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人事異動の内示は、あくまで意味をつくり出す始まりだから


今日は3月30日。

私たち地方公務員の世界では人事異動が内示され、

予想通りに環境が変わる人
予想通りに環境が変わらない人
予想外に環境が変わる人
予想外に環境が変わらない人

それぞれいることと思います。


ちなみに私は「予想外に環境が変わる」ことになりました。


この記事を書いている時点ではまだ内示ですので、あまり詳しいことは書けませんが、今までの都市整備の仕事から、保健福祉関係の仕事へと大きく変わることになりました。

それと同時に、これまでの主査(=係長級スタッフ)という立場から係長というポストに就くことになりました。

保健福祉関係という全く未知の分野に飛び込むとともに、係長という初めての立場に就くこと、そしてそれ以外のいくつかの不安要素から、3月23日の人事異動の内示以降、実は気持ちがドヨ~ンとしていてSNSで投稿したりnoteを書いたりするのが億劫になっていたんです。


少し気持ちの整理をつけてからでないと、何かを新しく書く気になれないな~という感じ。


そして今日、前任の方から業務の引継ぎを受け、ようやくボンヤリではありますが、異動先での仕事が見えてきました。気分もだいぶ楽になりました。やっぱり人間は「分からない状態」のままでいるのは、シンドイんですね。

その結果、まだ仮置きではありますが、自分がこのタイミングで今のまちづくりのチームを離れ、保健福祉行政の係長に就くことの「意味付け」ができる気がしてきました。


「意味付け」については、以前書いたこちらの記事でもお伝えしていることですが。

簡単に言うと、私たちが異動する理由は最後まで分からない(ことが多い)のだから、その結果に一喜一憂するよりも、この異動にどういう理由・どういう意図・どういう意味があるのかを自分なりに考えて、納得して働きましょうよ。その方が、幸せな気持ちでイキイキと働けて、結果として住民のためにもなりますよね。そういう考え方。


まだ仮置きではありますが、自分がこのタイミングでまちづくりのチームを離れ、保健福祉行政の係長に就くことを、私はこんな風に最初の意味付けをしてみます。

①前所属にとっての意味
担当していた公有地活用については、2021年度以降の進め方にある程度のメドがつき、事業推進に必要なものは概ね私がこの3月までに整えた。よって、この後の工程は若手のスタッフに任せ、彼らに貴重な経験を譲ることで組織の地力アップにつなげる。
②異動先にとっての意味
外の業務分野を経験してきた人材をポイントとなるポストに受け入れて、前任者をより重要なポストに就かせることで戦力を増強する。
③私個人にとっての意味
これまで環境部門でもまちづくり部門でも、特定のプロジェクトをグリグリ進めてきたけれど、そろそろ組織内を広く見渡しながら所属を越えて調整するような仕事を経験しておくことでこの先の行政マンとしての幅が広がる。

「今日時点」では、このように考えています。


今日時点ではというのは、恐らくこの意味付けは後々変わるから。

特に、②異動先にとっての意味は、私がまだまだ異動先の状況をよく知らない中で仮置きしているので、きっと異動してから働く中でもっと違った意味を見出すことになると思います。
また、③私個人にとっての意味も、実際に仕事をしている中で、ここで仮置きしたものとは異なる意味も見出すかもしれません。

現に、私が5年前に内閣府/内閣官房から市役所に帰任して、まちづくりの部門で公有地の活用を担当することになったときは「国でチカラをつけてきたんだろうから、長年の懸案になっている公有地の活用を何とかしてみろと期待されている」と意味付けしていましたが、この仕事から離れることになった今は「プロジェクト推進を担える若手を育成するとともに、私自身も育成の経験を積むことができた」という大きな意味が加わりました。


人事異動の内示に対して、それが自分にとって励みになる結果でも、組織を恨みたくなるような結果でも、自分の手で意味付けをしたうえで納得して働くことが大切。私はそう考えています。

しかし、意味付けは人事異動のときに終わるわけではありません

その後、異動先で仕事と向き合い、様々な経験をする中で「この部署に来た意味は何だったんだろう」と次の部署に異動することになるまで、変わり続けるものだろうと思います。


そういえば「意味付けをするといいんだよ」と書くと、「それって具体的にどうやるの?」と訊かれることがあります。

マニュアルのようなものがあるわけではありませんが、私の例のように、組織にとってどういう意味があるのか/自分にとってどういう意味があるのかという2つの軸(できれば組織は新旧それぞれの職場にとっての意味を考えられるとよりいいでしょう。そうすると3つの軸)で考えてみてください。

そして何より大切なのは、今言語化したものが結論なのではなく、あくまで仮置きでいいんだと考えること。「ちゃんとした意味付けを導き出さなければいけない」と考えると、意味付けを考えるのが楽しくないですし、いい感じに意味付けられないと「もういいや、新しい部署でも頑張ればいいんでしょ!」と投げ出したくなってしまいます。

春以降の部署で目の前の仕事を通して、徐々に変わり、精度を高めていけばいい。そのくらいの気持ちで取り組んでみてはいかがでしょうか。



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この記事のカバー画像にもなっているこちらは、3月まで私が勤めている大宮区役所の建物です。この建物で働くのも残り1日となりました。

正直に言えば心残りはあります。
「この手でやり遂げたい」「この目で見届けたい」そういう想いもあります。



でも、もう春からはこの仕事は後輩たちのものです。

私は次へ進みます。




★ご報告★

おかげさまで初の著書を出させていただきました!

主に若手公務員を対象に「公務員が充実した気持ちでイキイキと働くことが、住民の幸せにつながる」という信念のもと、「自分の人生のハンドルは自分の手で握ろう」というメッセージを込めて書かせていただきました。

そのあたりのことは、こちらの記事でもお伝えしています。

よろしければお手に取っていただけたら嬉しいです。

また拙著に関連する記事はこちらのマガジンにまとめて掲載していますので、併せてご覧ください。


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