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アパート探し

35年ほど前のこと。平塚駅徒歩圏で、アパートを探していた。

不動産屋に紹介してもらい、駅から歩いて10-15分くらいのところを2、3軒見せてもらった。海側の物件もありますよ、と言われたので、そちらの物件も見せてもらうようにお願いした。

東海道線の下をくぐり抜け、平塚駅南口から行くと多分自転車なら10分くらいのところ。立派な松の木が並ぶ一角に、アパートがあった。マンガ「めぞん一刻」の舞台になったアパート一刻館に似た雰囲気。どんな間取りかによるけど、外観は気に入った。

建物の入り口で靴を脱ぎ、こちらですと通された部屋。2階に上がって真ん中くらいに位置している。

図面で見ると、風呂もトイレも付いている。良さそう。けど扉を開けてみると、目の前に壁がある。壁というより、大きな梁か。

「あれ、部屋ってここですか?」
「そうですねぇ、、、」と不動産。
「いや、これ、梁があるじゃないですか。うーん、部屋じゃないんじゃないっすか」
「いやいや、下をくぐって向こうに行くんですよ。この部屋は」

下を見ると50センチほどの隙間がある。え?ここを毎回、通らないといけないの?まあ、いいか、、、。

いや、良くない。

隙間の向こうに今度は天井から下がっている押し入れがある。ここは床から高さが1メートルほどあるから、しゃがめば通れるけど、なんか変な作りである。

そこを通り抜けると、割と広い部屋。窓からは海沿いの国道が見える。

しかしねえ、考えてみたら家具なんかどこから運べばいいんだろ。布団も。あのスキマじゃ、ちょっと入らないしなぁ。

と、考えているうちに、ウトウトしてしまった。気がつくと最初のスキマに挟まり動けなくなった。明らかにスキマが狭くなっている。お腹を抑えられ、息が苦しい。

そのまま、不動産屋も大家さんもどこかに行ってしまい、夕方から夜にかけて、部屋の色が変わっていった。夜になりつつあるも、電気のスイッチに手は届かない。梁をバンバン叩いても、ビクともしない。

夜になり、車が通る音を聞きつつ、そのまま寝てしまった。

目が覚めると自分の部屋だった。その部屋は大学卒業後、数年間働いた会社で転勤した先の仙台のワンルームマンションの一室だったのだ。

と、アパート探しは夢で見た出来事だった。仙台にいたのは今から30年ほど前のこと。その頃に見た夢を鮮明に記憶していたので、書き起こしてみた。正確には、数年前にスマホに記録していた内容をほぼそのまま、転記している。

実際に平塚にそういう物件は多分無い。けど、平塚駅でアパート探しをしたのは事実であり、夢の中で表現されるエリアも、現実に住んでいた場所に近いところである。今はもう、風景は変わっているかもしれない。

何故かこの夢は忘れていないのが不思議。実はフルバージョンでは両親も登場する。他愛ない会話をしながらも、心配してくれていた。現実世界で言われたことが、夢の中でも繰り返し伝えられていたのだった。
仙台にいた頃から数えても30年ほどだと思うのだけど、今でも割とはっきり覚えいる。恐怖、心霊という内容ではないのだけど、なんなんだろう。夢判断できる人、アドバイスお願いします。

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