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”アメリカに行ってもセレブには会えません”

遥か昔(笑)私がまだ宮崎のど田舎でかわいらしい中学生だった頃、アメリカは遠い世界のもっと向こうのような、現実的な場所ではなく、映画やテレビなんかで目にする異星のような地だった。

私がアメリカに留学したいと言い出した時も、遥か昔のど田舎の話なので、周りの教師や同級生たちは ”アメリカどん行って、なんすっとね?” と不思議がり、それよりも皆の関心は東京や大阪などの都会の大学に進学することで、私の  高校を卒業したらすぐさま渡米したい  という思いに共感してくれる人はほとんどいなかった。同級生たちにとっては東京がもうすでに異星であり、そこよりも遠いところに行く理由もなかったのであろう。

私はなんとなく、アメリカに行けば映画やテレビで見るかっこいいスターや女優や有名人に会えるのではないか、とミーハーな思いも抱いていた。

アメリカ広しといえど、そんなセレブたちは都会に行けばわんさかいるのかな、などとど田舎の中学生らしい考えを持っていたが、そうではないことも十分わかっていた。ロサンジェルスの大学に通い、華やかな大学生生活を送る私は道でばったりセレブに会うのでは、なんて冗談を面白おかしく同級生とのおしゃべりで場を盛り上げるための話題にするくらいだった。

そんな私たちの馬鹿馬鹿しいおしゃべりを聞いていた英語の河野先生がピシャリと言う 

シマリスさん、アメリカに行ってもホイホイと有名人に会うなんてことはないんですよ!絶対に会うことはないんですよ!そこらへんにはいないんです!

まぁ、そりゃそうだろうけれど、私はその先生の声の中に ”この非現実的な空想をしている生徒の鼻を折ってやろう” といじわるな感情があるのを察知した。彼女の顔は悔しさか、イライラか、怒りなのか、不満なのか、ひんまがっていて、私を諭そうと思って言ったことではないのは明白だった。

プイっと踵を返し、ずんずんと遠ざかる彼女を見て、当の私も ”けっ、そんなことくらいわっかっちょるわ” と毒づいた。


さて、私がアメリカに住んでかれこれ合計20年以上。河野先生に教えてあげたい。

先生、アメリカに来てホイホイ有名人に会う機会が割とありましたよ!

目撃した、話をした、接点があった有名人をリストにしたことがなかったのでこれを機会にやってみる。*ショーやライブでの”見た”は省いてます

レディーガガ、ビリー・ジョエル、プリンス、ドン・ヘンリー(Eagles)、ロバート・パティンソン、ジョン・ボンジョビ、クリス・マーチン(Cold Play)、パリス・ヒルトン、LL Cool J、スティーブン・スピルバーグ、レニー・クラビッツ、ビヨンセ、ヒュー・ジャックマン、エマ・ロバーツ、ジェームス・フランコ、ジュリー・アンドリュース、トム・ペティ、サラ・ジェシカ・パーカー、オプラ・ウィンフリー

わかっているだけでこれくらい。その場にいた友人や知り合いに あの人有名人 と言われても私が知らなかった人はたくさんいる。最近はテレビも見ないので顔を見てもわからない人の方が多い。

セレブに会ったからといって何にも得はない。彼らの友人ではないし、恩恵もないし、給料があがるわけでもないし、私の手柄でもない。

だけど河野先生が言い放った ”有名人には会わないんですよ”  はとりあえず間違っていた。同窓会に行くことがあれば教えてあげたい。

やっぱり ”絶対にない!” などと人に言ってはいけないな。こんなつまらない言動でも何十年経ってから思い出されて記事にされるんだから、いいことないわ。


シマフィー 





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