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息子へ、いや、父親へ【ビジネスマンの父より息子への30通の手紙】キングスレイ・ウォード

「これが課題図書です」

大学教授が黒板に書き上げたタイトルがこれ、

「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」であった。

それからもうかれこれ、30年の月日が流れた。

大学生だった私も大人になり、気がつけば息子が大学を卒業するまでになった。

課題だから読んだこの本だったが、最初に言っておこう。

「面白かった」

ほとんど母子家庭のようにして育った私にはすごく新鮮で、これが理想的な父親なのか……と、学生でありながら、将来の自分がなりたい父親像をつくるきっかけになった本である。

本の内容そのものは、事業家である父親が、自分の息子に対して、時期を追って、アドバイスの手紙を綴っていくというもの。

その手紙は愛に溢れ、示唆に満ちている。

ちょうど学生生活を終えて、社会人デビューしていく息子へ、企業家としての心構え、結婚について、生き方について、人としてのあり方についてなど、その場面、場面で適切なアドバイスを綴る父親が素敵だった。

私自身、就活を控え、社会人としての生活を控えた時期に、もっと先に起こるであろういろんな問題について、先人のアドバイスを得られることがありがたかった。

この本のここが好き♪

特に好きだったのが、手紙の締めくくり。

すべての手紙の末尾に、ユーモアに富んだ素敵な言葉が綴られていたこと。

英語ならFrom○○○といったところ。

ひとつあげるなら、商取引に関する的確なアドバイスを送った後にしたためた、「君の守護天使より」という締めの言葉。

人に何かを伝えるときに、愛のある言葉で締めることの重要さと、素敵さにしびれました。

自分自身が大人になってみて、著者キングスレイ・ウォードのような立派な事業家ではないことは明らかなのだが、誰かに何かを伝えるときに、愛の言葉で締めることだけは、真似をし続けていきたいものです。

この本を読むべき時期

本というのはタイミングがあると思うので、以前息子に渡したこの本も、読まれた痕跡はない。苦笑

それでも、わざと息子の本棚には残しておこうと思うのです。

20代、30代、40代、それぞれで、読んだときの印象は変わります。

「読書の価値」について書かれた手紙には、ウォード自身が息子に薦める「企業家が読むべき10冊」のような興味深い記述もあります。

私も、おじさん目線でもう一度読み返してみようかな?

訳者、城山三郎さんの文体もやさしく、読みやすいです。

息子も、父親も、両方の目線でタメになる、なかなか貴重な本です。

「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」

G・キングスレイ・ウォード 著 / 城山三郎 訳

(=^ェ^=)









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