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かわいい7セントたち
私たちがこの家を買った時、池には立派な鯉が5−6匹泳いでいた。元のオーナーさん曰く、もっとたくさんいたけれど、模様が美しくて大きくて、高い値段で売れるものは全部売ってしまったらしかった。残された鯉も体長は30cmほどの美しいものばかりだったが、私たちが気になったのは池の周りの大木の枝から枝へ放射線状に張り巡らされたテグスだった。
引っ越してきて一番最初にしたのはそのテグスを全て取り除くことだった。高い木の枝から枝へ張り巡らされていたので、夫はめちゃめちゃ長く伸びる消防車についている様なはしごを買わねばならなかった。
これは空中から池の魚を狙って飛び込んでくる鳥除けに張り巡らされており、オーナーさんが高価な鯉を盗まれない様に頑張ってつけたのであろう。さもないとこんな風にミサゴ(オスプレイ、osprey) に連れ去られてしまう。
これは新聞(Daily Mail)からお借りした写真だけど、全く同じ光景をもう3度は見ている。金魚の”助けて!”と訴える様な表情がやるせない。
ここへ引っ越してきたのは9月。じきに雪が降り、12月には池は全部凍ってしまったように見えたが下の方は水が循環しており、こんなに厳しい環境でも鯉は生き残るらしい・・・と聞いていたのに3月になってフィルターを変え、ポンプを再度取り付ける時に確認したら鯉は1匹残らず消えていた。死骸もない。どこにいったのだろう。
そんなわけで何もいなくなった池に入れるために金魚を買いに行った。
ペットショップで売られている金魚すくいに放されている様なサイズの可愛らしい金魚は1匹7セント(8円くらい)で売られていた。ペット用ではなくアロワナなどの食肉魚用に餌として売られているものだ。
大きな水槽にたくさん泳いでいる7セントたちを300匹ほど引き取ってきた。ペットショップの兄ちゃんは律儀に数えていたけれど、多分300匹ちょうどではなかったと思う。でもうちのバケツに入れられたみなさんは生き残って行く可能性が大きく膨らんだラッキーな7セントたちだった。
あれから早10年。その間2度ほど100匹づつ足したり、朱文金というちょっとお高い金魚(と言っても1匹2ドルほど)を50匹ほど入れたりして、我が家の池はカラフルになった。
冬の寒さをどうやって越しているのか、金魚たちはどんどん大きくなり繁殖している。もう体長が20センチ以上のまるで鯉の様な美しいものもたくさん見える。それぞれが違う柄で見ていて飽きない。
暑い日は水が流れる音や風のさわさわという音を聴きながら、アイスやビールを片手にベンチに座り、1匹1匹を観察している。
うちのかわいい7セントたち。私たちが見えるとみんな遠くから集まってくる。
かわいい〜
シマフィー
ミサゴの写真はこちらからお借りしました
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