読書感想文「君の想い出をください、と天使は言った」を読んで〜もしも2年の記憶がなくなったら、あなたはどうしますか?〜
「君の想い出をください、と天使は言った。」もう読み終わりましたので、感想を書いていきます。
大切な人がいる人はぜひ読んでみてもらいたいし、考察好きな人にも読んでもらいたい、そしてただ泣きたい今のあなたにも読んでもらいかな。
主人公の夕夏は脳腫瘍で病院に運ばれ、おそらく悪性だろうと医師に告げられる。その夜に、彼女のもとに、取引を持ちかける青年が現れる。夕夏の命を助ける代わりに君の大切なものを1つ奪うと…翌日、手術を終えると、彼女の脳腫瘍は陰性となっていた。自分のことを悪魔と言った青年は、夕夏の2年間の思い出を引き換えに続きの人生を彼女に与えた。青年は、床に自分の力でその2年間何があったのか見つけ出すように促し、そして自分を悪魔だと名乗った。夕夏は仕事や家族との関係を通して2年間謎にの迫っていく。と言う話である。
タイトルは、私が言ったとなっているが、青年は自分のことを悪魔だと自称している。ここが1つ物語の上での面白いポイントだった。なぜ悪魔なのかって言う観点から話を読み返すとまた違った気づきがあるというか、完全に話の様相が変わってくる。そして彼はアフターケアと称し、日常生活に戻る優香のサポートをする。なぜ彼はそこまで彼女に固執するのか、悪魔の仕事と言いながらやりすぎではないかと思うが、全てわかるとほんとに切なくなる。
主人公は周りの人間の態度から2年間の自分がどういう人だったのかを振り返る中で反省したり、登場人物で主人公と大きな関わりがある星羅と言う家族が出てくるが、彼女の死やその後の家族の態度から、家族の壁を作ってしまって誰にも言わずに上京するが、脳腫瘍で倒れたことで、家族の関係にも変化が生まれるところもグッとくる。
さて、この2年の記憶がなくなったら、自分はどうするんだろうか。SNSのヒントもなく、LINEもなく手元にあるのは、自分の部屋に残ったもの位である。でも、5年間記憶がなくなったら、大変かもなーって思ったり。環境が変わりすぎてるしね。でも、人生と引き換えできる2年間があれば、それはそれで幸せな人生なんだろうなって思います。でもよくよく考えたらそれはもう手に入っているかもしれないね。だって幸せだもの。
そういえば、この本を勧めていたけど、少しだけ、バットエンドの話って言ってたけど、これは彼女視点の話かなぁ…
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