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台湾の歴史にはいくつものねじれがある。それを呑み込み、軸がぶれない台湾人はなかなかのもの。どうして彼らはこんなにも大人なの? 戦後の台湾物語をつまみに。代金は税込み290円


 なかなか台湾に行くことができない。新型コロナウイルスである。7月には可能になる、という噂もあるが。日本人にとって人気の渡航先だっただけに⋯⋯。今回の動画は、台湾の南東にある緑島。台湾の人々のリゾートアイランドだが、監獄島という顔ももっている。そのあたりから戦後の台湾に分け入っていく。
 この記事は毎週日曜日更新。新しい酒飲み話が加わっていきます。


 「犬が去って豚がきた」

 太平洋戦争の前、台湾は日本の植民地だった。多くの日本人が暮らしていた。しかし日本の敗戦。日本人は引きあげていく。こういう話を聞くと、日本人は忽然と姿を消したかのように思うかもしれないが、実際はかなりだらだらしている。兵士は捕虜になったり、復員していくが、民間人には生活の基盤が台湾という人が少なくない。そう簡単に日本に戻れないのだ。その時代を描いたのは映画『悲情城市』である。舞台になった九ふんは観光地にもなっていく。
 1年、2年という年月をかけて、日本人は台湾を去っていく。そしてやってきたのは、中国本土の内戦で劣勢に立たされた国民党だった。日本に代わる支配者として、台湾の人たちを押さえ込んでいく。そのとき、台湾の人はこういったものだった。
「犬が去って豚がきた」

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