2月2日00:45頃/段取りマン

「自宅が火事になりまして」マガジンより

燃えた部屋を確認しに行ったのは、深夜2時過ぎだったが、そこから一時間以上前のタイミングで、頭はいろんなことに働いていた。今日はどうやっても泊まるところが必要になるだろうからと、とりあえず、近所のホテルを電話予約していた(罹災すると、一時的な宿泊に対する保険の支払いがあることをこの時はまだ知らない)。
あとは、もろもろの連絡だ。
お互いの両親には、あえて連絡はせず、朝にしようと決めた。ただ心配な夜を過ごさせるだけだと思ったからだ。会社の上司には、深夜で迷惑だと思いながらも、明日からしばらくはどうやっても仕事で迷惑をかけることになるから、出来るだけ早く連絡をしようと決めた。幸い僕の働いている会社は、トラブルや非常時の連絡はいつでもいいから連絡する仕組みがとられており、上司への電話はすぐにつながった。
こんなところで、普段染みついている段取りの癖が役に立つこともあるんだなと、我ながら少し感心してしまった。いや、いつも以上に明らかに判断が早かったように感じた。今思えば、あれが火事場の馬鹿力というやつだったのかもしれない。肉体的にももしかしたらすごかったのかもしれない。車か何か持ち上げてみればよかったかもなんて。


火事ワード【罹災】りさい・・・地震・火事などの災害にあうこと。被災。

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