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叱られた大人をもう一度叱りたい

先日会議をサボって私に叱られた男の子がまた昨日会議に来なかったというフォローアップ記事を書いたのですが、諸事情があり削除しました。コメントを下さったちょいさん、片山さん、あきひこさん、tomandfridaさん、ありがとうございます、そしてごめんなさい!

今日はその私に叱られた新人教師の誕生日なので、昨日の金曜は同僚たちと持ち寄りのランチパーティーの準備をしており、チキンやらカップケーキやらが教室のデスクに並んでいたのだけれど、彼はまた朝から会議に顔を出さず、ランチもすっぽかしてしまっていた。

まだ学校に来始めて2週間たっておらず、私たちはつかみどころがなく、よく知らない彼が一体なぜ仕事に現れないのか、連絡をよこさないのかの推測をしながらも、果たして彼が ”新人類”(古っっ)が故に職場の常識をわかっていないのか、自分勝手に行動するタイプなのか、連絡をよこしたりするのが面倒な人なのか、全くわからないでいた。(*アメリカで教師をしています)

叱られた時にはニコニコで はーーい、OKでぇーーーす! と軽く返していたのであまり仕事を真面目にするタイプでないのかもしれない・・・そんな風に考えていた。3連休が終わり火曜日に顔を出したら、またきちんとこのアンポンタンを叱らねばならない(そして叱るのは気を使って疲れるので嫌だ)と憂鬱だった。

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今、これを書きながら心の底からまた彼を叱りたいと思っている。

君はチームの一員なんだから、生徒たちも君に会うのを楽しみにしているのだから、同僚は君の活躍に期待しているのだから、君を見込んで君を雇ったのは私なのだから、これからどんどん成長するのだから・・・だからこれからプロの教師として大人の思考と行動を心がけなさい。

そんな風に叱りたい。

もう出来なくなってしまった。彼は突然亡くなってしまった。私たちが、あいつはなぜ会議に来ていないのか、一体何をしているのか、まさか事件や事故に巻き込まれたのではないか、などを彼のために用意した誕生日のカップケーキを食べながら談義している時にはもう亡くなっていた。今朝方連絡が入り、同僚も私も大いに動揺している。何故なのかどうしたのか、全くわからない。ただわかっているのは彼は大人として間違った判断をして、結果命を落としてしまったということ。

もっともっと早く出会って大人としての責任感や行動や経験やなんかを話し合う機会があったらよかった。たくさん叱られて、たくさん成長する機会があったらよかった。そうしたらこれからの人生で間違った判断をすることが少なくなっていったかもしれない。

彼の判断と行動に自分が直接関係しているわけではないけれど、悲しくて悔しくてどうしようもなくやりきれない。ソーシャルディスタンスとマスク義務のせいで、彼の表情をまともに見れたこともない。ウェルカムのハグも出来なかった。チーム写真も撮っていない。彼の私生活を何一つ知らない。

せめてもう1日学校に来てくれてたら、自分のために用意されたチキンやサルサやカップケーキを見てくれてたら、カードに寄せられたメッセージを見てくれていたら、そうだったら良かったのに。アンポンタンのままでいいので生きていて欲しかった。

叱れないという現実が苦しい。苦しい、苦しい。

シマフィー 

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