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大人を叱るのは疲れる

ま、大人に限らず誰かを叱るというのは疲れるもの。もともと生徒たちを叱るということもあまりしないのは、大体が事実を述べて状況を説明すれば生徒たちの方が ”そうか、自分のした行動は正しくなかったのだ” と理解してくれるからだ。そして自分も色々と考えて疲れる。なので叱りたくない。(*アメリカの私立校で教師をしています)

それでも叱らなければならないときはある。

行動が改められなかったり、自分や他人を危険にさらすかもしれなかったり、ただ単に善悪の区別がつかなかったりすることもあるからだ。

今日は大人を叱った。

”注意をする” なんて優しいものではなく、まさに良くなかった行動を指摘して、どうして良くないのか、次回からはどうするべきなのか、を強い口調で伝えた。

叱られた相手は私がこの夏雇った、2週間前に来たばかりの新しい先生で、まだ若い男性だ。この”若い” というのは、叱る側にとっては非常に悩ましい。彼は28歳で、私にとっては生徒たちと変わらないような”若さ” と少ない経験なので、一丁前の大人として扱うのはどうかな、大人としての正しい行動を期待するのはどうかな、と考えてしまう。

自分が28歳の時はパヤンパヤンしていたような気がする。それでいて、彼よりはずっと真面目に仕事をし、きちんと責任を果たしていたような気もする。

自分を基準にしても生徒を基準にしても、果たして彼にどれほどの”大人”を期待していいのかがよくわからない。それでも新任とはいえ、いいお給料を貰い、プロとして働いてもらわねばならないので、プロとして扱わねばならない。叱ることは決めているのだが、頭の中で葛藤している。

叱った理由は今朝の会議2つをサボって、自分の教室で授業の準備をしていたからだ。本当に準備をしていたのかは定かではない(実際レッスンプランは立っていない)が、2つサボったのは事実であり、しかも雇われて2週間で ”サボる” という行動に出るのはよろしくない。私でも5年は待った笑。さらにはサボることを悪びれもせず、”あんまり関係なさそうだったから行かなくてもいいや、と思って”とのたまった。

私は彼を傷つけないよう、けれどハッキリと私が彼の行動を良く思ってはいないということを示す言葉遣いと口調で叱った。口調や表情で ”サボるなんぞ100年早い” と思っていることを伝えたいのだ。

彼を呼び出して これこれこういう理由で会議に出る・出ないの判断は自分でしてはいけない、その判断は上司である私か、またその上のえらい人がする、半日も課せられた仕事(今日は会議)をしないなら休みを貰わねばならない、あなたは自分が”関係ないや”と思っている会議に出るのが仕事であり、仕事全部に対しての給料をもらっているプロなのだから、プロの思考と行動をしなさい・・・・そんな風に話した。

”私のいうことがわかりますか?同意できますか?”と聞くと、彼は

OK〜了解で〜す (OK, I got it)とかるーーーーい感じで返した。口調的にはローラを思い浮かべて欲しい。

叱る方が色々と悩み、言葉を考え、ドキドキして、タイミングを図り、叱った後の顔色を伺い、何か反感を買わないか、と苦しむ。

叱られた方は何も悩まず、ドキドキもせず、私の信用を無くしたかどうかなど心配もしていなさそうだった。

大人を叱るのは疲れる・・・。

シマフィー 


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