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卒業生代表 答辞 | HLAB COLLEGE PROGRAM 2023年度 卒業式

2024年3月3日にシモキタカレッジの卒業式が行われ、合計29名のカレッジ生が卒業しました。その際の卒業生代表 2期生のなおきによる、卒業生へ向けた答辞をお届けします。


2年間の生活の中心であったシモキタカレッジは、私にとって華やかで美しい舞台であると同時に、暗くもの悲しさを覚えた場所でもありました。

そこには一癖も二癖もある変人達が住んでいました。感情に素直な人。歌って踊る人。壁を登ることにはまった人。愛に目覚めた人。影響を受けて挑戦する人。影響を与えるのが恐い人。狭い世界にいたからか、皆さんのいる世界は人間味にあふれとても綺麗なもののように写りました。



カレッジへ入る前、私は物事全てに靄がかかっている赤ん坊のような状態でした。自分の置かれた状況に違和感を抱きながらも、自分の言葉を持つことができずにいました。

カレッジで暮らしを共にしながら、人と人とで衝突し、互いの思いの深いところまでを共有し、時に深くまで傷つき、もがきながら前へと歩みを進めてきました。

カレッジ生が出場する陸上大会にて。



今日この場に立つ私は、等身大の自分をしっかりと見つめ、「何を幸せと感じ、何を大切にして生きるのか」、人生を豊かにするための探究を続けていくことができるようになりました。自分の視界が開けているのを感じています。

さて、卒業という節目でカレッジは大きく変化していきます。去年、家族のように思っていた人たちがいなくなり、接点のない人達が入ってくるということに少なからずストレスを感じていたと思います。


カレッジに残る皆さんもきっと、環境の変化をひしひしと感じることと思います。それでもカレッジのあるべき姿は変わらず、過去でも未来でもない、今そこに住んでいる皆さんが織りなす空間です。

その時その時あるカレッジを作り上げる人たちこそが、この大きな家の家主であり、一人一人がそこに住む主人公です。
そしてカレッジに大きな影響を受けた者としては、目の前の人を深くまで知ることを恐れずできる場所であってほしい、と願っています。変わりゆくカレッジを私たち卒業生は尊重し、静かに見守っていきます。




 最後に、卒業後私たちの関係はどうなっていくでしょうか。継続的に話す人も1年も経てば、そう多くはいなくなるでしょう。

人生という長い時間をもってしても、もう会うことがない人も事実としているのではないでしょうか。別れには少なからず寂しさが伴います。

ですが不思議と悲観的な感情はそう大きくはありません。長い間同じ時を同じ空間で過ごしてきた皆さんには、特別な思いがあります。そのような人との別れとは、お互いを引き裂く物ではなく、関係性が変化することを前向きに捉えられるものであると信じています。

それは共に暮らしを作ってきた愛のある関係性であるからこそです。年月をまたぎまたいつかどこかで会うことができたその時には、同じように年齢の垣根を越え、そして積み重ねた年齢を越え、またくだらないことでも、話すことができればいいなと思っています。


 これから船出になります。カレッジを拠点にしたおかげで、いい旅ができそうです。それではいってまいります。

卒業式集合写真

レジデンシャル・プログラム 2期生 なおき


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