画が増えている。
作品のために俳優が身体を張る行為も今の業界ではあまり見られない。いわばトムが全盛期だった頃の古き良きハリウッド映画は既に衰退しているといえる。
だが、トムの映画に対する姿勢は変わらず一貫している。撮影はロケーションにこだわり、なるべくスタントを使用せず自分の身体を張る。トムの代表作ともいえる『ミッションインポッシブル』シリーズでは、毎回どれだけ身体を張っているかが、シリーズの見所の一つにすらなっている。
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思えば、トムは今の映画業界に対してその思いを多くは語ってこなかった。トムは言葉ではなく作品で、今の映画業界に対し自身の変わらないスタンスを表明していたのだ。
劇中で若きパイロット達に「おじん」やら「化石」など揶揄されるマーベリックの姿は、今のハリウッドにおけるトム自身への評判と重なっているようにも見える。トムのような映画スターは、今のハリウッドにおいて必要とされていないのかもしれない。それに対するトムの返答が「そうかもしれない。だが、それは今日じゃない」なのだ。
『トップガン』はトム・クルーズの出世作にあたるトム自身にとっても大事な作品だ。そういう意味でも『トップガン マーヴェリック』は単なる続編という立ち位置以上に、トムの生き様が詰め込まれているのではないだろうか。言葉ではなく行動で自分の思いを語る、こんな姿を見せられて心が響かない訳がない。
そんな本作だが、本国では、OPの興行収入1億2400万ドルを稼ぎ出し、トム・クルーズ史上最大のオープニング作品となっている。
日本でも公開3日間で興収12億円を越え、今年の実写作品ナンバー1の出足となっている。トム・クルーズも言っているが、本作は間違いなく映画館で観るべき映画の一つ(観れる環境ならIMAX推奨!)。興味を持った人は是非とも映画館でトム・クルーズの勇姿を見届けて欲しい!
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