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息子が乳児性の大理石骨病と判明した経緯

はじめに
筆者はただの主婦です。息子がとても珍しい乳幼児の大理石骨病ということが判明し、その治療などの過程を記録しておきたいなと思って書いた文章です。医学的に詳しい訳では無いので、ご指摘いただいてもうまくお返事できる自信が無いですし、文章が面白い訳では無いので読んでいただいてもつまらないと思います。ただ、あまりに情報がないので、お子さんが同じ病気で心配なお父さんお母さんがいたときに、こういう同じ人が居たんだなとわかるといいなと思っています。
同じ病気を持つ子の家族がこの文章を読むのが何年後になるのか、その時には医療を取り巻く状況が変わっていてお役には立てないかもしれませんが、情報があると少しでも安心できるものだと思います。

息子のプロフィール
2018年7月生まれの男の子
2020年5月下旬に大理石骨病発覚
大人しくて慎重な性格で、2020年5月当時は発育や発語が遅めだなという部分を心配していました。お外で遊ぶのも嫌い、場所見知りすることが多い(人見知りはしなくなっていた)ゴロゴロしているのが好きであまり活発ではない子です。体格はかなり小さめですが、食べない訳では無いし、お医者さんに行ったり検診や発育測定で指摘されたことはありませんでした。

きっかけ
筆者は現在妊娠中で、2020年11月に出産を控えています。3月から5月中旬までつわりでほとんど動けず、5月下旬に調子がだいぶ良くなったぞ!ということで、息子の予防接種に行きました。予防接種の2週間前くらいから1週間微熱と下痢があったのですが、当日は気にならなくなったので、予防接種を受けました。予防接種では、かねてから気になっていたことを質問しようと思っていました。息子は抱っこ紐をしょっちゅう使っていたのですが、紫色の細かいアザが腕や足に残ることが多かったのです。このアザ、1歳前くらいからよく出来るようになって、ネットで調べてみると抱っこ紐でできるのは良くあることのようであまり気にしていませんでした。1月頃には風邪で熱が出た時に顔にもいくつか同じようなアザが出ていて、(その時は別の)お医者さんに質問したことがあったのですが、熱でこういったアザが出ることはあるからずっと残るようでなければ、心配要らないと言われたこともありました。つわりで抱っこどころではなく、数ヶ月抱っこ紐を使っていなくてもアザがあるので、変だなぁと思っていたのでした。
当日、予防接種がもう済んでから先生に質問したところ、「たぶん、問題ないだろうけど念の為」とのことで採血をすることになりました。1歳児の採血、どうやるんだろ?と、疑問でしたが、親は廊下に出され処置室に残される息子。
幼児は動かないようにマジックテープのついた布でぐるぐる巻きにされて採血されるのですが、廊下に息子の叫び声が長いこと(に感じただけかも)響き渡ってました。採血の結果が出るのは時間がかかるのですが、簡単な結果だけみて帰されるようで、涙目の息子を抱いてしばらく待つことに。ところが、簡易的な結果を見た先生の説明では、血小板が随分と低いから近所の総合病院で今から念の為みてもらうようにとの事でした。総合病院への紹介が、なかなか小児科との連絡がつかず、随分待たされることに。この日、午前中にちょろっと予防接種して帰ってくるつもりが、大変なことになってしまいました。お迎えに来てくれた母(私の実母)と3人ですぐ総合病院に向かうことに。

総合病院へ
その時は既にコロナの影響で病院の入口では、検温を実施していました。その入口で、「息子さんお熱あるね」と言われ、びっくり。何度測っても38度前後。このタイミングで1週間前の熱をぶり返し、心無しか元気も無さそうな状態に。総合病院では、小児科で再び採血、身長体重、レントゲン、お腹のエコーを取りました。1時間弱の予防接種で帰るはずだった私と母は、混乱しながらこれらの検査を終えました。

小児科の先生の説明では、
血小板(かさぶたなど血液を固めたり修理する役割)が基準値を超えて大幅に少ない。
赤血球(ヘモグロビン、酸素を運ぶ役割。これが少ないと貧血になる)も基準値を超えて大幅に少ない。
代わりに白血球(細菌をやっつける役割)が大幅に多い。
肝臓と脾臓が腫れている。
「しんどい状態だったと思います。この病院だと原因を突き止めるのに限界があるので、(ここから1時間くらいかかる)大学病院に救急車で移動してもらい入院になります。」
ということを告げられました。

しんどかったと思います。という言葉に私も母もすごくショックを受けて、放心状態でした。救急車!?入院!?と、おろおろしながらこれからの状況を打ち合わせし、私と長男は救急車で大学病院へ向かい、母には私と長男の入院のための着替えやら生活用品を用意しに自宅に帰ってから大学病院に向かってもらうことになりました。朝9時頃に予防接種にふらっと出かけたはずが、気がつけば3時過ぎになっていました。検査のために長男は食べるのを禁止されていたので、3人で売店で買ったおにぎりと麦茶を飲みながら救急車を待ちました。(看護師さんに許可をもらって食べたのですが、大学病院での検査も食べるの禁止だったようで、バタバタしました)

救急搬送で大学病院へ
救急車って、緊急なイメージだと思うのですが、こんな搬送もあるんだなーと、思わされました。場所見知りする息子はストレッチャーに乗せるわけにいかず、私の腕の中でうとうとしながら1時間ほどの道のりをピーポーピーポー言いながら進みました。救急隊員の方は、私が妊娠中な事を気遣ってくれたりや息子が汗かいてるのをみてティッシュをくれたりすごく優しかったのが印象に残っています。総合病院のお医者さんが一人付き添いになり、長男と私、救急隊員の方2名を乗せて、こんなちっこい、グーグー寝ている息子のためにあらゆる車両を止めて病院に向かうのは申し訳ないような不思議な気持ちでした。
ここでようやく混乱していた頭が落ち着いてきました。血小板と赤血球が少ないという状況、もしかしたら息子は白血病なのかもしれないと全くない知識を振り絞って思い至りました。

息子の肝臓と脾臓の腫れについての補足です。私の母が息子のオムツ替えの度に、「おなかパンパンじゃない?溜まってるのかな??」と言って優しくマッサージしてくれたりしていました。言い訳ですが、一人目で比較対象がいないので、幼児体型でしょと決めつけていました。同じくらいのこどもともコロナの影響で数ヶ月会っていなかったのもあり、まったく気づけませんでした。今では腫れもなくなったのでスッキリなお腹になっていて、お腹だいぶ張っていたんだなと家族でため息をついてます。

大学病院に到着すると息子はさっそく絶叫の採血に運ばれ、私は入院の手続きを案内されました。改めて入院生活の様子を詳しく残したいのですが、ここの病院は面会についての制限が優しい印象でした。保護者が一人付き添いで入院し、日中は14:00から20:00まで(うろ覚え)おじいちゃんおばあちゃんの続柄まで面会可能となっていましたが、実際のところ朝早くから家族に来てもらっていました。病気の原因も不明だったので、感染するものだといけないということでトイレ付きの個室に、背の高い柵のついたベッドが用意されていました。
息子は疲れたのか、そういう体調が悪くなりかけていたタイミングだったのか、38度近くの熱が続き軟便もぶり返し(その後下痢になった)、少しぐったりしていてかわいそうでした。この不調は結果病気とは関係なく、単にこのタイミングで体が弱っていたこともあり不調をきたしたようでした。この日の記憶は曖昧ですが、検査が終わって20:30くらいにようやく息子の夕ご飯が食べられるようになりましたが、看護師さんにごはんの補助をすっかりお願いして、私と母は医師の説明を聞きに別室に案内されました。
大学病院では赤血球、血小板の異常がみられることから、白血病をはじめとする病気を疑って検査を進めていくということでした。心の中で、ああ、やっぱり。と思わず呟きました。この日は金曜日で土日は検査を進めることが出来ず、月曜以降どんな検査をしていくのか説明を受けました。救急車で急いで搬送したのも、金曜日の午後5時を過ぎてしまうと、月曜まで血液検査などできなくなってしまうので急いだようでした。予防接種終わってから、言われた通りちゃんと紹介の病院行ってよかった....。
小児科の入院ではこどもの食事は出ますが、付き添いの親の食事は手配できません。その夜、コンビニで冷やし中華を買ったのですが、なんだか喉を通らず(まだつわりの名残だったのもある)冷静でいようとしているのに想像以上に自分はショックを受けているんだなと感じました。
土日は赤血球と血小板の輸血を各々1回ずつしながら過ごし、他県から主人も金曜日夜には駆けつけてくれていたので、土日は一緒に過ごしました。
月曜日の検査は骨の中にある骨髄液を採取する検査でした。赤血球や血小板などなど製造する骨髄は骨の中央にあり、その状態を見ることが白血病であるかの診断に必要とのことでした。大きな骨である腰骨に小さく穴をあけて、骨髄液を取る....と、想像するだけで痛いですよね。私の腕の中で麻酔をかけられて、ガクッと眠りに落ちる息子がショックで、ここで初めて少し泣きました。この時の結果ですが、白血病かはっきり分かりませんでした。今はなぜか分かりますが、骨が異常に固くて上手く採取することが出来なかったようです。この時お医者さんは不思議そうにしていました。
1週間かけてCTやMRI、耳鼻科、眼科、歯科、エコーなどなど検査目白押しで、くたくたでした。MRIが1番の決め手となり、大理石骨病と診断がついたのでした。最終的には大学病院には1ヶ月強入院することになりましたが、また別のページで大理石骨病とはどんなものか、小児科の入院生活について、現在につながるまで続きを描きたいと思います。

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