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サイエンスライター、住宅ローンを契約する
noteの新シリーズ「サイエンスライター、中古マンションを買う」の第4話です。
買う物件の目処がたち、いよいよ契約へ。しかし、所詮はしがないフリーランスなので、もちろん十分な貯金はなし。住宅ローンを組むことになるんだけど、そもそも貸してくれるのか。
物件購入前に仮審査
住宅ローンを組むときには、2段階の審査があります。まずは、ざっくり貸してくれそうかを依頼する「仮審査」。そして、実際に購入する物件の情報をもとにローン金額を決める「本審査」です。
仮審査は物件を探す段階、または仮押さえくらいの段階でお願いして、希望する金額を貸してくれるかを確認します。自分でやってもいいらしいですが、僕は不慣れて詳しくなかったので不動産屋さんにお願いしました。
この段階で、不動産屋の担当者からは「たぶんフラット35になる」と言われていました。
【フラット35】は、全国300以上の金融機関が住宅金融支援機構と提携して扱う「全期間固定金利型住宅ローン」です。
住宅金融支援機構は国の機関で、住宅を購入したい人に国が手を差し伸べるものです。普通は民間の銀行でローンを組むけど、銀行が貸してくれないようなケースでもローンを組むことができます。つまり、審査基準が少し緩め。そのかわり、35年固定金利のみで、しかも金利はやや高め。
要は、「フリーランスなどという信頼の置けない人間に、賢い銀行はお金を貸すことはないから、自己負担多めで国の力を借りなよ」ということです。
それはその通りで、会社員はよほどのことがない限り未来にも返済能力があります。ところはフリーランスは、下手すれば「1年後にお仕事と収入がない」なんてこともあり得るわけです。銀行としては、回収できない事態は一番避けたいので、フリーランスにお金を貸すことはそこそこのリスクになります。
なので今回は、不動産屋さんにお願いして、フラット35と、民間の銀行の両方に仮審査を依頼することにしました。ちなみにこの時点で、過去3年分の確定申告書を渡します(所得をもとに融資金額を判断するため。収入じゃないよ)
救世主あらわる
しばらくすると、不動産屋さんから電話が。担当者さんが珍しくテンション高い。
「銀行が貸してくれるそうです!」
僕もてっきりフラット35になると思っていたし、フリーランスで住宅ローンを組んだ人のブログを読んでもフラット35だったので、これは自分でも意外でした。
実は内見するときの移動中に担当者から「どんな仕事をしているんですか?」と聞かれたので、『科学雑誌ニュートン』で記事を書いたり、国の機関や大学、医療機器メーカーからの依頼があったりすることを話してました。このことを担当者が銀行に話したらしく、そこの信頼性が買われたみたいです。サイエンスライターをやっていてよかったと初めて思いました。
あとは中古マンションの場合、新耐震基準になっているか、ハザードマップでの災害リスクがないか、管理会社が入っているか、ということも融資や金利に関係してくるみたいです。
仮審査は通ったので、物件を契約。もちろん本審査に通るかはまだわからないから、もし本審査を通らなかったから契約解除できる取り決めで契約します。
お前はお金を貸すに足る存在なのか
いよいよローンの本審査です。銀行のちょっといいお部屋で面談。ただ僕の場合は所得に問題がなさそうだったのか、特に細かく質問はされませんでした。むしろ、「小規模企業共済でしっかり資金を貯めているんですね」と言われました。
自営業向けの積立貯金で、廃業時に退職金みたいなかたちで受け取ることができます。掛金は全額所得控除できるので節税目的でやっているのですが、これが効いたようです。ちなみに僕は掛金マックスでやっています。
iDeCoでもいいと思うので、何かしらのかたちで資金計画がしっかりしていることをアピールできるのがポイントかもしれません。当たり前ですけど国民健康保険や国民年金の税金はちゃんと収めること。
あとは、ローンの組み方(変動金利か固定金利か)とか、保険オプションをつけるかとか、団信には入るよ、とかのお話。金利プランとかは本審査が通ってから契約するときに決めればいいので、とりあえずこんな仕組みになっている、くらいの説明でした。あとはちょいちょいクレジットカード作りませんかのお誘い。考えておきます、くらいに返事しておきました。
一瞬だけ数千万円貯金になる快感
2週間くらいで結果が届いて、無事通過しました。通知を受け取ったのは誕生日。まさか、偶然……?
あとはいろいろ書類を確認しつつ、ローン契約当日までに火災保険とかを契約しつつ、になります。不動産屋と銀行から言われるがままに従えばいいと思います。
契約内容は、ヒヨって変動と固定のミックスにしました。ちょうど固定金利が上がり始めたころで先を読むのがかなり難しかったというのもありましたので。
住宅ローンの融資実行の一瞬、銀行口座がプラス数千万円になるのは痛快です。さすがにスクショを撮る雰囲気じゃなかったけど。
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