『はじまりの旅』の屋久島でのもう一つの真実。-another truth-
2022年4月14日から『屋久島で生きると戯れる はじまりの旅 2022春』を開催してから早4か月以上が経とうとしている。
そして、11月3日から3泊4日で早くも2回目の「はじまりの旅」を開催する。なぜ僕は、この旅にまたやりたいと思えたのか?続けたいと思ったのか?
それは、ある一人の参加者からの問いがあったからかもしれない。
そして、その問いは、僕に預けられた。
今は、そう思っている。
異なる真実を、互いに受け入れ合い、分かち合う旅
2022年4月17日。
屋久島の森で、これはある一人の参加者から発せられた、心の物語であり、詩であり、真実である。
この世の中には、人の数だけ真実があり、ひとつのモノやコトを眺めていても、それは全く異なる真実として立ち現れてくることがある。
いや、むしろ、異なる真実として立ち現れるほかないのかもしれない。
しかし、その異なる真実を、互いに受け入れ合い、分かち合う。
その豊かさを、この旅では届けているのかもしれない。
それが、『はじまりの旅』。
『はじまりの旅』の屋久島でのもう一つの真実。-another truth-
2022年4月17日。4日間の旅のフィナーレ。
屋久島の森で、5つの物語であり、5つの詩であり、5つの真実が生まれた。
旅に参加してくれた5人とは、特別な会話はあまりしていないように記憶している。
特別に何をしたわけでもなく、ただただともに、生きると戯れ、遊び、暮らし、それぞれの想いとともにあった。
それなのに、この旅の仲間とは、今まで以上に、深いところで繋がれたような感覚が残っている。
それは、人と人としての関わりとしてというのもあるし、自然を介してというのもあると思う。
屋久島の森で、僕とあかりんと参加者で旅を振り返る時だった。
詩をそのまま詠んでくれた仲間もいるし、詩からまた湧いてくる想いを言葉にしてくれた仲間もいたと思う。
どの詩を聴いても、どの声を聴いても、どの言葉を聴いていても、
それらは比べることなど意味がないと教えてくれるし、
その一つ一つがただ素晴らしく、それぞれに輝きを放っていた。
涙を抑えきれないほどに。
「はじまりの旅」二日後の朝のできごと
あの日、朝一番の飛行機に乗る"みつ"(はじまりの旅の参加者)を空港まで送った。ところが、飛び立つはずの飛行機が着陸できず、あっさりと欠航となった。
帰れないかもしれない…そんな喜び半分、不安半分のみつにチケットの変更手続きをアドバイスして、次の飛行機の時間まで近くの喫茶店へ朝ごはんを食べに行った。
予想もしていなかったモーニングタイムは、旅の思い出を語るには短く、
他愛もない話をするには長く、今となっては何を話したかは正直覚えていない。ただ、みつと、あかりんとやりちゃんと僕と過ごした心温まる時間であったことはたしかだ。
みつが変更した便には、この旅の仲間・かっきーも搭乗予定で、心強い仲間を得たみつは、搭乗する飛行機が無事着陸して、二人で屋久島をあとにした。
"みつ"からのギフト。それは…
二人を見送った後、宿の片づけをしようと「トッピーの森」へ戻ると、置き手紙があった。
しかし、それはよく見ると、置き手紙ではなかった。
絵葉書に書かれた、みつの詩だった。
「はじまりの旅」では、最後の時間に、屋久島の森で、自分自身への手紙を絵葉書に書いてもらう時間をとっていた。その時に、書かれた詩だった。
前の晩、島結の10周年を祝い、島の仲間たちと「結の焚火祭」をしていた。
その時、僕は、みつにこう話しかけた。
「みつの詩、良かったな。今ここでまた詠んでくれないかな」と。
えー、ヤダとかムリとか何とか言われて、うまくはぐらかされちゃったので、詩を詠んでもらうことは叶わなかった。
でも、あの時、あの旅の仲間たちと、あの屋久島の森の中だからこそ、生まれた詩だったんだろうなと、はぐらかされたことがとても自然なことのように感じた。そして、あの屋久島の森で、あの詩が詠まれた瞬間(とき)を大切にしたいなと思った。
今でも瞳を閉じると、あの瞬間(とき)の記憶がありありと蘇ってくる。
だから、それ以上、この話に触れることはしなかった。
願ったことは実現しなかったけれども、自分の中では大切なやり取りだったと思っている。
そして、みつもおそらく、何かを感じていてくれたのだろう。
だから、今、絵葉書に書かれたみつの詩は、僕が持っている。
いや、正確には、預かっている。
この詩の最後の一文に書かれた、問いに答えられる日まで。
『はじまりの旅』を通して、この問いを探求する旅を続けたいと思う。
to MITSU
Special thank
***11月開催のお知らせ***
2022年11月3日~6日の3泊4日で、屋久島の大自然の豊かさを、ここに集う人々の豊かさを、分かち合いたいと思います。
『屋久島で生きると戯れる はじまりの旅 2022秋』
ただ屋久島の自然で遊ぶだけではない、生きると戯れる旅を。
この旅が、本当に必要としている人たちのもとへ届くことを願って。
***「はじまりの旅」のもう一つの真実。-another truth-***
余談になるが、みつのおじいちゃんと屋久島に住んでいたある方との間には、深い親交があった。そのことに気付いたのは、「はじまりの旅」が終わり、延泊したみつや旅仲間と何気なくしていた会話がきっかけだった。
この旅が、参加者にとっての何かの”はじまり”であるのはもちろん、僕自身にとっても屋久島での”あたらしい旅のはじまり””となって、動き出している。
偶然ってすごいねとか、ご縁だねという言葉では片づけられない何か。こういったことをまさに”生命親和力”と呼ぶんだろうなと思いながらも、この言葉を自分の言葉にかみ砕いて、表現するにはまだ至っていない。
でもいつかこのことを表現できる日が来る。そう思っている。
2022年8月28日 屋久島にて。
4月の「はじまりの旅」に参加してくれた"みつ"の旅日記はこちら。
世界遺産の島で奮闘中!!よろしければ、応援よろしくお願いしますm(_ _)m