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光と水草、居心地の良い社会

昨日、関西大学の学生の前で話す機会があった。講義というほど立派なものではなくて、テレビ番組制作の裏話や就活に関する質問など90分間、秋晴れのキャンパスで、それこそピクニックしている感じで話し合った。個人的には新鮮で楽しい時間でした、感謝致します。正門近くにあったカフェのナポリタンが美味しかったし。

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みなさん色々な葛藤を抱えておられた。僕なんぞ的確なアドバイスができるわけ無いのに、それでも相槌を打ってくれたり、クスッと笑ったり。申し訳ない気持ちなりながら、せめて誠実に向き合おうと、人生の引き出しを開けたり閉めたり鍵かけたり。「内定をもらったあとググったらブラックな情報が出てきた。どうするべき?」「将来やりたいことがない。就活もうまくいっていない。焦るばかりでどうしたら良いかわかりません」など彼ら彼女らの声に耳を傾けました。世の中には、憧れていた夢を仕事にできた人がいます。確かに「なりたい自分になる」ことは素晴らしい。夢を持つことが前提の社会ではなおの事。でも僕の場合は、やりたくないことをやらなかった結果、今の仕事(映像制作)にたどり着き、それでなんとか生きている。やらなかった、と言っても高校時代や大学生の頃はアルバイトを転々としたし、大学卒業後は公務員(非常勤職員)も体験。とりあえずやってみたら、自分が苦手なことや比較的好きなことが見えてきたっ、て感じです。色んなことをやっていると周りからは「何がやりたいの?」とか「軸がない」など言われて焦る自分がいた。田舎だったしネットが今のように普及する前だったから、情弱の僕は失敗と挫折、そしてプチ成功を繰り返す日々。周りが次々と就職や進学をする中、2年間もフラフラしていた10代の後半。何をするにも人より2年〜3年は遅れていました。それでもこうして楽しくやれています。だから大丈夫っ!6割くらいの可能性でなんとかなる(説得力が欲しい)。もし挑戦してうまくいかなかった時、自分だけの逃げ道を(隠れ家を)持っているといいかもしれません。「旅行」でもいいし、「友人とのおしゃべり」でもいい。一旦、しんどい状況から身を潜められる場所の確保が大切。

そういえば先日、「ネイチャーアクアリウム」という展示会(現在は終了)に行ってきたんです。

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水槽の中に水草や流木、石などを配して美しい景観を作り上げるクリエイターの作品。魚はホンモノの自然の中にいるようにのびのびと泳いでいる。 植物と生物の共生をうっとり眺めていて、ハタと気づいた。自然の川や海は水草やサンゴなどがあって、魚はそこに隠れることができる。スケルトンのスケスケだとストレスがたまる一方だろう。キラキラ差し込む光とそれを遮るものの両方が必要なのです。自然界では当たり前だけど、人間界では「隠れる場所」は意外に少ない。また、逃げたり隠れたりするのは良しとされない。犯罪を犯して逃げる、とかはダメだけど心や体が疲れたら、静な場所に隠れた方がいいのではないか。就活に悩んでいた学生には伝えそびれたけれど、「夢はあってもなくてもいい」「適職なんてそう簡単に見つからないから、とりあえず何かやってみる」。そして、「疲れたら新鮮な酸素と植物のある静かな場所に身を潜めよう」。深呼吸して、自信なんて無くてもいいから不安をリュックに入れたまま一歩踏み出そう。美味しいご飯食べて熟睡しよう。それができたら、すでに成功者だ。

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最後まで読んでくれてありがとう。

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