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あたたかい布団のなかで思いだすこと

私は猫と布団の中で丸くなって、一緒に眠ったことはない。
猫を飼ったことがないからだ。

でも、猫を飼っている人もきっとあたたかい布団の中で、うっとりと夜を越しているのかなぁと、ふと思った。

昨晩は、上の娘と布団に入り、手をつないで寝た。
こんなことは久しぶりのことだった。

ことし下の娘が生まれてからは、下の娘と隣り合って眠っていたから。

上の娘とも隣り合っているが、つまり私が二人の娘のあいだに挟まれているということ。

けれど、あんまり上の娘とはひっついて眠りたくない気分だったのだ。

弱きもの、より小さきものを守りたいという母性本能といえば、耳聞こえはいい。意識的に上の娘に背を向けて寝ていた。それを彼女が寂しがっていることも知っていた。

そこに後ろめたさを感じていた。

昨晩は、瞑想をして体のコリも取れ、なんだか上の娘とひっついて眠れるような気がした。

布団の中は、掛け布団だけじゃなくて、間に毛布をが入っていたことで、とってもあったかかった。

私は、3人兄弟の末っ子だ。姉と兄はもう家族の寝室を出ていっていた。両親と私の3人で6畳の和室で眠った。

母の掛け布団は、父の掛け布団よりずっと大きかった。父の方が体が大きいのにどうしてだろうと、子供心に思っていた。

けれど、なんのことはない。私が母とひっついて眠っていたからだ。私の布団は母の布団の横に並んでいた。

しかし、私は母の広い広い正方形のような掛け布団に潜っていき、ぬくぬくと眠ると、本当に安心したのだ。

上の娘もそんな風にいつか感じたり、そして今も感じたりしているのだろうか。


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