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たかがお昼ご飯

我が校には寄宿生がいるので、学校のカフェでは朝、昼、晩と3食の提供があります。
基本的にはビュッフェスタイルでビーガン、ベジタリアン向けやグルテンフリー、ナッツフリーなどの献立もありそれぞれが食の好みや規制に応じて選べるようになっています。アメリカですが留学生も多いので3食にあらゆる地域のメニューを出してくれるので、朝は中華粥、昼はナポリピザ、夜はパエリヤに焼き鳥、など飽きることはありません。
ありがたいことにどれだけ食べても無料で、しかもメニューも豊富なので学校がある日は外にでて食べることはまずないです。私たち教師が多分一番感謝している福利厚生です。

そして新任の教師は必ず太ります。私も赴任してから着実にパワーアップしています。

そんな恵まれた私たちですが、本当にたまーーーに、1学期に1回とかお昼休みにキャンパスを抜け出して外食します。息抜きです!必要なんです!
私は小さな偉いひとの立場にあるので、時々若い先生方を誘ってお昼をご馳走していたのですが、たいていは近所のバーガーレストランでした。そこは美味しくてご馳走できる値段です。

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かわいいレトロな店内は60年代のジャズやポップスが流れ、ウエーターも愛想よく動きます。でも・・・美味しいバーガーに色々なフレンチフライがついて、一人25ドルほど・・・って高くないですか?それプラスチップだと30ドルです。
なので外食は本当にたまーーーーにしか来ません。

個人の意見ですが、アメリカはレストランに入ると日本よりもお金がかかります。私が住む街は東海岸の田舎ですがそれでもお昼にレストランで外食すると20ドルから30ドルは使います。それプラス、チップです(お会計の15−20%)。
ファストフードだとセットメニューが10ドルほどでしょうか(うちの近所にはファストフードがないです笑)。
貧乏性なのでついつい日本の安くて美味しくて清潔でサービスの素晴らしい800円の定食と比べてしまいます。
私、日本で3000円のお昼ご飯食べたことあったかな?ないな。

なぜそんなことを思い出したかというと、今朝の町内ニュースでこのバーガーショップがパンデミックの影響で閉店したと聞いたからです。
この店だけでなく、アイスクリームショップもタコスレストランも、フレンチもギリシャ料理のレストランも潰れてしまいました。

学校はいまだオンラインで、給食も出ないのですが、普通に通学できるようになったときに気軽に外食できるレストランはほぼなくなってしまいました。
またその時には新しい店ができるとは思いますが、さらにお高くなって我らのような庶民が週一でも行けるようなところはないのではないか、と懸念しています。

年に2度か3度の同僚との”会食”でしたが、その時間は貴重でした。
学校を出ると開放感もあるし、自由な気分になるし、親睦も深まり、普段できない話もします。生徒や他の先生方の目や耳がないのでオープンに自分の言いたいことを言ってくれます。親睦を深める方法はこれだけではないですが、私たちは ”外で一緒にご飯を食べた” という事実がとても特別に思えるのですね。

パンデミックの”ニューノーマル”な生活様式は、今のオンライン授業やマスク義務などの直接的な問題だけでなく、将来の小さな問題につながりますね。

今度からどこに行こうか、困ったなぁ。割と切実な問題なのですよ、たかがお昼ご飯でも。

シマフィー

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