よみがえる記憶
この写真を見ていたら想いだしたのは、幼いころに大好きだった「目つぶり人形」。はるか昔の50年くらい前に流行ったお人形です。当時の人形は高価で、「お」をつけて「お人形」と呼んでいました。たしか親戚の伯母からプレゼントでいただいた気がします。
目つぶり人形はこの写真のキユーピーちゃんとおなじ素材でできた西洋人の女の子でした。目が顔の3分の一ほどもある大きさで、まつ毛はくるんとカール。
目つぶり人形は立っているときは大きな瞳ですが、お人形を横にするとまぶたを閉じて目をつむるんです。ゆっくりと眠りに入るかのような。それが面白くて何度も何度もお人形を立てたり橫にしたりを繰り返したものです。よく壊れなかったなあ。
姉のお人形は目が青くて髪はブロンドの西洋人らしくてかわいい。そして私のは瞳も髪もブラウンでちょっと地味でした。姉のお人形の西洋人らしい見た目がうらやましくて、最初はケンカして取り合いをしたなあ。
結局ケンカに負けてブラウンの落ち着いたお人形になったので、姉がいないときは勝手にブロンドのお人形で思いきり遊んだのはヒミツです。
子どもの頃のことはほとんど忘れているのに、写真1枚から急に記憶がよみがえり驚きました。えっ、おぼえているんだ、ワタシ。記憶って脳のどこかに大事にしまって保存してあるんでしょうか。
そう言えば、母親も最近のことはよく忘れますが、昔のことを聞くと話がとまりません。
写真提供:七実
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