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ひび

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日々のことについて文章を書きます。
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2019年4月の記事一覧

肯定

「誰が何と言おうと、おれはあなたを肯定しようと思う。たとえば静かな夜に、線香花火の如く綺麗に輝いて、優しく散った、時間。あの時間、おれとあなたはここにいて、そして二人で笑った。ひとときの共鳴は、嘘では無かったはずだ。誰にも見えないかもしれぬ、けれども、おれとあなたには確かに見えていた。そこには正真正銘の煌めきがあった。だから、おれはあなたを肯定しようと思う。たとえウジ蟲たちが近寄ってきても、構わな

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「あなたがどうかは知らないが、わたしはいつも苦しい。根クラとか根アカとか、そういうことでなく、あくまで冷静に見つめたとき、わたしはいつも苦しい。あなたがどうかは知らないが、日常は苦しみの連続であり、労働や学業や病気や貧乏、対人関係の軋轢、ひとりぼっちの寂しさを抱えて、また、未来への不安、自己嫌悪、人間性の欠如、止まらぬ欲、数え上げるとキリが無いほどに問題は山積みである。どうあがいても人生一本では足

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悪夢のヤタイ

夜、店での仕事が終わった頃、連絡があって、鶴橋でTづらとO橋と落ち合った。サ店で三人、ごちゃごちゃとあること無いこと喋り合って、外に出れば23時、そろそろ帰りますかという雰囲気で駅まで行ったところ、もう少し遊ぼう、みたいな様子で、O橋がモジモジしたので、夜の路地裏をぶらつくか、と言って三人並んで歩き出した。

夜の鶴橋の路地裏は、犬の死骸のような臭いが漂っていて、辺りにはキチガイ地味た店も多いが、

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麺類みな姉妹

うどん、蕎麦、スパゲッティー、ラーメン、自分はどれも大好きで、ほぼ毎日のように麺を食べている。麺類と人類は、いつでも寄り添い合って暮らしている。

自分の中での麺類ナンバーワンは、何と言っても、うどん。そりゃ、うどんです。自分はうどんを愛している。あぁ、白くて柔らかでコシがあり、すべすべとした、うどん。それはまるで、奥ゆかしさと強さを備えた美少女ではないか。美しき娘、うどん。うどんは、底知れぬ美貌

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忌まわしき梁

今日は難波にある汚いビルの一角で行われたライヴに出演した。入り時間に少し遅れた自分は会場に入ると、共演者の芸人たちに簡易な挨拶を済ませて、後は狭い楽屋で一人で静かに座っていた。ここの楽屋にはソファと灰皿があり、更に他の芸人たちは自分に遠慮しているのか、なぜかあまり楽屋には入って来ない、ので、自分としては申し分無い。ただ、ひとつ難点があり、天井から矢鱈と低い場所に梁が設置されているのである。そしてそ

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チラシ

家を掃除していたら、押入れから大量のチラシが出てきた。自分が書いたライヴのチラシである。過去、主催ライヴをやるときには必ずチラシを作って、ばら撒いていた。最近では、ライヴの詳細などもインターネットを見れば大体のことが載っているため、お客側からしても、インターネットさえチェックしていれば、情報が手に入る。チラシなど作らずとも集客は可能であり、自分もそれに甘えて、滅多に作らなくなってしまった。

とは

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支援のこころ

自分のnoteに、「スキ」をしてくれる人がいるが、中には時折「サポート」をしてくれる人がいる。

「サポート」というのは、あなたのnote結構おもろいのでお金をあげますわ、というシステムで、「〇〇さんがあなたをサポートしました。千円くれましたよ。」といった通知がこちらに来る。頼みもしていないのに自分の駄文にお金を払う、奇特な人がいるものである。

無論、このnoteを有料にする気などは微塵も無い。

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10年

忌野清志郎が死んで10年経つ。まったく、時の流れは早すぎて、自分もすっかりおじさんだ。

消した…。

清志郎については、おそらく10時間くらいは語れると思うのだけれど、やっぱり、あんまり、誰かに言いたいとも思わないので、今夜は、一人で浸ろうと思います。