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ランニングという戦場でまみえるヤバい敵10選

外出を控える風潮とはいえずっと家にいては気詰まりなので、軽くランニングに興じようという人も多いのではないでしょうか。ランニングなら密閉空間でもないし人とも話さないし、感染リスクはゼロに近いはずです。

かくいう僕もかれこれ6年くらい近所の川沿いの狭い道を週2~3くらいでゆるゆるランニングしています。というわけで、そこで出会う無数の敵たちとその対処法を書いておきます。

敵1「この世には自分と自分の犬しかいないと思ってる人」

犬の散歩は別にいくらやってくれてもいいんだけど自分と犬だけで道幅の9割9分を占領しやがる奴。リール(って書いたけど友達に「それリードだよ」って訂正されました)がゆったりと余裕持ちすぎてナイキのマークみたいになってる。俺はリール(それリードだよ)の下をくぐればいいのかリール(リード)を飛び越えればいいのか。こういうときは「走ってるときの足音をわざと大きめに鳴らしたり意味もなく咳払いをすることで早めに自分の存在を悟らせて道をあけてもらう攻撃」、サウンドストレングスアタック(SSA)を繰り出して完封。

敵2「なぜか道の右と左のはじっこに分かれて散歩してる老夫婦」

なにかの偵察任務でもしてんのか?ってくらい頑なに隣合わずに左右に散らばってる老人。いやそれが夫婦長続きの秘訣なのかもしれないけどこちとら好き好んでリア充に挟まれた道を走り抜けたくないんですよ。とはいえどんな技を繰り出しても老夫婦を動かすことは到底できないので、こういうときは降参してなるべく瞬間最大風速高めで通り過ぎる。

敵3「アトランダムな動きを見せる園児たち」

なんか近所の保育園だか幼稚園だかが園庭がないらしく、自然とふれあう機会だとばかりに川沿いを散歩してたりするんですね。それ自体は微笑ましい光景でも、彼らは時に道端に花とか見つけるやいなやモンハンのモンスターのバグみたいな動きを見せてこちらの虚をつくので無事に走り抜けられるかどうかだいぶリスキー。だいたい平日の真っ昼間から修羅の目つきで川沿いを走ってる23歳児の姿をいたいけな園児たちに見せるのは教育上よろしくない。よって遠目に園児どもを観測したらもはやバトルは諦めて別の道へと逃げるのが最善手。

敵4「女性をはじめとする人間全般」

特に夜にランニングしてるとき前方に人(特に若い女性)がいると最大限の警戒をしなくてはならない。あっちからすれば夜道で荒い息と足音が後ろから徐々に近づいてくるって当然怖いと思うのでこちらも相応に細心の注意を払い、勝算がありそうなら例のSSAをジャブとして繰り出す。もしくは大河ドラマ『いだてん』式のめちゃくちゃ規則正しい「スッスッハッハッ」の呼吸をこれみよがしに強調することで「自分は不審者じゃないですランニングしてる人なんです」というシグナルを送る。経験上このスッスッハッハッ(SSHH)を活用すればまず通報されることはないしたぶん恐怖心も与えてない。

敵5「漆黒の翼を纏いし闇の地帯」

カラスゾーン。まあそんなに治安の悪いカラスどもではないのでこちらも敵意のなさを示すために薄ら笑いを浮かべ、「カラスをやたら嫌う奴らと違って俺はおまえたちのことわかってるよ」と初期ナルトに対するイルカ先生ばりの理解者アピールをしながら走り抜ける。たまに「その黒い羽かっこいいね」というお世辞も交えると◎。

敵6「なんかめちゃくちゃ速いガチランナー」

これに関してはもはや勝負にならないので、後ろから強者の「オーラ」を感じたら即座に道をあける。別に道なんてあけなくても元々基本的にはじっこのほうを走ってはいるのだが、万が一にも邪魔だとか思われたら俺は間違いなく終わる。ここでは「速さ」こそが「強さ」。絶対の摂理を前に俺のような虫けらは服従するのみ。

敵7「スーツ姿の真面目そうなおじさん」

時間帯にもよるが、たまにスーツ姿の真面目なサラリーマン風のおじさんを前にすると「この人はこんなに真面目に働いてるのに俺はなぜ意味もなく走っているのか?」と自問自答し虚無へと陥る羽目になる。ランニングの存在意義さえ揺るがしてくる意味では大変危険な存在。こういうときは心を無にして走り、せめてものSSHHで「ストイックにやってる感」を出し、視界から外れるのを祈るように待つ。

敵8「どこからか無限に発生するJK」

ランニングコースの近くに高校があるらしく、下校時間とかに当たるとマジでJKが無限にいる。川沿いにいるわけじゃなく、ランニングコースの切れ目になってる通りを横切る(つまりランナーの前を横切る)形で彼女らは生息しているのだが、なんとなく「キモい」とか思われるんじゃないかという被害妄想が生じてくるので極力JKとは距離をとりたい。押し寄せるJKの波に現れる一点の隙間を見極めて一呼吸で突っ切る、匠の技が光る。

敵9「道を横断するヘビ」

今のところ3年に1回のペースでこいつと遭遇している。なんでいるんだ。そしてなんで俺の目の前を悠々と横切るんだ。まあヘビが通り過ぎるのを待ってもいいんだが、それは戦士としての矜持が許さない。意を決してヘビの上を飛び越えたときの快感は何物にも代えがたい。

敵10「自分」

とまあ以上のような雑念を思い浮かべながら走ってしまう自分こそが最大の敵である。心を無にできるよう精進を重ね、またヘビと戦える日を夢見て今日もまた走ろうかと思いましたがめんどくさくなってきたので今日はランニングも自粛して自宅にいます。ありがとうございました。

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