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第四章 脳はお馬鹿さん、腸は?-002

2. 脳で考えると不健康を作る?


人間の体には五感のみならず健康に留意するたくさんのセンサーが、
体内外のさまざまな箇所に張り巡らされています。
これらが巧みに機能することによって、わたしたちに気づきを与え、
自然淘汰の対象とならないように注意を促がしているのです。

私たちの祖先は、これらのセンサーからの情報を
しっかりと処理することによって、自分の体を使って
優秀なゲノム情報を連綿と受け渡すというリレーを行なって来ました。

しかし一方で、
近年の私たちはこの不健康問題を感知する
センサーに頼らずとも、食べて生きることができないか?

という新たなる創意工夫を始めていることをご存じでしょうか?

なぜか?と申せば、
このセンサーが作動すると、たびたび多大なるエネルギーを
浪費しなければいけないからです。
例えば食べ物から食中毒を生じると、体内から原因物質を口から吐き、肛門から下痢をして排泄すると言うプロセスを、一定期間内に完了しなければ自然淘汰の対象となります

実のところ、私たち人間という動物が
食べて生きるための学習と記憶(脳と腸)とこころを育むため」の
大事なプログラムの機能なのです。

しかし現代を生きる私たちは、この症状を作動させない代償として、
添加物を含んだ栄養価の低い加工食品の開発を、
奨励する試みを行なっていることをご存じでしょうか?

この壮大な社会的実験によって、
人体から何かしらの大きな問題が表出されるまで、
このトライアンドエラーは繰り返されることでしょう。

なぜなら、私たちは未来を予測できない動物だからです。

それにしても1万年前に起きた農耕時代への幕開けによる
不健康問題の表出や、
100年以上前のプライス博士の調査研究からの原因と結果を、
なぜ?私たちは学ぼうとはしないのか?が、

不思議でなりません。

*1  D. C. Paik,, et al., The epidemiological enigma of gastric cancer rats in the US: was grandmother’s sausage the cause? International Journal of Epidemiology (2001)30:181-82; P. Jackson,, and C. A. Gonzalez. Nitrosamine and related food intake and gastric and esophageal cancer risk: A systematic review of the epidemiological evidence. World Journal of Gastroenterology (2006)12: 4296-303.

つづく…

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