第66回

死生観が変化すると、生き方も変わってくる。

同世代の熟女たちは、まだ自分が死ぬ未来など、現実的ではないだろう。むしろ「人生100年時代」などと云われる世間に躍らされ「どうしよう、老後までに2千万貯めなきゃ」と焦っているのではないかと思う。

あたしはレベル50を迎えた瞬間から、漠然と「人生、残り10年」のような意識が芽生えた。
現状、命にかかわる病気には罹ってない。春からの断薬により、疑似更年期(女性ホルモンを下げる薬の副作用)による不定愁訴も改善した。にも関わらず、だ。

人生は、意外と儚い。50代にもなると、ついこの間まで元気だった人の訃報が、突然メールで届いたりする。
反面、人間は意外と死なない。「死ぬかも」という場面に何度も遭遇したあたし自身も、気がつけば半世紀を生き延びている。

今の年齢(レベル50)が「まだ人生半分」だと捉えるほうが、あたしにとってはしんどい。前半とは違い肉体が衰えるばかりの後半は、やりたいと望むことも、思うように進まなくなるからだ。

伸びしろがないとは思わない。だが同じことにチャレンジするのでも、若い頃よりはずっと厳しい道のりになる。
体力が衰える反面、生きた年数分の知恵は蓄積されている。経済面のハードルも、若い頃よりは低い。
それでもやはり、できることとできないことはある。年齢的に諦めなくてはならないことも少なくない。

ならばいっそ「残り10年」だと割り切り、やり残すことがないようジタバタしながら駆け抜けるほうが、有益なのではないか。

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