朗読まとめ【天地静大 下巻】山本周五郎の傑作長編  読み手七味春五郎 発行元丸竹書房

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1959年(昭和34年)12月24日~翌年10月31日 『北海道新聞、中日新聞、神港新聞に連載』
 「樅の木は残った」が、毎日出版文化賞を受賞(辞退)。演劇化、映画化、テレビドラマ化がつづき、TBSの「山本周五郎アワー」が人気を博します。脂ののった56才の周五郎が著した、幕末小説。お聴きください。

「樅ノ木は残った」「赤ひげ診療譚」に続く作品
幕末、東北の小藩出身の青年が、学問の道を志しながら、激動期の日本に翻弄されていきます。
 どう生きるのか? 新しい主義の台頭に葛藤する若者たちの姿を、小説の達人山本周五郎が描きます。
 井伊直弼が大老に就任、安政の大獄へとつながる安政という時代の激震。物語は、安政の大地震からはじまります。
 倒幕も佐幕もない。大きな主義を離れて、自分の生き方をみつめていく、透の生き方には、変革の現代人の心を打つものがあるのではないでしょうか?
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 古い時代の終わりに、自己を確立させようとあがく若者の、成長と青春を描いた清涼な物語。英雄ではない、権力者でもないけれど、生きなければならない、では、どう生きるのか?変わりゆく時代に、変わらない自分を貫くのは難しい。そこに共感がうまれます。

■作者の言葉
「私はこの小説で主役を演ずる昌平黌の学生たちに託して、この『激しい変革』に当面しての不安やおびえや絶望にもめげず、こつこつと文明を開拓してゆく青年たちを書きたいと思います」昭和三十四年十二月十九日。北海道新聞。
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■登場人物
杉浦透……中邑藩士。学問で身を立てることを志す。
岩崎つじ……透と結婚。
杉浦勘右衛門……中邑藩重臣。透の父。尊王派。
杉浦たよ……透の母。
房野なほ……房野又十郎の妹。作田介二郎に嫁すも離縁。透が想いを寄せる。
水谷郷臣……中邑藩主の弟。藩籍におりている。
安方伝八郎……中邑藩士。透の友人。異人館焼討ちを企てる。
並木第六……中邑藩士。江戸詰。
吉岡市造……沼津藩士。郷臣の腰巾着。後に料理茶屋「深川」を開く。
おせん……元芸妓。郷臣にひかされて船宿「船仙」の女主人となる。
岩崎丈左衛門……中邑藩の老臣。つじの父。尊王派。
才助……髪結い職人。
佐伯角之進……中邑藩士。中目付。
松崎かの子……越前福井の人。小太刀の名手。
橋本左内……福井藩士
内藤伊一郎……中邑藩士、科学書窮理通の研究をする
ふく……伊一郎の妹
平石賴三郎……中邑藩士。透の学者仲間。
川上和助……中邑藩士。透の学者仲間。
松浦糺……中邑藩士。透の学者仲間。
大膳太夫充邦……郷臣の兄にして、中邑藩主
仲上藤六……房野なほの婚約者
川口ふみ……透の世話役。川口弥兵衛の女房
磯谷五兵衛……房野なほを江戸に連れ出し世話を焼く。
お由……市造おせんのつかう、下女
マルケ……海外の料理人
橋田信十郎……市造の店に盗みに入る。元さむらい。
すみ……郷臣の思い人
大吉……大初の料理人
お初……大吉の妻

■目次
0:00 花火の海
42:52 涼風
1:44:04 障子の眼
2:29:59 朝顔の日記
3:27:41 事すべて善し
4:32:10 落ち合う水
5:38:53 菊
6:52:44 遠い燈火
7:53:38 転変
9:07:56 静かな山河

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