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「#駆け出しエンジニアと繋がりたい」は駆け出しのためかそれとも・・・【データ分析】

こんにちは,しまさん(@shimasan0x00)です.

普段はソーシャルメディアと学術情報流通に関する分析をしながら生きており,趣味でSNS系のデータを使った分析とかiOS/iPadOSのショートカット作って遊んだりしてます.


もっぱら最近はVTuber関連の分析とかですが...

分析のためのデータ収集とかもふわっとしていて,VTuber関連のデータを集めたり,Shimasanアカウントの方ではApexやValorantのTwitchの視聴者数の推移の可視化を毎日投稿してます.

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「#駆け出しエンジニアと繋がりたい」とは

さて,ゴリゴリの宣伝はともかくとして本題に入りましょう.

私はまだエンジニアでもありませんし,駆け出せてもいないような人間なので,「自分と同じようにこれからエンジニアとして頑張っていくよ」とか「同じ技術に興味があって頑張ってる」という人をTwitterで探したいと思ったことがあります.

そこでこのような意図をこめられている#(ハッシュタグ)がないかと探していたときに「 #駆け出しエンジニアと繋がりたい 」を見つけました.

この記事を読んでくれている人であれば一度は検索したことがあるのではないでしょうか(何も知らない人は期待を込めて,事情を少し知っている人は怖いもの見たさで).

駆け出しエンジニアとなりたい人が仲間を見つけたり,日々の努力をこのハッシュタグで投稿することでモチベーションを維持するために使用されているものだと信じていました

しかし,現実はそうはいきません.私の構成しているTwitterネットワークでさえこの駆け出しエンジニアの人を対象としたよくないことをしようとしている人がいるという噂を聞きます.情報商材や本質とは違う誘導(#ブログ書け など),高価格でおそらくそのお金でもっと有益な学習を行うことができるであろうプログラミングスクールなどです.

最初に書いているようにモチベーションの維持のためや共通の仲間を探すために使用されている方もいるので,このハッシュタグが現在どのような意図で,どのような人間が使用しているかを調べるのには大きな意味があります.

そこで私はこのハッシュタグについてデータを収集し分析することで,どのようなことが呟かれており,どのようなユーザがそのハッシュタグを使用しているかを明らかにしたいと思います.

本当にこのハッシュタグは駆け出しエンジニアのためになっているのでしょうか??

私が仮定している搾取の構図のうち明らかにできない今回の制限事項

今回,TwitterのAPIを使用してデータを収集しているのですが,該当ツイートに対していいねしたユーザが誰であるのかを収集することができません.

以下でも述べるのですがこのハッシュタグの世界では承認欲求が満たされる世界となっています.私は搾取する側の人間の多くはこのハッシュタグでツイートをするのではなく,このハッシュタグでツイートしたユーザに対して「いいね」をすることでいいねされたユーザがそのアカウントを見てしまい肩書に騙されてしまうのではないかと考えています.

APIの制限でここを明らかにできないのが残念です.もしかしたらこの仮説は間違っているかもしれません(間違えであってほしい).

データ収集

Twitter Standard APIを用いて2020年8月21日にハッシュタグ「#駆け出しエンジニアと繋がりたい」,「#駆け出しエンジニアとつながりたい」が含まれているツイートを収集しています.

結果,18,621のツイートを収集することができました.

18,621のツイートのデータからRetweetのツイートデータを除いた13,611ツイートを今回使用していきます.

ツイートのいいね,リツイート分布

まずはツイートのいいね数とリツイート数からなる散布図を見てみましょう.

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横軸がいいね数,縦軸がリツイート数になっています.これでは上位のツイートデータによって最も多く分布されている部分が見にくいので拡大してみましょう.

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「いいね」をされることは多いが「リツイート」をされるような内容のツイートは多くないことがわかります.

次はいいね,リツイートそれぞれの分布を見てみましょう.

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散布図からもわかりましたが「#駆け出しエンジニアと繋がりたい」を含めてツイートするとかなり多くの確率でいいねがつくようです.

数値でいうと,いいねされていないツイートは36ツイートしかなかったので99.7%はいいねされていることになります.リツイートの場合,リツイートされていないツイートは11255でしたので17.3%がリツイートされていることになります.

当初仮定していた目的であるモチベーションの維持や仲間探しに使っている人が多いからか承認欲求を満たすことができる環境がこのハッシュタグにはあるようです.リツイートされている割合も決して低いわけではありません.SNSを使用していくことを選んだ以上,容易に得られる承認欲求ほど怖いものはないです.この環境が好循環であることを祈ります.

他にどんなハッシュタグが併用されているのか

「駆け出しエンジニアと繋がりたい」というハッシュタグだけではそのユーザが求める要求を満たせているとは考えにくいです.

「駆け出しエンジニアと繋がりたい」かつ「○○したい」と考えているのであれば他のハッシュタグも併用していると考えられます.なので他にはどのようなハッシュタグが使用されていたのか見てみましょう.

とりあえず10回以上併用されているハッシュタグを見ていきます.
※非常に長いので画像化してます.

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上位のハッシュタグからは本当にプログラミング初心者と繋がりたいとか毎日のやった結果を投稿したいという思いが見て取れます.エンジニアという名称ではなく,近い概念の名前でも募集している人がいるようです.

では下を見ていくとどうでしょうか.私はこういうことを知りたかった....

いきなり目につくのは「ブログ書け」ですね.駆け出しエンジニアとブログ,確かにアウトプットは大事だと私も思うのですがこのハッシュタグって確かやばいブログ界隈にアクセスするものではなかったでしょうか.

あとはプログラミングスクールがちらほら見えてきます.場所によってはハッシュタグツイートをつけて投稿することをすすめているものもあるようですね.情報商材屋さんの名前も観測できます.速やかな離脱をオススメします.

なんで駆け出しエンジニアとブロサーやらYouTubeやらマーケティングやら自己啓発やら転職,副業が繋がるんでしょうか.

皆さんもこの画像見て「は???」って思っていただけているのであれば幸いです.


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