アスファルトに咲く花のように

アスファルトに咲く花
それは、強く、儚く、そして美しい

花は美しい。
花は人を元気にしてくれる。
写真を撮る人にとって、絶好の被写体である。
でも、私は違った。
花をただ撮っただけでは花に対して申し訳が立たない。
何かが必要だった。
その何かはわからなかった。
だから美しいと思っても、花にカメラを向けることはなかった。
私は幼い我が子を撮り続けていた。
そんな時に、小さなヒマワリに出会った。
アスファルトから咲く力強さに感動した。
そして夢中で写真を撮った。
私は花の力強さ、儚さ、そして美しさに心動かされた。

ある日、車で移動中、道路の片隅に咲く美しく立派な花を見つけた。
明日撮ろうと思い、そのまま車を走らせた。
次の日、その花は刈り取られ、周囲一帯きれいに掃除されていた。
写真に今度はないと気付かされた。

美はいつも目の前にある。
遠く離れたところにあるものではない。
でも、美は少しだけ隠されている。
それを発見できたとき、私は幸せな気持ちになる。
もっともっと美を感じられる心を持ちたい。

ちょうど子どもが、我が家を巣立っていった。
厚い壁にぶち当たり、もがいている君に、この花を「応援花」として送りたい。
どんな時も、お天道様は必ず君を見ている。
（あとがきより、一部抜粋）

撮影期間　２０１０年〜２０２１年 １００ページ

写真集 アスファルトに咲く花のように「応援花」: 強く儚く、そして美しい花