無門関第四十四則「芭蕉拄杖」

 無門関第四十四則「芭蕉拄杖」について、綴ります。
 公案の現代語訳は、こちら。

 とりあえずまずは、拄杖とは何か、という話でしょうけどね。
 拄杖。杖です。雲水が行脚する際に使います。
 でも、ここでは単にそういうことじゃなくて、何かの見立てだということでしょう。

 この話は、私には、こう見えました。
「情けは人の為ならず」

 持っていれば、与えることが出来るから、与えてもらえる。
 持ってない人は、何かと奪おうとしがちなので、奪われる。
 おんなじように、されるのでしょう。

 回り回って、自分のためになるもの。
 だけど、「自分が得をするためにするもの」とだけ思うと、いい結果にはつながらないもの。

 ずっと「自分とは何か」「自分が素晴らしい境地に至るには」みたいなことばかり考えてると、周りが見えなくなること、あるかもしれません。
 でも、そういうのも、ほどほどの方が、生きやすくなる。
 周りを粗雑に扱う人が、周りから大切に扱ってもらえる、って、滅多にあることじゃないですからね。
「他人は自分の鏡」みたいなこと、結構あります。

 どんな難所も逆境も、人の情けのおかげで、きっと何とかなる。
 素直に受け止め、感謝できる自分でありたいものです。

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