清水 Air@Kindle出版サポーター

Kindle作家、Kindle出版サポーター、DTPデザイナー。 埼玉県在住、1984…

清水 Air@Kindle出版サポーター

Kindle作家、Kindle出版サポーター、DTPデザイナー。 埼玉県在住、1984年生まれ、同志社大学卒、哲学修士。 小説すばる新人賞2次通過。 ブログ:https://shimizuair.com

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新刊『Kindleペーパーバックのステキな世界』が発売になりました!

3月17日、拙著『Kindleペーパーバックのステキな世界』が発売になりました。この本自体、出版社を通さず、個人でKindleペーパーバックと電子版で販売しています。 電子書籍としてのKindleはもう15年の歴史がありますが、ペーパーバックは国内でのサービス提供がはじまってまだほんの1年半ほど。まだまだ知られていません。 しかし、これを使えば文字通り「だれもが」個人で、好きな本を、1冊から、紙で、出版できるのです。この仕組みは出版業界の仕組みを根本的に変えてしまうくらい

    • 陰謀論は現代版の寓話である

      Xを見ていると、日々さまざまな陰謀論がタイムラインを流れていく。フェイクニュースや似非科学もだ。故意に捏造されたものもあれば本人がそう思い込んでいるものもある。荒唐無稽なことをよくもまあ信じてしまうものだと感心するほどだ。 しかし、陰謀論をただ切って捨てるだけでは芸がない。それは適切な接し方とは言えないだろう。賢しらな人はよく「自分で考えよう」とか「よく調べて」と言ったりするが、陰謀論に関してはそういう問題ではないと思う。 ひとことで言えば、陰謀論は現代の寓話なのだ。

      • 「学習しない」という生き方戦略について

        うちの母親(69歳)は「学習しない」ことを人生の基本戦略にしている。これが厄介だ。私の見るところ、少なくともここ25年は新しい考え方や価値観を取り入れていない。恐らく成人以降はほぼ学習らしい学習をしていない。 特筆すべきは、この「学習しない」ことが能力の欠如というより、人生戦略として積極的に選び取られたもののように見えることだ。 母親は知的健常者であり、基本的な知能には問題がないように見える。しかし、頑として学習をしない。学問や語学、資格習得のような勉強らしい勉強をしない

        • ハイデガーが嫌いな理由

          ハイデガーという哲学者が嫌いである。どうにも受け付けない。その哲学に価値があると思えない。 これは学部と院で哲学を学んでいるときからうっすら感じていたことだ。だから、ハイデガーはまったく読まなかった。読もうという気にすらならなかった。 しかし、さすがにまったく読まずに嫌いだと言い続けるのもよろしくない。それはフェアではない。というわけで、つい先ごろ、食わず嫌いしていた『存在と時間』を読んでみた。だいぶ難解で大部な書物ではあるが、ようやくそれを紐解いてみた。 結果、上下巻

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        新刊『Kindleペーパーバックのステキな世界』が発売になりました!

          生活保護 VS 働かないと食べていけない

          日本には生活保護という仕組みがある。さいあく、行政から最低限度の生活を保障してもらえる制度だ。だから、失業しようが病気になろうが、日本人が日本国内で野垂れ死ぬことはない。 一方で、日本人は「働かないと生きていけない」「仕事をしないと食べていけない」とも思っている。働かざる者食うべからず、である。多くの人がそう思っている。 しかし、この両者は端的に矛盾する。 働かなくても、無職のままでも、さいあく、生活保護は受けられるのである。水際で阻止されるとか事情があって受けにくいこ

          生活保護 VS 働かないと食べていけない

          映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』の正直な感想|もうちょっとジョーカーという夢を見ていたかった

          公開初日に映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』を観てきた(以下、ジョーカー2)。いいか悪いかで言いたいのだが、どっちつかずだ。好きなところもあればそうでないところもあり、それが打ち消し合って、結果的に65点といったところである。 そんな歯切れの悪い状態ではあるが、事前の期待は高かったので、一応、感想を書き留めておこう。 「愛し合う二人の逃避行」ではなかった事前のPVやタイトルから期待していたのは、ジョーカーとハーレイ・クインの愛の逃避行的な物語である。悪のカリスマとなった

          映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』の正直な感想|もうちょっとジョーカーという夢を見ていたかった

          SNSは大衆のハウリング装置になってしまっている

          Xを見ていると、根も葉もない噂がさも事実のように拡散していて驚かされる。しかも、それが日常の風景になってしまっている。 「なぜこんなデマに騙されるのだろう?」「この人たちは本当にこれを信じているのか?」 そう疑問に思うが、バカバカしい情報やフェイク画像・動画が拡散しているのは事実である。 こうした状況を見て、ある現象にそっくりだと思った。それが、ハウリングである。 ハウリングはだれでも講演会やライブで耳にしたことがあるはずだ。マイクとスピーカーの状況によって、特定の音

          SNSは大衆のハウリング装置になってしまっている

          子どもがいなくても、遺伝子の最終走者になるわけではない

          こんなふうに言うこともできる。 「人間の生物としての目的は子どもを作ることではない」 「子どもがいなくても、自分の持つ遺伝子が途絶えるわけではない」 これらは当たり前のことなのだが、ほとんど理解されていない。多くの人はこう思っている。 「人間は本能的に遺伝子を残そうとする。だから、子どもを作ることは人間の本能だ」と。 しかし、これは間違っている。 まず、「自分の遺伝子」をそのまま遺すことはできない。子どもを作ったとしても、その子に受け継がれるのは自分の遺伝子の半分で

          子どもがいなくても、遺伝子の最終走者になるわけではない

          Kindleペーパーバックの売上は問答無用で30%をアメリカに徴収されている

          ご存知だろうか。実は、Kindleペーパーバック(紙版)を販売している場合、それが日本語で書かれ、日本国内で販売された場合でも、アメリカによって売上の30%が源泉徴収されているのである。 これはKindleの著者でも気付いていない人が多い。私も、かなり早くからペーパーバックを発売しているが、気付いたのは2023年の暮れである。 気になる方はKDPの管理画面から「レポート>明細>支払い」と進んでみてみるといい。 このように、ペーパーバックのところだけ「源泉徴収金額」が0で

          Kindleペーパーバックの売上は問答無用で30%をアメリカに徴収されている

          お仕事エッセイ『放課後等デイサービスのわちゃわちゃな日常』をKindleで発売!

          この度、このような新刊を発売しました。 今年、2024年2月から6月まで、とある資格試験の準備中にパートとして働いていた放課後等デイサービス、略して「放デイ」での体験を綴った一冊です。 放デイはまだ一般にはそれほど知られていませんが、ADHDやASDといった発達障害、それから知的障害を持っている子どもたちを預かり、さまざまな体験や支援活動をするための施設です。学童保育に近いですね。 試験勉強と並行して働ける場所、という条件で探したときにこの放デイにたどりつき、5ヶ月ほど

          お仕事エッセイ『放課後等デイサービスのわちゃわちゃな日常』をKindleで発売!

          令和の日本で金持ちになる方法

          この先の日本で金持ちになる方法が理論的に分かったので、シェアしておきたい。 まず、金持ちになるには巨大システムの力を利用する必要がある。巨大システムとは、たとえば国家や企業である。この力を利用する。 たとえば医者は金持ちだが、これは国家というシステムの力を利用している。医師は国家資格として保護されているし、多くの税金が投入されている。大企業のサラリーマンも、そのシステムの力を利用している。個人としての力量にかかわらず、こういった仕事に就けばそれなりに稼ぐことが可能だ。

          令和の日本で金持ちになる方法

          AI時代には知識の詰め込みが重要なのではないか?

          ちょっと余裕ができてきたので、近々AIツールをいじってみようと思った。AIの画像生成、画像編集を使って、いろんな写真やイラストを作ってみよう、と。 そうして、すぐこんな考えが浮かんできた。 AIを活用するには、たくさんの知識が必要なのではないか? 最近のAIはプロンプトを打ち込めばいろいろなことをやってくれる。しかし、プロンプトを打ち込むには発想がなくてはならない。発想は、知識がないと出てこない。 実は、AIを活用するにはなるべくたくさんの知識を頭に詰め込んでおかない

          AI時代には知識の詰め込みが重要なのではないか?

          本との出会いもYouTubeがメインプラットフォームになるだろう

          書店の減少が嘆かれて久しい。ここ10年で街の書店の数が半分になったとか、全国の自治体の3割近くには書店がないとか。 なぜそういうことになったのか? 理由はいろいろ言われている。Amazonが台頭したからとか、雑誌が売れなくなったからとか、可処分時間をYouTubeなどの動画サイトに奪われているからとか。 ただ、これらの理由はどれも表層的である。本質的には、従来の書店というものが本というコンテンツの圧倒的な増大に対し、アーカイブ性を欠いているからだと思う。 つまり、すでに

          本との出会いもYouTubeがメインプラットフォームになるだろう

          ITIN取得完了

          AmazonのKindleを使って米国での売上が発生すると、30%の源泉徴収税を取られる。これは日本との協定により免除してもらうことができるのだが、そのために必要になるのがITIN(Individual Taxpayer Identification Number)である。 この取得に2024年初頭から動いていたのだが、とうとう取得することができた。ITIN取得の申請まではこちらの記事に書いてある。 このあと3月25日にIRS(米国の税務機関)にW-7という申請書を国際郵

          書店はアーカイブ性が貧弱だから衰退しているのではないか

          ここ一年くらい、YouTubeを開くと2年前とか5年前の動画が普通にリコメンドされてくるようになった。最新動画とそれらが並列に画面に出てくるのだ。 どうやら、YouTubeは過去動画のアーカイブを重視する流れに変わってきているようだ。アルゴリズムがそう変化したのかどうかは分からないが、過去動画の蓄積がずいぶん増えただろうから、これは自然な流れである。 一方、テレビにはアーカイブ性がまったくない。電波に乗せて番組を流したらほぼそれでおしまいだ。一部は映像作品としてパッケージ

          書店はアーカイブ性が貧弱だから衰退しているのではないか

          「手数」をいかに減らすか

          現在、実家で生活している。すると、助かる面も多々あるが、家族とはいえ他人との同居であるため、ストレスを感じることも多い。そのとき、つい胸の内で吐き出す言葉が「手数がかかるな」という嘆きである。 たとえばうちの母親は電子レンジに夕食の残り物を入れておく悪癖がある。すると、日中に飲み物を温めたいと思ったとき、その残り物をいちいち一度外に出さないといけない。手数が増えるのだ。 また、勉強をしたいとき、私はいつも図書館に行くのだが、これなどかなりの手数の増加である。自宅で勉強がで

          「手数」をいかに減らすか