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ダンボールハウス | ホクトデンキ 1

家のむかいには広い空き地があった
なにかの建物の跡地のように荒れていて
フェンスがあってあそびにくかった

その空き地にある日大きな電気屋さんができた
ホクトデンキだ!
広い駐車場があって
その一角にはぼくが初めて行くことになるレストラン
キャプテンクックもできた

家が目の前だったので
ホクトデンキは自然とぼくらのあそび場になった
いろんなあそびをしたけれど
一番夢中になったのが ゴミ箱あさりだった!

駐車場のスミに幅3メートル高さ2メートルくらいの
こどもが何人もすっぽりと入れる
大きなゴミ箱があって
そこはこどものぼくにとって
宝箱のようだった

冷蔵庫や洗濯機が入っていた段ボールは
とても大きくて
ぼくらの基地や家になった

そこに一緒に入っていた
いろんな形の発砲スチロールは
武器やお店屋さんの売り物になった

カセットテープの入ってた箱は
かっこよくてみんなで取り合いになった

たまに粗品のボールペンなんかもあって
見つけた奴はみんなにうらやましがられた
ある日みつけたスペースシャトル型の消しゴムは
ずっとぼくの宝物だった
あの消しゴム、どこでなくしてしまったのだろう

ある日 大きな基地を作ろうということになり
大きな段ボールをつなげて
かっこいい基地ができあがりそうだった

お店側としてはたまったものじゃない
がきんちょ達がゴミ箱をあさり
ごみを出して並べているのだから

あそぶたびに怒られていたけれど
やっぱりその大きな基地も
いつも怒られている一番若い
あんちゃんとぼくらが勝手に呼んでいた
店員さんにみつかり
完成を見ずに壊されてしまった

でも ゴミ箱をあされば怒られるというのも
緊張感を高めるルールみたいなもので
いかに素早くお宝をみつけれるか
いかに店員さんを先にみつけ
逃げれるか 隠れられるか
それさえもあそびになっていた
あんちゃんも店長さんも怒りつつも
どこか笑っていたような気がした

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