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【統計の10原則】

総理府統計局入局、総理府統計局長など統計部署の要職を歴任した島村史郎が『統計制度論―日本の統計制度と主要国の統計制度―』において、「筆者は長年、我が国の統計業務に従事していて、統計職員の中には伝統的に守られてきた行動原則があるように思える。筆者なりにこれらの原則を示すと次のとおりである」としてまとめたもの。

①非政治性の原則、②調査結果の完全公表の原則、③統計調査の継続性の原則 、④理論性の原則、⑤総合性の原則、⑥比較性の原則、⑦統計調査と報告の分離原則、⑧統計調査の重複禁上の原則、⑨正確性の原則、⑩効率性の原則、からなる。

著者が各国統計制度の歴史を調べた結果、ソ連はこの10原則と全く正反対であったことが分かると述べている。もっとも、昨今の日本の統計不正の状況から、統計学や情報処理技術の進歩に比して、統計制度や職員の確保・育成が遅れていることから、他国との比較においてソ連化していると非難されても仕方がない状況にある。

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