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乳児性の大理石骨病とは


前回、1歳の息子がどのようにして大理石骨病ということがわかったか書きました。今回、大理石骨病とはどんなものか書きたいと思います。

大理石骨病については、素人の頭での理解を噛み砕いて書いた内容なので、お医者さんからの説明や詳しいホームページの方の内容をしっかりと確認してください。また、長期生存率などショッキングな内容にも触れるので、気持ちが落ち込むかもしれない方は読まないようお願いします。画像のところまではショッキングな内容を含まないようにしているので、そこまででやめてもらうといいかもしれません。

大理石骨病とは?
まず、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)をご存知でしょうか?
人間の骨が成長するとき、骨芽(こつが)細胞と破骨(はこつ)細胞2つの細胞が働きます。破骨細胞が骨を壊して、骨芽細胞が骨を作る2つのサイクルがバランスよく働くことで、骨が大きくなっていきます。よく聞く骨粗鬆症はバランスが崩れ、破骨細胞ばかり働いていることで骨が脆くなる症状です。
大理石骨病はその逆です。破骨細胞が働かないことで骨の密度が過度に高くなりカチカチに固くなってしまう症状です。それって、骨粗鬆症より良いのでは?と思うのですが、過度に密度の高い骨はむしろ脆く、骨折しやすい状態になります。また、破骨細胞が骨を壊すことで成長していくはずのものが、既にある骨ばかり形成していくので、頭の骨など神経の多く通っている繊細な部分まで骨を分厚くしすぎて、神経を圧迫する可能性があります。
タイトルには「乳児性の」とつけていますが、大理石骨病は発症する時期によってその重症度は変わってきます。成長が進んで大きくなってから骨折してはじめて分かる方が多いそうなのですが、基本的には骨折に気をつけることで特に問題なく生活を送ることが出来るそうです。ただ乳幼児期になんらかの症状が出ている場合、重症度の高い病気になります。大理石骨病じたい患者さんは10万人に1人といった割合だそうです。この時点で珍しいものではあるのですが、乳児性の大理石骨病はさらに稀なものです。おそらく今現在日本でこの病気の治療をしているのは息子だけなのかなと思っています。


乳児性の大理石骨について
なぜ重症になるのかという部分です。前回息子は通常よりも血小板と赤血球が少ないと書いたのですが、この部分が関係してきます。骨が分厚くなることで、骨髄(骨の中にある細胞をつくる部屋)が物理的に狭くなっている状態にあるためです。そのため検査でも骨髄液が採取しづらかったのでした。骨髄が狭くなることで新たな血液が作りづらくなり、血小板と赤血球が減少することで定期的に輸血が必要な状況になっているのが現状です。
息子は今では貧血も安定して、今では通院で時々輸血しながら自宅で様子を見ている状況なのですが、体格など成長は遅めですが本当に普通の子なんです。病気に気づかなかったくらいで、元気に公園で遊び回ったりはしゃいだりします。


では、そのまま定期的に輸血しながら生活できるのかというと、それも難しいようです。まず、定期的な輸血は輸血依存で好ましい状況ではありません。適切に処理されているとはいえ他人の血液を身体に入れ続けると、いずれかは拒否反応が出てしまうものなのだそうです。また先程、骨が厚くなり神経を圧迫すると書いたのですが、それにより様々な影響が懸念されます。視覚障害、聴覚障害などなど神経を圧迫するということはあらゆる障害をきたす可能性を含んでいます。息子は幸運にもまだ視覚や聴覚に異常はありませんが、病気が進行していけばいつ出てきてもおかしくない状況です。可能な限り根本的な治療がすぐ必要だと考えられます。その根本的な治療として骨髄移植が有効とされています。それは骨髄液が別のものに置き換わることで、破骨細胞自体も置き換わるからです。
ざっくりとした数字ですが、今のまま何も治療をしない場合の長期生存率は5%、骨髄移植をすれば40%と病院では説明を受けています。

次回は大理石骨病の骨髄移植について詳しく書けたらいいなと思っています。

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