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おやすみ、まる


わが家の猫、まるが今朝とつぜん逝きました。あまりに急でまだ実感できません。何も手につかないので、まるのことを書いてみます。


この冬は寒かったから一緒にベッドに潜り込んで眠るのが習慣になった。目覚めると隣にまるの顔。あまりに堂々とマクラに頭を乗せているから、なんだか人間のようだなと吹き出しそうになる。今朝もそう思ったばかり。

今日はは5時半に一緒に起きた。着替えている間は寒かったからファンヒーターの上に登っていたね。私は新聞を読み、まるはじっと待つ。

一足先に朝食を作っていたら7時すぎに台所にやって来て、キャットフードををカリカリ食べた。それから、壁に貼ってあるクッションでバリバリ爪をとぐ気持ちよさそうな音が聞こえたよ。

そのあとにお気に入りの出窓によじ登ったのは、朝食を作りながらでも感じた。そしたら目の端でまるの体がふらっとして床にドタッと落ちた。

たまにどんくさいから「大丈夫~、けがしてない?」と近寄った。いつもなら「落ちてませんよ~」と何もなかったようにそそくさと動き出すのに今朝は動かない。

まるの体は伸びたまま、触ったら一声「ウェー」って鳴いた気がする。抱き上げてもまるの体に力が入らない。まるの好きな箱に入れたけど、いつもは息するたびに動くお腹は動かないまま。

あわてて行きつけの動物病院に飛んでいったら、先生はもう来ていて診察してもらえた。

「年に3回くらいあるんですけど、脳の血管が切れたようです。おそらく出窓に登ったときに切れてますね。もう息をしていないです。こういう亡くなり方は飼い主にとってはつらいんですが、猫にとっては痛みがないんですよ...」

「えっ、こんなに急に逝ってしまうのか、なんの前触れもなく」。今日もまると一緒に普通の一日がはじまると思っていた。昨日と同じような日が。

多頭崩壊サバイバー

まるは9年くらい前にブリーダーの多頭崩壊から助けられた猫。ブリーダーが猫を繁殖して売ろうとしたら、猫が増えすぎて失敗したらしい。当時は50頭以上レスキューされたみたいで、すでにそこで亡くなっていた猫も多かったとか。

食べるものもない糞尿まみれの環境に押し込まれた猫たち。そこで目の見えないまるは、レスキューされるのも怖くて逃げ回っていたそう。もうこれで最後のレスキューってときに、ようやく捕獲された猫たちの一匹でした。

50頭以上の多頭崩壊猫たちをボランティアさんたちがお世話していた。、私も何回かお手伝いに行きました。まるはのんびりした性格で可愛かったんです。

でも、まるはなかなか里親が決まらず、家でよければとやってきました。当時の書類を確認したら2014年。8年前のようです。

note&図解 (19) (1)

わが家

最初は新しい環境にビックリして、ケージに潜りっぱなしでなかなか出てきませんでした。少しずつ慣れて行動範囲も広がったけど、最初は目が見えないから茶の間と隣の仏間だけに閉じ込めていました。

台所は高い段差があったから、出入り禁止。その後台所をリフォームしてバリアフリーにしたら(老いた人間のため)、まるも出入り自由になって大喜びです。それからはほとんど台所ですごすようになり、以前よりも目が届くようになりました。

ガードニャン

まるは私のガードニャン。いつも後ろをついてくる見守り役のようでした。仕事も家事をするときもじっとそばで待っていてくれる。

どんどん甘えん坊になり、一緒にベッドに入って寝かしつけないと一人では眠れない。仕事スペースでまるがグルグルし始めたら「眠い」の合図でした。

仕事デスク下の爪とぎベッドもお気に入り。午前中は日がたっぷり差し込む暖かい特等席でうれしそうに丸くなっていた。

昨日のまるは玄関脇の引き戸のスキマから脱走して、玄関の外で焦っていました。こっちも犬の散歩から帰ったらまるが玄関の外にいるからビックリ。昨日だよ、昨日は元気に走り回っていたのにな。


まだ気持ちの整理はつかないけどまるのことを書いていたら、楽しかったことをたくさん思いだせました。まる、ありがとう。顔は冷たくなってきたけど、お尻はまだ温かい。でも体が固くなってきた。やっぱり、眠っているだけじゃないんだ。

まる、ありがとう。もっと一緒に遊びたかったな。ありがとう。ありがとう。ありがとう。楽しかったよ。

譲渡会

今はペットブームでこれから猫や犬を飼い始める方もいるかもしれません。ペットショップへ行く前に、ぜひお近くの譲渡会をのぞいてみませんか。全国で猫や犬、ウサギなどを保護しては譲渡しているボランティアがたくさんみえます。ブランド犬や猫ではないけど味わいのある運命の相棒が見つかるかもしれません。

「地名 譲渡会」で簡単に検索できます。飼い方やしつけもていねいに教えてもらえますよ。まるのようなペットが減りますように。


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