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昨年末から今年にかけて複数の団体に関わることとなりました。
その中のひとつ、すまいる・ぼんばーは、磁石に吸い寄せられるかのような不思議な出会いと、なにかをやりたいという熱量の高い人たちが集まって勢いでできた団体です。

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コロナの影響でなかなかリアルに会うこともできず、社会人としてそれぞれが忙しく活動している中、久々の会合がありました。そこで更にポリオを患いながらも前向きに前進し続けている「とらさん」という素敵な男性との出会いがありました。

今日は、とらさんの生きざまに敬意を表して、その半生と、彼の壮大な夢について書きたいと思います。

とらさんの子ども時代

1950年生まれ、70歳。足立区出身。農家の長男として生まれる。
物心ついたころに親が離婚し、直後にポリオ(1960年代に北海道を中心として日本に発生、1980年に撲滅)に罹患、両手両足が不自由となる。
その後母親が再婚、祖父ととらさんを置いて出ていく(当時の記憶は体の痛みとの闘いだった)。
真冬のある日、地元病院の目の前で倒れ、気がついたときには駒込にある病院のベッドに横たわっていた。退院するとき、母親が迎えに来て再会を果たす。直後に祖父、母、再婚相手、とらさんの4人での同居生活が始まり、それと同時に虐待生活が始まる。
当時、「障害者は匿う」という習慣があったものの、祖父がとらさんの面倒を見てくれていたため、精神的には安定していた。
学校は障害の影響でいじめられるので嫌いだった。小学校時代の記憶は悪いことしかない。当時は痛みで鉛筆が持てず字が書けない状態だった。
小学校入学後は日増しに生活が厳しくなる。
そして、祖父が亡くなったことにより、以後不登校となる。
中学校に入るとますます生活がく厳しくなり制服を買うことができなかったため、知り合いのお兄さんから譲り受けたもので対応するも、中1の1学期しか学校には行けなかった。
マラソン大会で、先頭からかなり遅れてしまったため教員から競技中止を言い渡され悔しい思いをしたことは今でも鮮明に記憶として残っている。
埼玉県八潮市に引っ越し、直後の13歳で丁稚奉公に出され、ここでいろいろなことを学ぶ(これがなければ今の自分はない)。

このストーリーを起こしただけでも、とらさんの壮絶ないきざまを垣間見ることができます。
ポリオの罹患、両親の離婚と再婚、虐待、いじめ、差別というマイナスの言葉が並ぶ中、おじいさまの存在と奉公先の家庭の温かさに救われたのが、いまのとらさんの明るいキャラクターを形成しているのかなと思いました。

とらさんのテーマと夢

ここからは、大人になってからのとらさんについて。

30代で環境問題に触れるようになります。
特に、食に関しての関心が高いようで、四季を感じる食を意識されているようです。
特に、高度成長にともない次第に多くなる食品添加物と、春夏秋冬のものができるという風土からお金儲け主義に走り年中できるようになってしまったことを憂いていました。
子どもの小児がん罹患の高さ。
若い人(40~50代)の脳梗塞。
人生100年っていうけれど、80年元気で残りの20年が寝たきりの人生ってつまらないので、食について(作っているひと、たずさわっている人)真剣に考えているのだそうです。
「食は命のもと」という言葉がささりました。

とらさんの壮大な夢≒アメリカンドリーム

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とらさんの夢について。

ハワイのどこかの州にドリームランドを作りそれに向かって自分の頑張る姿を見せたい。何にも縛られない世界を作りたいのだそうです。
なぜそういう考えに至ったのか。
その問いに対して、こんな回答をいただきました。

若者に夢がない。
お年寄りはもっとない。
だからこそ、夢のある社会にしていかないといけない。

また、私たちのこれからの活動についてヒントとエールをいただきました。

子ども食堂も悪くない
手漕ぎのボートに下に穴が開いたらどうする?おそらくふさごうとするよね。
でも、そのごくごく当たり前のこと、ふさぐことをしないから子供のいじめがなくならない。
原因はみんなで話し合って進めていけばいいのではないの?
この社会の一番の問題はなに?

衝撃のホノルルマラソン挑戦

とらさんは、産経新聞に取り上げられているとおり、ホノルルマラソンに挑戦しています。
しかも、69歳という年齢で。

なぜハワイだったのか。
ホノルルマラソンだったのか。

この疑問に対し、
気候がいいから体調がいい。
楽になる。
だから薬を飲まなくてもいい。とのことでした。
そのため、とらさんが構想しているドリームランドもハワイを考えているのだそうです。

とらさんがいま思うこと

最後に、このコロナ禍において、とらさんが思うことをお話していただきました。

自分は働くために生まれてきたわけではないと思っています。
いい学校ってなに?いい会社ってなに?
スポーツはそれをするために生まれてきたの?
ほとんどの人はその道のプロにはなれない。
結局のところはそれを通して何を学ぶか?が重要ではないかということです。

いま、このコロナ騒動でみんなの顔がどこに行っても笑顔がない。
お金のために働いているから?
私たちは小宇宙なんですよね。
地球には、陰と陽がある。
人間には、男と女がいる。
それと同じように地球も生きている。
マグマがあって、マグマに溶けない岩盤があって、水が巡回している。
地球はこのようにしてほしいと思っているのに、いまそれに相反しているのではないのでしょうか。

コロナで環境が一瞬変わっている。
スウェーデン、中国、フランスなどきれいになっている。
でも、中国が落ち着いて活動をはじめたら結局汚染が復活してしまいました。
だから何か気づかないと。
どこまで高度成長するつもりでいるのでしょうか。

子ども、孫の時代にはどういう次代がくるのか。
子どもたちの虐待はどめ。
おしつけたらだめ。
私だったら、学校は無料化してしまいます。
中学から、せめて高校からはその子にあった学習をさせてあげたい。

あと、共存共栄できたらすごくいいですよね。
そして、年寄りに夢を与えることをしてあげたい。

終わりに

最後に、とらさんが次のようなことをお話しされていました。

福田元首相のいっていた言葉です。 
人の命は地球より多い 
いまは人の命はピンポン玉より軽い

この言葉を受けて、家族を守るにはコミュニケーションを出し合って知恵を出し合う、共有することが大事であるということを感じました。


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