見出し画像

文章を書くことはコース料理を考えるようなもの

いつものお仕事と並行して超大型ゲンコォに取り組んでいます。僕の基準として、1000字くらいが小型、ウェブ記事で一般的な3000字が中型(通常型)、雑誌で数ページくらいの1万字が大型、そして本1冊丸ごとの10万字が超大型です。超大型ゲンコォをやっているということは、そういうことです。そういうことです。

とはいえ僕のやっていることはサイエンスライターとして、すでにわかっていることまたはわかっていないことを書くことなので、エッセイや小説と違って独創性や芸術性はそこまで求められてはないです。

いや、どうかな。

事実を淡々と書くだけならできるという人はいると思うけど、その事実を読者が正しく理解できるような文章を書くということになると独創性というかその人ならではの味みたいなものが出てくるかもしれないですね。

科学でなくてもインタビュー記事とかテクニカルライティングでもいいんだけど、どのタイミングで何を書くか、そして何を書かないかの線引きがすごく大切で、すごく難しいところでもあります。書くだけならいくらでもできるけど、書いたところで読者が正しく理解できるとも限らないわけで。でも、文章を読者に見せる順番を変えるだけで、途端に読者が理解できるようになることもあります。

ちょうどそれは食べ放題とコース料理に似ています。食べ放題は提供する側がいくらでも自由に出せるけど、お客さんが組み合わせをミスると美味しくならないこともあるし、食べすぎて帰り道に苦しくことだってあります。でもコース料理は、提供する側がすべてマネジメントして最適解となるようになっています。それがお客さんの舌に合うかどうかは別問題だけど、食べた側は、「この料理はこういうコンセプトだ」と解釈できます。

文章も同じで、どの順番で書くのがベストか、常に考えながら書くのがプロのライター、つまり依頼主からお金をもらう職業の真髄だと思っています。順番というのは、目次レベルの構成はもちろんのこと、1つ1つの文の順番、文の中で出す単語の順番まで、マクロからミクロの視点があります。その視点の行き来もまた大切だと思っています。

参考図書

* * *

noteユーザーでなくてもハートマーク(スキ)を押すことができます。応援よろしくお願いいたします。

この記事が参加している募集

ライターの仕事

ここまで読んでいただきありがとうございました。サイエンスの話題をこれからも提供していきます。いただいたサポートは、よりよい記事を書くために欠かせないオヤツに使わせていただきます🍰