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フリーランスとして大切なことは全部組織キャンプで教わった。

こんにちは。イラストレーターの島田です。
國學院大學が後援する、noteのお題企画「#キャンプの楽しみ方」。書かずにはいられないテーマだったので、今日はキャンプの話など書いてみます。

家族キャンプ、そしてうっかりハマった組織キャンプ

私が初めてキャンプをしたのは小学生の頃。家族で、当時住んでいた北海道のキャンプ場へ行きました。

普段は料理をしない父が気合いを入れて作ってくれたカレーは、どう考えても水分が多い仕上がりに。多分まだメジャーでなかった「スープカレー」と言う単語が我が家で初めて登場したのは、この時でした。なんだかおかしくて、「おいしくない〜!」と笑いながらおいしく食べたことは、家族の大切な思い出です。

それから12年後、私は東京・飯田橋でキャンプ用品に囲まれていました。

だって大学から近かったから

大学でサークルに入り損ね、友だちを作ることに失敗し、バイトも続かない自分に絶望していた大学2年生の時。学務部の隅で、学外の団体のチラシを手に入れました。

そのチラシは「幼児から小中学生の子どもたちと一緒にキャンプへ行くボランティア」の募集チラシ。

小学生以来、キャンプをした記憶は特にありませんでしたが、私の中には「キャンプ好き!」という感情がしっかり残っていました。しかも、子どもと遊ぶのも大好きなんだ。なんだこれ。私のための活動か?

数種類のチラシがあり、いくつかの団体があったような気がします。その中から、これだと思ったチラシをもらいました。なぜならその団体の拠点が、どの団体よりも大学から近かったから。しかもキャンプ用品の倉庫は大学と同じ駅だ。これは楽だ!

あまりにも適当な選び方だったけど、このチラシは私の人生を変えてくれました。間違いない。人生を変えてくれました。(大切なことなので2回言う)

知ってた?世の中の全てのことには目的があるんです。

説明会に参加し、研修に参加し、大学2年の夏、1週間のキャンプでスタッフデビューしました。

小学4年生から中学3年生の24人の子どもたちと行く山梨でのキャンプ。最高に楽しかったです。もう、ただただ楽しかった。大学の外にこんな楽しい世界があったんだ!と感激して、どっぷり「組織キャンプ(後述)」の世界にハマりました。

ちなみに、この頃の私は本当にパッパラパーだったので、キャンプが"ただただ楽しく"無事に終わったのは、ひとえに他のスタッフのみんなのおかげだったと今ならわかります。安全管理とか、心のケアとか、とても奥深い世界です。

裏を返すと、こういったキャンプを提供する団体は、安全管理体制に本当に力を入れています。それが叶うのが"組織キャンプ"です。この辺を書き始めると、たぶん本を一冊書ける世界です。

世界の見え方が変わった、2年生の1月。

さて。楽しくキャンプ活動に勤しんでいた私は、1月に1泊2日のキャンプに参加します。小学2年生から6年生の子どもたちと、千葉県でキャンプ。

そのキャンプの初日の夜、私はすごいことに気がつき、スタッフミーティングで口にします。

. . 𖥧 𖥧 𖧧 ˒˒. . 𖡼.𖤣𖥧 ⠜. . 𖥧 𖥧 𖧧 ˒˒. . 𖡼.𖤣𖥧 ⠜

ここで、組織キャンプについて簡単に説明します。

「組織キャンプ」は、家族や友人と行く個人的なレジャーなキャンプとはちょっと異なり、文字通り組織を組んで行うキャンプです。組織キャンプを通して行われる教育手法を「野外教育」と呼んだりします。野外教育、大好きな言葉です。

組織キャンプは文字通り組織として運営するキャンプで、責任者として「ディレクター」がいます。団体やキャンプによって名称や分担が異なることもあるようですが、私がいた団体では、一番の責任者は「キャンプディレクター(CD)」、プログラムに関する責任者は「プログラムディレクター(PD)」、備品やお金など裏方の責任者は「マネジメントディレクター(MD)」と呼びました。

その下に、子どもの班につく「班付きリーダー」、裏方としてあれこれ準備する「マネジメントスタッフ」がそれぞれ複数人いて、一つのキャンプを運営します。

団体によって違いはありますが、イメージはこんな感じ。組織です。

キャンプの規模によりますが、10人程度のスタッフで運営することもあれば、数十人で運営することもあり。そんな大人数で一つのキャンププログラムを運営するためには、柱が必要です。それが「目的(ねらい)」

例えば田植えがメインプログラムのキャンプがあったとして、キャンプ全体の目的が
「お米一粒一粒を大切にする心を育む」と
「仲間と協力して目標を達成する喜びを感じる」では
プログラムの内容やスタッフの関わり方が違ってきます。

前者なら「お米の成長クイズ」みたいなプログラムを個人戦でするかもしれないし、後者なら仲間と協力しないと達成できないゲームを用意するかもしれません。その時々の大人の声の掛け方も違ってくるはず。

伝わるでしょうか。キャンプのプログラムは、目的のもとに組み立てられます。もちろん、目的もプログラムも事前のミーティングで確認します。

それを、20歳になったばかりのパッパラパーな小娘は、ですよ。話を戻しましょう。

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1泊2日のキャンプの初日が終わろうとしている時、私は言いました。

ゴクリ…

日帰りのキャンプを含めて、その時すでに20本くらいキャンプに行っていたはずなのにね?ミーティングも毎回欠かさずに行っていたのにね?

あの瞬間の、職員さんと先輩、同期の「いま!?」という言葉と表情が忘れられません。15年が経とうとしているのに、あの時誰がいたかまで、私は思い出せる・・・・・・・・・

そうか。世の中の全てのことには目的(や理由)があるんだ。

この気づきが、私には衝撃でした。

だから、この時間にこのプログラムなんだ。
だからあの時、あの先輩は子どもにこう言ったんだ。

だからミーティングで目的を伝えられていたのか・・・
それをみんな理解して今までキャンプしていたんだ・・・(私って一体・・・)

自分のトンチンカンさは受け入れつつ、これは今の私を支える気づきの一つです。

なんでその絵が必要なんだろう?何を伝えたいんだろう?

私はいま、フリーランスとして仕事をしています。メインの仕事はイラスト制作ですが、文章の執筆、アイデア出しや広報のような事業のお手伝いなど、いろいろしています。

そんな、お客さんがいる仕事で私が自分に課していることは、

「なぜその人はその仕事(事業)をしているのか」
「なぜその人はそのイラスト(や文章など)を必要としているのか」

を意識すること。

世の中のどんな仕事にも、目的があります。
世の中のどんな依頼にも、理由があります。

それを考えることはすなわち、「物事の本質を考える」ことにつながります。いい仕事をするには、本質が捉える力が不可欠。

「女性のイラストを描いてください」という依頼でも、「イベントの楽しさを伝えるイラスト」なのか「アイテムの使い方を説明するイラスト」なのか、「ターゲットの年代は何歳くらいなのか」「そもそも女性でなければいけないのか」「なぜこの人はその事業をしているのか」などなど、依頼の裏にある目的や理由を知ることは、的確な仕事をする上で欠かせません。

似たようなタッチでも、使う目的によってデザインが変わります

そんなことを意識して仕事をしていたら、お客さまからそこを褒めていただくことが増えました。

・何を伝えたいかを的確に表現してくれる
・1伝えたら10汲み取ってくれる
・察する能力がすごい

こういった感想をいただくことがしばしばあり、これはもう私の強みだと思っています。(「理由」「目的」を知りたがる習慣がヒアリングに活きている / 目的を理解することで要点を抑えられるようになったことが要因と思われます)

"目的"がなんなのかもわかっていなかった私がこの成長…この力を学生時代につけられたことは私の大きな財産です。たくさんの気づきをくれた先輩たち、子どもたち、キャンプに感謝です。

人として大切なこと、全部キャンプで教わった

この記事は「フリーランスとして大切なこと」と言うタイトルで書いていますが、実際は働き方なんて関係なくて、仕事かどうかも関係なくて、生きる上で大切なことを教わったと思っています。

大切なことは他にもたくさん教わりました。
例えば、大学3年生の時、ディレクターに言われた言葉。

「"何を、どうしたら、こうなった"。
 自分の行動が何にどうつながったかを意識してごらん」

これ、どんなことをしていても超大事。自分の行動がもたらした結果を自分の中に蓄積すると、"経験"の価値が爆上がりします。PDCAなんて爆速です。今もいつも意識しています。

同じ頃、別のディレクターに言われた言葉。

「"何したらいいですか?"ではなく
 "これをしようと思うんだけど、どうですか?"と聞いてごらん」

次の行動を考える。相手が判断しやすいよう問いかける。

夕食の準備をしているとき、パートナーに「何したらいい?」と聞かれて、困ったりモヤモヤしたことはありませんか?「お茶淹れようと思うんだけどどう?」と聞いてくれれば、「その前に食器を洗ってもらってもいい?」「私が淹れるから今は大丈夫だよ」と返答することができます。

状況を見て、自分が何をすべきか考えること。
相手の負担にならない問いかけをすること。

これもまた人生に必要なスキル・・・

私のキャンプの楽しみ方

組織でやるということは、相手がいるということ。
人生だっていつも、人との関わりの連続です。

組織キャンプを経験する中で学んだことは計り知れません。
レジャーなキャンプも楽しいけれど、組織キャンプも最高に楽しかった。その経験が今に活きているし、今を楽しく生きることにつながっています。

これが私が思う「キャンプの楽しみ方」。
若い時の経験は買ってでもすべし。です。

当時のメモ。大事すぎて手放せません。

もう一つ、組織キャンプから学んだこととして「私やればできる子!!」というのがあります。これは、スタッフとしてではなく参加者としての気づき。後編はそんな話を書きます。組織キャンプはいいぞ!野外教育はいいぞ!

追伸1)
こんな記事を書いていたら、國學院大学さんも組織キャンプと目的のことを書いていました。(完全に被ってしまったけどたまたまです…)こちらもぜひ。

追伸2)「やればできる子!」の話を書きました。(2022/9/7)


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