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センター試験に代わる新・大学入学共通テスト、「生物」は考察重視

現在の大学入試センター試験は2020年の実施が最後となり、2021年からセンター試験に代わる「新・大学入学共通テスト」が始まります。

国語の記述式問題が話題となっていますが、僕のお仕事分野である生物科目はどうでしょうか。

昨年に続いてプレテストがおこなわれたので、今回は理系向けの「生物」を分析します。文系向けの「基礎生物」はこちらをどうぞ。

理系向けの生物

現在の高校理科のうち、理系学部向けでが「物理」「化学」「生物」「地学」から2科目を選び120分で回答するパターンがほとんどです。1科目あたり100点満点。

というわけで解いてみましょう。問題はこちらにあります。

文章が長い分析問題が多い

結果は100点満点中82点。当時は90点くらいとっていたし、予習なしでこれなら上出来でしょう。

前回よりも知識を問う問題が少し増えたかな、という印象。ただ、教科書のままではなく、実験や観察を踏まえたふえで答えさせるものがあり、しかも会話文や心の中を読む問題があるので、やはり時間がかかります。

「心の中を読む」って? こういう問題です。

「走るのにアユムとはこれいかに?」という冗談はおいといて、こんなグラフは教科書に出てきません。ただ選択肢を見ると、細胞質でおこなわれる解糖系と、ミトコンドリアでおこなわれる電子伝達系の話だ、ということになります。ちなみに正解は2。

初見殺しのグラフで選択肢も長いのですが、教科書ベースの知識を問うもので、難易度としてはそこまで高くはありません。

同じく、やたら前置きが長い問題文も。

前回よりも全体の文章量を約2000字減らしてバランス調整をおこなったようですが、それでもサクサク解答する必要がありそうです。

制限時間は60分ですが、僕は60分ギリギリかかりました。まあこれは乃木坂の新曲を聴きながらだったせいかも。メガネのなぁちゃんマジ天使。ここテストに出るから。

ちなみに現行のセンター試験では、最後の小問題は2つの中から1つを選ぶという選択システムですが、新テストではこのシステムがなくなり、全問解答が必須になる予定だそうです。

教科書を抑えつつもしっかり考察できるように

「生物」は、文系向けの「生物基礎」とは違って理系選択が受けるものなので、問題は難しくなります。それは現行のセンター試験でも同じですが、新テストではより「考察力」が重視されています。「主旨」の資料にも書かれています。

科学的な探究の過程を重視します。自然の事物・現象の中から本質的な情報を見いだし、課題の解決に向けて主体的に考察・推論することが求められます。教科書等では扱われておらず受検生にとって既知ではないものも含め、資料等に示された事物・現象を分析的、総合的に考察することができるかという、科学の基本的な概念や原理・法則などの深い理解を伴う知識や思考力等を問う問題や、仮説を検証する過程で数的処理を伴う思考力等が求められる問題なども含まれます。

ポイントは、最初にある「科学的な探求の過程を重視します」で「過程」と書いてあることです。つまり、暗記モノの知識ではなく、知識をベースとした考察を重視します、ということです。

考察問題に苦手意識をもつ高校生は多いと思いますが、どうせ理系学部に入ればうんざりするほどやらないといけないので、高校のうちからがんばっておきましょう。とはいえ、生物を選択する理系高校生ってあまりいないんだよねえ(´・ω・`)

物理:約16万人、化学:約20万人、生物:約7万人、地学:0.2万人

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