役員不仲-18

幹部同士の仲が悪い時はどうすればよいか【調心塾OnlineVol.6】

<質問>
幹部同士の仲が悪く困っています。
どうしたらよいでしょうか?

会社が大きくなり部門が増えてくるとその責任者である役員や幹部は自分の部門の利益を最大化しようとします。部分最適を追求するようになると部門間の軋轢が生じてくるのは必然の流れです。それでもなお、会社全体の最適化をはからないと社内は派閥争いのようなことが起こり、社内はギスギスしていきます。大切なのは、そのギスギスを取り払うのはトップの重要な仕事であると認識することです。

京セラ創業者の稲盛さんは組織が大きくなってからはグル―プ会社同志、役員同士揉め事の調整役にかなりの時間を費やしていたそうです。それぞれが違うベクトルに向かってしまった際には、トップがフェアな姿勢を貫いて正しい決断を下すことが重要なんです。見て見ぬふりはいけません。

ギスギスした空気を常にチェックし、払拭し続けるのです。


きちんと向き合って言いたいことは全部吐き出させる

私がある部門の責任者をしていた時にも、マネジャー同士の仲が悪くて困ったことがありました。そんな時に私がどうしたかというと、会議室に私、Aさん、Bさんと3人で向き合い、お互いに不満に思っていることを吐き出させました。いざこのような場を設定すると最初はなかなか、お互いに本音を言いません。これはフェアではないですよね。陰口ばかり言うのはフェアではない。だから陰で言っていることを全部この場で吐き出すように言いました。

その代わりこの会議室を一歩でも外に出たら、もう絶対にお互いの悪口を言わないこと、それだけは約束してほしいと。少しづつ本音が出るようになると、空気はどんどん険悪になります。それでもひたすら吐き出させます。そこからはトップの仕事です。正しいことは何なのか、同じ会社に居てこんな状態が続くことは決してよくないこと、今の状態が社内に悪い影響を及ぼしていることを説明し、しっかりと認識してもらいます。

最低でも1時間~2時間はかけて向き合わせます。そこまでやると、少しづつトゲがなくなってきます。完全に仲が戻るのはなかなか難しいですが、それでもここまでやればかなりの効果はありました。まあこんな場面を仕切る方は大変でしたが。


多様性のある幹部をどれだけ受け止められるかはトップの成長、器量次第

役員や幹部はトップを見ています。幹部同士が揉めた時に大岡裁きををするトップの器量が小さかったり、その判断がフェアでなかったりすれば、そもそも幹部のあなたへのロイヤルティ(忠誠心)は失われます。

だから会社が大きくなればなるほど、あなたの器量も大きくし続けないといけないんです。これは簡単なことではありません。修業です。会社を成長させたいのであれば、先頭を走るあなた自身が修業し、成長し続けないとだめなんです。

あなたがどこを目指すのか、会社はどうあるべきなのか、会社経営をすることで何を実現したいのか、日々自問自答する、これは経営者の宿命です。


------------------------------------------

月額会員(月額980円)になって頂きますとすべてのマガジンを読んで頂けます。

こちらからご登録をお願い致します。https://note.mu/shimarsnote/m/med7347695b59


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?