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自然農の田んぼ in 2020

かなり遅くなったが年末に無事籾擦りまで終えて、旧暦で(笑)今年も新米を食べることができました。太陽と水と大地、必要なもの全てを与えてくれる地球に感謝します。ありがとうございました。

今年の石高は170kgくらい、面積は6畝くらい。大名には程遠いが、去年が130kgちょっとだったので、大満足の大幅増収です。

田んぼのスペック

収穫し始めてからは4年目だが、それ以前は耕作放棄地となっていたため10年以上農薬・化学肥料は使用していない。有機肥料牛ふん落ち葉などあらゆるものを田んぼに入れてない。

耕すのをやめて4年目、4年前に一度だけ水平をとるためにトラクターをいれた。その後はトラクターで全面的に耕起していないのはもちろん、田車などで表面を撹拌もしていない。

水は3月上旬から張っている。去年は4月から、一昨年は5月から水を入れ始めたが、耕起していないためなかなか水が貯まらなく、田植え後陸草の勢いがすごく草刈りに苦労したため年々水を入れる時期を早めている。

品種はあけぼのを育てている、今年が2年目。一昨年までは近所の農家から分けてもらったヒノヒカリを育てていたが、去年自然農栽培している知人から種籾を分けてもらい、自家採種した種籾あけぼのを今年も使用した。

稲苗代

3月下旬田んぼの一画に稲苗代を作った。1mx6mに溝を切り土を盛り上げ平らにして水が乗らない高さにした。

4月10日に種籾を水につけ芽だし開始。4月20日に種籾を苗代に降ろし覆土鎮圧してネットをかけた。

その後、随時草取り。この作業年々丁寧になっていく、苗半作、この言葉が少しわかりかけてきた。今年は草を一本残らず抜いた、自然農だが育てている以上、幼少期にはしっかりと手をかける。

田植え

6月4日田植え開始。ちょっと早いが休みの関係で成長の多少はやい苗を選びながら田植え。基本は一本植え、たまに二本植え、条間株間は30cm x 25cm。ちょっと狭い気もしたが今年はこれで様子を見て来年また考えることにした。

有休1日と土曜日2日で、6月14日田植え終了。今年から自然農法に興味があるという知人が手伝いにきてくれたので、二人で3日間でやっつけた。3月から水を張っているため、ある程度土が柔らかくなっていて、鎌などで土を掘らなくても、指で穴を開けることができ、かなりのスピードアップとなった。

田植えをしながら、水草は大方抜き取った。去年のこぼれ種で発芽している苗もできるだけ抜いた。陸草は3月から湛水しているためほぼなかった。

草取り

7月4日草取り。こんなに楽な草取りでいいのだろうか。陸草をおさえるとここまで草取りが楽になるとは、これはけっこうな気づきとなった。田んぼに入り株間の水草をあつめて、くるくるとたたんでなるべく水の中に沈むようにおいていく。二人で1日で終了、今年の草取りはこれだけ、一回のみ。

今年は3月上旬から水を入れている。ねらった訳ではないが、冬期湛水いわゆる冬水田んぼのような感じになった。田植えがやりやすく、草取りが楽チン。生き物の種類が増えて土が豊かになる。良いことづくめだが、問題が1つ、裏作に麦が作れない。

ただし、冬期湛水は圧倒的にやりやすい。自然農法の哲学に触れ、自然農の理に共鳴し、農業とは無縁の都市郊外ニュータウン育ちが米作りに挑むなら、最初は麦をあきらめて、できるだけ早い時期に水を張る。これがいい。

稲刈り

10月25日稲刈り開始、28日、11月3日の3日間で終了。今年の稲刈りに関わった人は、大人7名、子供5名。去年まではほぼ一人で、けっこう頑張ってなんとかこなしていたが、今年は現場監督のような感じであっさり終わった。

これが非常に面白いところで、なにか新しいことを始めるとき、それが世間の基準からずれているほど、最初の一年二年は周囲に反対される。助言というかたちで否定してくる。やめたほうがいいよ、無理だから。そんなことしてどうするの、意味ないから。

しかし、3年続けていると。周囲の人はあまり反対したり否定したりしなくなってくる。あの人まだやってるらしいよ、よくやるよ。

そして5年続けると、周囲から手伝います、手伝わせてください。などと言って協力してくれる人達があらわれる。

ちなみに10年続けると、周囲から先生と呼ばれ、教えてください、という人があらわれる。

脱穀・とうみ・籾擦り

脱穀は4年前に購入した最新(笑)の足踏み脱穀機を使用している。友人宅で使用している昔ながらの木で作った足踏み脱穀機と比べると圧倒的なパフォーマンス。

インターネットを享受して、車頼りの生活をしていながら言うのもなんだが、コンバインではなく圧倒的な性能の足踏み脱穀機への道具の進歩。この進歩の方向性がけっこうお気に入り。

とうみはモーターのをもらった。家庭用のコンパクトで一人でも運べるサイズ。以前使用していたとうみでは片手で回しながら籾を追加したり、選別された籾を見るのはすごく難しく、なかなか上手くいかなかったのですごく便利になった。

しかし、電源が必要で発電機を用意運搬することを考えると、入口と出口に工夫を加えた性能のいい手回しとうみがあれば、それもありかなと思ったりする。ただし、常に自動で風を起こしてくれるのはすごく便利でありがたい。

籾擦りは去年まで友人宅にある小型の籾擦り機を使用していた。とうみをかけ終わった籾を車で友人宅へ持っていき、そこで玄米にしていたが、なんと今年近所のじーさんから同じものをもらった。

最近まで家庭用の米を作っていたが体力的にきつくなり止めて籾擦り機はそのまま置いてあったとこ、私が米を作っているのを見て声をかけてくれた。ありがたい限りだ、これで都度籾擦り玄米を食べることができる、玄米で梅雨をこすと質が落ちるので本当にありがたい。


4年目の米作りはなんだか拍子抜けするぐらい楽チンだった。不耕起の田んぼもそれなりに整ってきて、水路の扱いにもなれ、草も落ち着いて、協力者が増えて、道具も充実した。よもや、よもや、こんなに変わるとは。いま思えば1年目は何も分からない中、ぜんぶ一人でよくやったもんだ。

来年は6畝の田んぼを一枚増やして一反ちょっとをやる予定。どうなることやら、楽しみだ。



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