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アメリカ大使館でパスポートの公証をしてきた|ITIN取得への道

以前、アメリカでのKindleの売上と日本国内のペーパーバックの売上にアメリカの税金がかかっている、という話を書いた。

このときは「だれかやって教えてほしい」というスタンスだったが、だれもやらなそうなので、結局自分でやることにした。2024年、年明けから海外での売上も増え、月の源泉徴収額が3万円に迫りそうなので、放置するわけにもいかなくなったのだ。

さて、ITIN取得には次のようなステップが必要だ。

  1. 米国大使館でパスポートの公証を受ける

  2. 公証を受けたパスポートのコピーと専用フォーム(W-7)を埋めてIRSに郵送

  3. ITINがもらえる

それから、あとはAmazonでITINを入力すればいい。

今回は最初のステップである。

米国大使館でパスポートの公証を受ける

IRSというアメリカの国税庁みたいなところに書類を送る必要があるのだが、そのうちのひとつが「公証を受けたパスポートのコピー」だ。つまり、自分が大使館に出向いて「これは私の真性なパスポートです」という公的なお墨付きをいただくわけである。

場所と予約方法

米国大使館は東京都港区赤坂にある。

訪問の前に予約が必須だ。これはホームページから申し込める。

英語なので少し分かりにくいが、翻訳を駆使しながら申し込もう。いくつかのページを行ったり来たりしていると勝手が分かってくる。

notarialが「公証」という意味

私は2024年1月20日あたりに予約を取ろうとしたが、実際に取れたのは本日2月21日である。ちょうど1ヶ月。余裕を持って申し込む必要がある。

また、時間は9:45からしか取れなかった。家が埼玉北部なのでもっと遅い時間がよかったが、昼に近いほど埋まってしまいやすいようである。あまり遠い人は前乗りが必要になるだろう。

持ち物に注意

これは直前まで意識していなくて焦ったのだが、持ち物には注意が必要だ。

  • 予約完了画面のプリントアウトしたもの

  • パスポートのコピー

  • パスポート現物

  • 現金かクレジットカード

予約完了時の画面はどうやらあとから見れないので、予約をしたときにスクリーンショットを取った上でプリントアウトしておくといい。入館したあとはその紙を窓口に出すので、プリントアウトが必要だ。

あとはその他の持ち物にも制限がある。

  • バッグは25cm × 25cm以内

  • 飲食物は持ち込み禁止

  • 刃物や電子機器も、スマホ1台を除き、ダメ

かなり厳しい。詳しくはこちらを。

要は、武器になりうるものや爆弾かもしれないものを持ち込ませない、ということだろう。

バッグは25cmの制限では小さすぎるが、そう書いてある。これじゃA4の書類がそもそも入らない。私は肩掛けの小さなポシェットにスマホと貴重品を入れ、書類はペラペラのエコバッグに入れていった。ただ、中に入ったら普通サイズのバッグを持ってる人もいた気がするので、そこまで厳密ではないかもしれない。

経路と周辺の雰囲気

私は埼玉から高崎線で来て新橋駅に降り、銀座線に乗り換えた。2駅乗って溜池山王駅で降りると、米国大使館はもうほぼ目の前だ。

ただ、入り口はよく分からず、最初は正門でないところをウロウロして警備員に声をかけられた。近辺は警備員と警官がかなり多い。道端には護送車のようなものも停まっていた。逆に言えば、その人たちに聞けばいいので、迷うことはない。

そのあたりは国会議事堂も近く、公的な機関や大企業のオフィスが集まっているようだ。無機質な一帯である。近くにはファミマやカフェもあった。

大使館の入り口には小屋みたいなスペースがあり、そこで日本人のスタッフにプリントアウトした予約完了の紙を見せると案内してくれる。まずスマホと財布を出し、手荷物を渡して、空港にあるような金属探知のゲートをくぐる。何事もなく通過し、本館へと誘導された。

本館の重たいドア(本当に重たい)を開けるとそこはもうアメリカ合衆国。半分ほどは外国人である。中に入ると何が何やら分からないのでまずビザ申請の窓口に行ってしまい、正しい場所を指示される。

私の場合は入って左手の待合室みたいなところに行った。窓口が9つほどある。立ち止まってあたりを見回すと、2番窓口のところに「ここに予約のプリントを出してください」みたいなことが書いてある。ので、そこにあったトレーに紙を入れ、ベンチで待つことにした。

「はて、本当にこれでいいのか? 手順間違ってて永遠に名前を呼ばれないんじゃないか」

と不安になったが、10分ほどで名前を呼ばれた。

ちなみにこのときまだ10時になったかどうかだと思う。予約は9:45だったが前後15分のあいだに来ればいいらしい。このあたりはフレキシブルでありがたい。

いくつかある窓口は見た目でいうと外国人と日本人が半々で、聞こえてくる言葉も半々だった。できれば日本人に日本語で対応してほしいと思っていたが、「シミズー!」と名前を呼んだのは白人のお兄さんだった。

「パスポートの公証ですね。ITINのためですか?」

ということを尋ねてきたので、イエスとこたえる。このとき、相手が英語だったか日本語だったかは忘れた。それから私のクリアファイルをチラ見して、

「それじゃ小さすぎるからこちらでコピーします」

ということで、私のパスポートを預かり、A4にコピーしてきてくれた。これはありがたかった。私はひとまわり小さいB5でコピーしていたのだ。これだと余白が足りないらしい。

それから、

「会計の窓口で料金を支払って、またここに戻ってきてください」

これは日本語だったと思う。

そのあと来た道をちょっと戻ると両替所みたいな会計窓口があるので、そこで料金を支払った。50ドルと言われたが、日本円でもいいということで、現金で7750円を支払った。なかなかのお値段である。ちなみにクレジットカードでもOKだ。

支払い後に紙を2枚もらってさっきのお兄さんのところへ戻る。すぐに対応してくれて、パスポートのコピーを手渡してくれた。

私はこのあと別室に行ってちょっとした尋問があったり自分でサインをしたりという形式ばったステップがあると思い込んでいたのだが(公証役場のイメージ)、そんなものはなく、手渡されたコピーを見るともう英文で何やら印字がされ、スタンプみたいなものも押してあった。これでもう完了のようだ。

窓口での対応で、実にあっけなく、公証手続きは完了したのだった。

大使館に入ってから出てくるまで、おそらく30分もかからなかっただろう。

英語が分からなくても大丈夫

対応してくれたお兄さんは最初は英語、日本語まじりで、会計を済ませて戻ってきたら英語になっていた。ちょっと戸惑ったが、日本語で聞き返せば日本語で対応してくれたはずだ。なので、そんなに臆することはない。

それから、「会計」とか「〇〇窓口」とかの案内は日英で併記されているので、そこも心配ない。

次はW-7の記入と郵送

ITIN取得にあたっていちばん面倒だったパスポートの公証が無事に済んだ。次はW-7というフォームに記入し、公証済みパスポートのコピーとともにIRSに国際郵便で送る必要がある。ここも面倒ではあるが、近々やっつけてしまおうと思う。そしたらまたここに報告を書くことにしよう。

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