見出し画像

新世代賞News|第8回新世代賞公開最終審査会&授賞式 開催レポート

2024年9月28日、SHIMOKITA COLLEGEにて、第8回新世代賞の公開最終審査会と授賞式が無事に開催されました。今年も若手クリエーターたちが集まり、個性溢れる作品の数々が披露され、会場は熱気に包まれました。


審査会のハイライト

当日は15時からスタートし、オープニングセレモニーを皮切りに審査員の紹介と今年のテーマ「新星」に基づいた作品の紹介が行われました。

審査員の皆様

審査基準としては以下の3つの項目が重視されました。

  1. 独自の視点を持ち、自分らしい芸術創造性を作品に投影しているか

  2. テーマに沿って作品を解釈できるかどうか

  3. 新世代として、新たな視点や変化を投げかけるような独創性があるか


各審査員が厳正に選出したトップ3作品を紹介し、トークセッション形式で作品の魅力が語られる場面もありました。

休憩を挟んで行われた最終審査では、審査員の意見交換が白熱し、どの作品が最優秀賞にふさわしいかが真剣に議論されました。


審査の様子
審査の様子


授賞式と受賞作品紹介

審査の結果、以下の各賞が発表され、授賞式が行われました。

最優秀賞: 身近な宇宙

作品名: 身近な宇宙
受賞者: 岡野隼輔
制作ツール・技法:カメラNikonD800 /Adobe Lightroom

「新星」というテーマを独自の視点から解釈した上で、写真表現によって見事に表現し、審査員の心を掴む美しい作品でした。副賞として、小田急電鉄の車内デジタルサイネージ(OTV)で作品が放映される予定です。


優秀賞: 名もなき星

作品名: 名もなき星
受賞者: 三浦大知
制作ツール・技法:シャーペン/Procreate Pocket

「新星」を独自に解釈する着眼点とSNSから着想を得た構図が際立ち、特にその独創的なアプローチが高く評価されました。惜しくも最優秀賞には届きませんでしたが、多くの若きクリエイターの共感を得る作品でした。

観客賞: ひとつだけ



作品名: ひとつだけ
受賞者: kumako
制作ツール・技法:パステル/色鉛筆

「第1次審査通過作品展示会」のアンケート投票で最も多くの票を集め、観客から絶大な支持を得ました。

SHIMOKITA COLLEGE賞: 恒常惺 [Homeostarsis]

映像作品ですので、以下の動画をぜひ再生してご覧ください。

作品名: 恒常惺 [Homeostarsis]
受賞者: Obachu [小幡 宙生]
制作ツール・技法:Blender、Unreal Engine5、Substance Painter、NukeX、Davinci Resolve、Adobe illustrator

 SHIMOKITA COLLEGEとは、多様な背景をもつ居住者がそれぞれの高校・大学・職場などでの経験を持ち寄って学び合う居住型の新しい教育施設(カレッジ)です。
そのSHIMOKITA COLLEGEの居住者によって選ばれた作品で、彼らの視点から見た新世代の可能性を感じさせる作品でした。副賞として「SHIMOKITA COLLEGEでの展示・個展開催の権利」が贈呈されました。


総評 -第8回新世代賞実行委員会副委員長の視点から

今回の新世代賞は、参加者の情熱や創造性が光る素晴らしいイベントとなりました。多様な表現手法を駆使して、個性豊かな作品が数多く集まり、それぞれが新たな視点で感情を描き出していました。

交流会では、応募者たちが互いの作品を見せ合い、制作過程やアイデアについて熱心に語り合う姿が印象的でした。一つひとつの言葉が新たなインスピレーションの火種となり、まるで光の波のように場内に広がっていく様子は、クリエイティブな対話の力を感じさせました。
また、10代から20代の若い世代が中心となって運営している新世代賞実行委員会事務局のスタッフ、審査員、そして応募者が和やかに意見を交わす姿も、世代やバックグラウンドを超えて新しいクリエイティブな対話が生まれた瞬間でした。
このように互いに対話しクリエイティブと向き合う空間は、今後も新世代のクリエイターたちが切磋琢磨し成長していく基盤を築く上で重要な場であると再認識する機会となりました。

交流会の様子

受賞作品のラインナップもまた、多様な技術と発想の融合が際立ちます。

最優秀賞を受賞した岡野隼輔さんの『身近な宇宙』では、NikonD800とAdobe Lightroomを使用して、日常の中に隠れた壮大な宇宙の視点を丁寧に描き出し、私たちに新たな「発見」を促してくれる作品でした。

優秀賞を獲得した三浦大知さんの『名もなき星』では、シャーペンとProcreate Pocketというアナログとデジタルが融合した手法で制作され、SNSのUI(ユーザーインターフェース)や機能から着想を得た、シンプルながらも深いメッセージを持つ作品が印象に残りました。

観客賞に選ばれたkumakoさんの『ひとつだけ』は、パステルと色鉛筆を使った繊細な表現が観客の心を引きつけ、温かみのある色彩とやわらかなタッチが特に多くの共感を呼びました。

SHIMOKITA COLLEGE賞を受賞したObachuさんの『恒常惺 [Homeostarsis]』は、Blender、Unreal Engine 5などの先進的な3Dツールを駆使したダイナミックで技術的にも高度な作品で、今後のデジタルアートの可能性を感じさせるものでした。

これらの作品は、それぞれが異なるツールや技術を用いながらも、一貫してクリエイティブを通じた真情の発露を感じさせ、審査員のみならず多くの観客の心にも強く響いたことでしょう。

本年度の新世代賞は、未来のクリエイティブシーンを担うU25の若者たちが自由に発想を広げ、作品を通して互いに学び合う場として、大変意義深いものとなりました。新世代賞を通じて、さらなる挑戦と成長のきっかけを掴んだ参加者たちが、今後もそれぞれの道で活躍することを心から期待しています。

第8回新世代賞実行委員会副委員長 坂元翔




いいなと思ったら応援しよう!