苦手にがっつく。
自分は本当に絵が描けない。
小さい頃から本当に苦手だったので、「これは向いていないわ」と小学生くらいから絵を上手に描くことを諦めた。さらに悪いのは義務教育の段階から美術センスを身に着ける努力を放棄したため、全くといっていいほど絵を描く方法論を知らないのである。
「まあ、絵なんて描けなくたって生きていける」
この間違った考えを持ったまま、大人になってしまった。
そして現在、僕はデザイナーさんに仕事を依頼するとき大変困惑している。
デザインや配置の何が感覚的に美しくて、何が違和感なのか全くわからないのだ。
その他、色味、フォント、配色。構造的で理解すればええんやでと言われているデザインでさえも、その良し悪しを判断することが難しいと感じる。
「なぜ少しばかり努力を放棄した、昔の自分……」
感性豊かな若い頃に体系的なことを勉強しておけば、少しはマシだったかもしれないのに。
本当に人生何が必要なのか分からないので、若い方は苦手なものでもある程度は摂取するのが大事だと思います……(説得力皆無)
◎
なので最近はもっぱらデザインの勉強をコツコツしている。
勉強といっても、デザイナーになるわけではないので概念的なこと、マーケティングとデザインの関係的な文字列ばかりの本をガリガリ読んでいる。
ブランドイメージ、組織デザイン、ライフスタイル設計、コンセプト、横文字の暴挙、エトセトラ。
何だか、難しいことばかりなんだけど、デザイン本は人間の知覚や非言語を体系的に言語化してくれているので非常に読み物として面白い――。
最初はオシャレでとっつきにくくて、自分にとって関係のない別の世界のお話だったんだけど、するする、ひとつひとつの言葉が腑に落ちて入ってくる。敢えて言語化された概念を、直接的に食らっている。
もちろん今までサボってきた僕にとって、デザインとか美とかを理解するのは中々骨の折れる作業であることには変わらないと思う。だけど、やっととっかかりができた、絵とか美意識に対する初めてのとっかかり。
苦手なものを、自分の得意とする言語が翻訳してくれるとは非常に感慨深いですね。
相変わらず苦手意識は強いんですけど、がっついて、なんとか一つの形にできたらなと思います。
なんだ、今日は真面目な話じゃないか。
おしまい。
追記:
最近エヴァから徐々にガンダムへと移行している自分がいます。
最後まで読んで頂きありがとうございます!文章を読んで少しでもほっこりしてくれたら嬉しい限りです。