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『正論』2月号「安倍晋三首相 中国への決意」を読んで 憲法改正と防衛予算編

本日から配信された『正論』2月号の巻頭特集として、安倍晋三首相と聞き手、ジャーナリストの櫻井よしこ氏と杏林大学教授の田久保忠衛氏による鼎談が掲載された。

まず冒頭に現政権に於いて「憲法改正」を成し遂げると言う決意を首相は述べ、国会内でも憲法改正に向けての議論が進む事を希望した。また首相は、

「百里基地(茨城空港)の滑走路の横の山の斜面には「自衛隊は憲法違反」という大きな看板があるんです。…この看板は、これから勤務に就く自衛隊の諸君が見るだけでなく、隊員の家族や子どもたちも見る。その上、百里基地には国内線、国際線も就航していて、一般の方や海外のお客さんも見る。この状況に終止符を打つためにできることは、ちゃんと議論して成案を得ることです。その責任は国会議員にある。責任を果たさねばなりません。

父親が自衛官の子供が「うちの親は憲法違反なの?」と問いかけた例を思い出すが、事実として自衛隊員は社会の一部の勢力から虐げられている。(おい共産党、国民民主党よ、見てるか💢)兎角私は、憲法典に自衛隊の存在を明記する事に関して私は、無条件で賛同する。

予算を増やさないと改憲の意味なし

ただ私は、単に自衛隊の存在を憲法典に明記するだけの改憲では意味が無いと思う。

現在、我が国の防衛予算は5兆70億円(2019年度予算、SACO関係経費等を差し引いたもの)である。(※2019 年度防衛関係費の概要 - 参議院より引用)

第二次安倍内閣発足後、防衛費は右肩上がりで上昇しているというが、1976年の三木内閣時に閣議決定された「GDP1%枠」(当時はGNP)を意識してか、既に撤廃されているのにも関わらず、1%枠の呪縛から逃れられていない。

来年度の予算では改善されるとした「駐屯地トイレットペーパー自腹問題」をはじめとして、自衛隊車両の高速道路料金問題、駐屯地・基地の接待用の茶菓子費用自腹問題、隊員のヒートテック自腹問題など、隊員の待遇=ソフトの面での問題が次々と露呈している。

しかし、航空自衛隊の主力戦闘機である、F-4EJファントム、F-15イーグルの更新費用、
イージスアショアの導入、敵基地攻撃能力の研究・装備導入と言った「直接の防衛」費用がかさむ。結局のところ、そのしわ寄せが自衛隊員、特に陸上自衛隊の隊員にいく訳だ。

私の友人でも自衛隊の幹部自衛官を志望している者がいるが、将来的に待遇はどうなるのか、甚だ心配なところだ。

しかも、年々自衛隊の活動範囲は広がっており、南西方面の戦闘機スクランブルは日課状態。北朝鮮の瀬取り監視や四海の警戒監視で海上自衛隊は既に限界状態だ。また先も述べた通り、敵基地攻撃能力に関する研究、スタンドオフミサイルの開発費用、次期主力戦闘機の開発費用、その他装備の開発費用と、予算はいくらあっても足りないだろう。

最低 GDP2%は必要

2年前の記事になるが、私がよく参考にしている評論家の江崎道朗先生のコラムを引用する。

中国は尖閣を不法占拠するための海上民兵部隊を創設しており、その規模は6000人を超えるという。こうした動きに対抗してアメリカのトランプ政権でさえ防衛費を62兆円から68兆円に増やそうとしている。対する自衛隊は防衛予算を数千億円程度増やしただけにとどまった。そのためミサイル迎撃の柱であるPAC3も、肝心の迎撃ミサイルの予備がほとんどなく、同時に数発撃たれたら、対応できないとの噂も聞く。
 こうした状況を理解している自民党は、防衛費を現行のGDP比1%から、先進国標準のGDP比2%、つまり10兆円を目指そうと提案している。「国家安全保障戦略」で示されたミサイル防衛、島嶼防衛、サイバー戦といった課題を本当に実現しようと思うならば、10兆円でも足りないぐらいだ。

(日刊SPA! 防衛費「先進国並みGDP比2%10兆円」でも足りないくらい【評論家・江崎道朗】2017年9月12日)

新規の装備購入、研究開発費で予算が逼迫していると先に述べたが、自衛隊には「継戦能力」が皆無である。また「兵站」(ロジスティック)も怪しい。

現在の予算では十分でない。それどころか、現在の防衛体制では、私たちの命が確実に守られる保障は無いのだ。

多分我が街は、PAC3の迎撃可能範囲外。もしもの時は、イージス艦が撃ち漏らした場合、…

この状況を解決する為にも、防衛費の拡充を多くの人々が理解し議論して、国民的な合意に至らしめる世論形成を為さなければならない。

この件は、また後ほど触れようと思う。

本稿は以上。




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